SSRビットは局所を高速でヤスリがけできるユニークなツール
本日取り上げる主役はアルゴファイル製の先端ビット/ヤスリ・SSRビットです。
今ドはまりしている、ニッチだけども超おすすめヤスリです!
当サイトでは、これまでにルーター/ミニルーターや先端ビットを取り上げてきました。
当ページではこれらの続きモノとして、非常に特長のある先端ビット・SSRビットを取り上げます。
SSRビットって何?
アルゴファイル製の先端ビット兼ヤスリ
SSRビットはこの画像の工具です。
基本的にはルーター/ミニルーター/リューターの先端につけ、回転させる使い方が想定されています。
ニッチだがユニーク!SSRビットはどんな時役立つの?
ある程度ガンプラやプラモデルを作り始めると、小さく狭い箇所をきれいにヤスリがけしたくなる場面が多々出てくると思います。
以前もこういった時に使える極小ヤスリをご紹介しました。ただし、この時の前提は手持ちです。
おすすめとして極地ヤスリが登場しました。
しかし、狭い箇所を小さくヤスりがけする極小ヤスリには欠点があります。
それは、作業に時間がかかること。
経験済みのモデラーさんにはわかってもらえると思いますが、小さなヤスリで狭い箇所をヤスリがけする際、大きな面をヤスリがけするより時間がかかることも多々あります。
これは、ヤスリを往復するスペースがないこと、そして本体が小さく、1ストロークでしっかりヤスれないためです。
わかる!小さいヤスリで狭い場所をヤスろうとすると時間がかかってめんどい
指がめちゃんこ疲れるのと、時間がかかるのが悩みの種ですよね
それを覆すのがこのSSRビットです!
実際に見てみましょう
これらが作業風景です。
特にヤスリのストローク幅が取れない場所では良い極小ヤスリを使ったとしても時間はかかるものです。
SSRビットは電動工具のメリットを生かし、こういった場所でも超高速でヤスリがけできます。
つまり、これまであまり強調されてこなかった「地味で面倒で時間がかかる狭い場所のヤスリがけ」を時短してくれる!これがSSRビット最大のメリットです。
先端ビットとしてはかなり異色の存在
ここからは、何故SSRビットが局所高速性に優れているのか背景を考えていきます。
一般的に、ルーター先端ビットは以下の特長を備えることが多いです。
代表的なところで、めちゃくちゃ硬質なジルコニアセラミック製の「ジルコエボ」や金属製の超硬カッターなどがこれに当たります。
ルーター/ミニルーターは高速回転で一気に作業する時短メリットがあります。
それに合わせて先端ビットも大きく強く、早く削ることができるものが多いのです。
一方、SSRビットはこれら代表的な先端ビットとは違い小さく、柔らかいスポンジ製です。
この構造にSSRビットのユニークさの秘密が隠されているようです。
SSRビットの特長を深堀する!
SSRビットの特長は以下の3つです。順を追って解説します。
SSRビットの特異性/特長1 小さい!!
画像を見ていただくとわかる通り、とても小さいです。
電動工具類の特長をもう一度おさらいします。
とにかく早い
手作業ほどに繊細なことはできない
ビット自体も(プラモ比で)大きく、一気に広い面をヤスったり切削するのに向いています。
電動工具を使う理由が時短目的ってケースがほとんどだもんね
しかしSSRビットはこの「一気に広く」というセオリーを無視し、小さく作ってある発想がとても斬新です。
勿論、小さいと広い面を一気にヤスったりするには不利です。
代わりに奥まった局所を超高速でヤスれるユニークさを手に入れました。
SSRビットは高速回転する電動工具の利点を活かしつつ、極端にビットを小さくすることによって「局所を高速で仕上げる」という目的に強いのです。
SSRビットの特異性/特長2 絶妙なコシ(硬さ)
当サイト名物・ガンプラ初心者におすすめするヤスリコーナーではヤスリの選び方をご説明しました。
SSRビットから少し話がそれるのですが、おさらいがてらヤスリを選ぶときの考え方を再掲します。
平面には硬いヤスリ
曲面には柔らかいスポンジ等のヤスリ
初心者に「これ一本さえあれば」とお勧めしたいのはヤスリスティックソフト
以上を押さえたうえで「最初に一つだけ持つなら」当サイトでお勧めしたいのがWAVEヤスリスティックソフトでした。
理由は、ちょうどよいコシです。
ヤスリスティックソフトは適度な硬さがあります。
平面にも対応しつつ、緩めの曲面なら微妙にたわんで追従してくれます。
専門選手には勝てないが、1つで様々な場面に対応できるというのがこのヤスリの強みでした。
そして、これと全く同じ理屈で神ヤスの10mm厚も「一つだけ選ぶなら候補」としてお勧めしています。
話を再びSSRビットに戻します
さて、ここまでは手で持つタイプのヤスリについておさらいしました。
SSRビットは先端ビットですが、ヤスリでもあります。
このため、上記で記載した内容がそのまま当てはまります。
改めて、SSRビットの画像をご覧下さい。
このように非常に厚みのあるスポンジ製なのです。
これがどういう意味かというと、ヤスリスティックソフトや神ヤス10mmの理屈を把握されていれば一目瞭然!!
平面にもある程度対応しつつ、かつゆるめの曲面に追従してくれる万能性があるということです。
このため、SSRビットは局所対応ならば平面だろうと曲面だろうとしっかり仕事をしてくれるのです。
SSRビットの特異性/特長3 安価!
たくさん入って1セット実売\1,000ちょっと!
消耗品なので交換必要ですが、それにしたって全部で384個ものヤスリが入っています。
内訳は#400/#600/#800/#1000の4種類。
それぞれが96個ずつ=計384個入っています。
結構よく使う筆者でも全く使いきれていないので、1セット買っておけばかなり持ちます。
SSRビットは狭い場所を時短する以外に使えないの?
ここまではSSRビットを、局所への高速ヤスリがけツールとして扱ってきました。
しかし、スポンジの厚みという特長を備えていることもあって、実は専門性に特化だけしているものではないのです。
ということで、他の使い方も最後にご紹介してフィニッシュしたいと思います。
緩い曲面を高速で処理したい
緩い曲面パーツのパーティングライン処理なども大得意です。
画像はザクの肩アーマーを処理した時のものです。
曲面追従性のおかげで高速に曲面を保ったままヤスリがけしてくれます。
パーティングラインは必ずしもパーツ全面をヤスリがけする必要はないので、ビットの小ささが悪さしません。
実は手持ち極小ヤスリとしても使える
2.35mm軸径の先端工具なので、ピンバイスに付ければ手持ちでも作業可能です。
この場合は小さくカットした厚めのスポンジヤスリとして機能します。
力強く平面出ししたいなら、前述の極地ヤスリに劣ります。
逆に曲面部を極小に仕上げたい場合、手持ちSSRビットに軍配が上がります。
まとめ
SSRビットは世にも珍しい、局所を時短ヤスリがけできるツールです。
金額も安価なので、是非気軽に試してみてください。