ガンプラのポリキャップが割れてしまった時の対処法
本日はガンプラのポリキャップが割れてしまった時の対処法をご紹介します。
ポリキャップとは?
ポリキャップとは、少し柔軟性のある素材でできた、関節部によく使われるパーツ。
素材は「ポリエチレン」。ランナーにはPEと記載されています。
ガンプラやプラモで主に使われているプラスチック素材は主に3つ。そのうちの1つです。
素材名 | 構成するパーツ | 特徴 |
ポリスチレン:PS | ガンプラ/プラモの大部分のパーツ 別名スチロール樹脂 | 加工も塗装もしやすい |
ポリエチレン:PE | 関節部等、動く箇所 | 柔軟、塗装しづらい |
ABS | 体の軸など負荷のかかるパーツ | 硬い、特定条件で割れやすい |
ポリキャップ=関節部に使われる柔軟な素材
ポリキャップはガンプラを作った人なら「ゴムっぽい柔らかいパーツ」で伝わると思います。
多くが腕や脚、首など関節部に使われている柔らかい素材です。
柔らかいのですが、立派なプラスチックです。
特徴として、柔軟であること。そして塗装しづらい点が挙げられます。
一般的なプラモ用塗料が定着せず、一般モデラーでは「塗れない」と捉えて間違いありません。
塗装しづらいのは塗装派モデラーにとってかなりの難点になるのですが、それを補って余りあるメリットが「柔軟であること」です。
ポリキャップが普及する前、関節部にもABSが多く使われていました。
例えば、HGUCズゴックの脚部や腕部はABSのボールジョイント接続。
ベテランモデラーの方は十分ご存知かと思いますが、このABS樹脂というやつもなかなか厄介な素材。
特徴の一つとして、硬いことが挙げられます。
しかし、硬い=摩耗しやすいということでもあり、ズゴック等この頃のキットはすぐに関節の保持力がなくなる欠点がありました。

よく「へたる」と言われるのはこの現象だね
一方、ポリエチレンでできたポリキャップは柔らかいためにこの欠点を克服。
柔軟であるということは摩耗しづらいということであり、結果的に関節部が長持ちするのです。
また、柔軟であるために多少の衝撃を吸収しながら曲がり、破損しづらいメリットを持っています。
ポリスチレン以外は一癖あり!
しかし、そんなポリエチレンでできたポリキャップは塗装できないこと以外にも、もう一つやっかいな特徴があります。
それがプラモ用接着剤では接着不能なこと。
よくあるプラモデル用接着剤は、ポリスチレンを溶解させながら再接着させるタイプのものです。
しかし、これはポリエチレン(ポリキャップ)には効果がなく、接着できません。
また、瞬間接着剤も同様。瞬間接着剤がポリエチレンの表面に定着しないため、接着できないのです。
ポリキャップが割れちゃった!!
ポリキャップは上記のようなデメリットを持っているため、破損しづらいと言いつつも、もし破損してしまうと相当厄介です。
プラスチックは太陽光や熱、摩擦で劣化します。
このため、古いキットや改造中に仮組を繰り返しているとポリキャップとは言え破損リスクが高まります。
筆者も改造派モデラーなので、何度も仮組を繰り返しているうちにこのポリキャップを壊してしまったことが幾度もあります。。。
ポリスチレンは加工しやすく、多少壊れても改造派モデラーは直すことができます。
しかし、ポリキャップはそう簡単にいきません。筆者も何度も涙をのんだ手ごわい相手です。

ということで、前置きはここまでにしてポリキャップが壊れた時の対処法をご紹介。
他のキットから流用
まず、ガンプラモデラーにお勧めの方法。
ガンプラはグレードが同じの場合、共通サイズのポリキャップを使っていることも多いです。
また、余るケースも多々。余ったポリキャップは保管しておくと、いざという時流用できることがあります。
ウェーブポリキャップを利用

プラモデルパーツやプラモデルを販売しているウェーブさんから、ポリキャップが発売されています。
サイズも複数展開あり、ボールジョイントなどのシリーズもあるので改造時だけでなく、破損時の流用対象にもなりえます。
もしサイズが合うようであればラッキー!使ってみましょう。
接着剤を試す!
先ほど、ポリキャップにはポリスチレン用の接着剤や瞬間接着剤が使えないと書きました。
しかし、ポリエチレン用の接着剤も存在しており、それを使えば接着自体は可能です。
それがこちらのポリエチレン用の接着剤・セメダイン「PPXセット」です。



これはポリエチレン用として強い接着力を誇る特殊な接着剤です。
ただし、周囲を他パーツで補強されているような箇所なら十分対応できるのですが、一方でボールジョイントの受け部分として使われているような箇所は非常に負荷がかかるものです。
このため、実際にこの接着剤で救済できないケースも多々あると思っておいた方が良いです。
接着できても、動かした負荷でまた接着剤ごと割れてしまうためです。
負荷を掛けない
上記接着剤とのコンビネーションで使えるかもしれません。
セメダインPPXセットで補強しつつ、該当関節を曲げたり回したりせず固定モデルとして扱ってしまう対処策です。
悲しいことですが、ポリエチレンが使われるガンプラの箇所は関節部と負荷が高すぎ、接着剤で補強しても十分ではありません。
しかし、動かさなければ耐えられる可能性は上がります。
キットごと捨ててしまうには惜しい場合は、固定モデル化して乗り切るのも一つの手ではないでしょうか。
最後の手段:バンダイさんにパーツ注文!
バンダイさんは、破損や紛失時のために大昔のキットであってもパーツ単位での部品注文を受け付けていることはご存知でしょうか。
古くは説明書のカードをバンダイさんへ郵送し、注文するやりかたでした。

めちゃくちゃ懐かしいな・・・・・
現在はWEBでの注文に移行しています。
流用や代用も不可で、固定モデルにする等のあきらめもつかない場合はバンダイさんにすがってみましょう!
在庫がないケースもあるのですが、在庫があれば数週間で新品が手に入ります。
バンダイさんの部品注文サイトは以下です。

まとめ
ポリキャップ破損はモデラーにとって大ダメージですが、再起不能になるわけではありません。
予算と時間から都合に合わせて本日紹介した選択肢からチョイスしてみて下さい。