スミ入れが汚くなるのは理由がある・・・簡単解決方法をご紹介
せっかくスミ入れしたのに汚い!
こんな状態に出くわしたことはないでしょうか?
本日はスミ入れが汚くなる原因と解決法をご紹介します。
スミ入れしているということは仕上げ手前の段階まで来ているので、ここで汚くなると心理的ダメージも大きいです(涙)
スミ入れとは?
おさらい1:スミ入れが狙う効果
まずは改めて、スミ入れとは何かというと・・・・
人間は影によって物の大きさを捉える傾向があるのですが、プラモデルは小さいため影ができにくいです。
影が小さすぎるとそこに違和感を覚え、せっかく頑張って作ったプラモでも「おもちゃだ」と直感してしまいます。
このため、影を【塗る】ことで実物さながらの大きさを演出しよう、というのがスミ入れでした。
詳しくはスミ入れ初心者向け講座をご覧ください。
おさらい2:スミ入れの方法
スミ入れに使われる人気塗料として、タミヤスミ入れ塗料があります。
タミヤスミ入れ塗料を凹部分に流しこみ、その後ふき取るのがベーシックな方法でした。
スミ入れを流し込む箇所に「点」がつく
スミ入れを流す箇所に筆の跡が残ります。
これをエナメル溶剤でふき取るわけですが、ここできれいにふき取れないという問題が発生しやすいです。
スミ入れ後のふき取りが汚くなる理由
スミ入れ後のふき取りで汚くなってしまうのは主に上記3つの理由が大きいです。
これらについて、一つずつ背景を探っていきます。
しっかり塗料が乾いていない
特に初心者がやってしまいがちなのはこちらです。
エナメル塗料は乾燥が早い方ではありません。
乾燥まではしっかり(できれば10分以上は)待つ必要があります。
すぐ拭こうとすると、乾燥前塗料が意図しない箇所にどんどん広がってしまいます。
広がれば広がるほどふき取りにくくなり、結果汚くなります。
ラインが引かれていない(スジ彫りできていない)
これは以前の記事でもご紹介しました。
パーツの境目を表す箇所にスミ入れを行うと効果的に別のパーツだと見せかけることができます。
しかし、逆エッジと呼ばれるこの箇所に、スジ彫りせずにスミ入れすると塗料がランダムに残ります。
結果、汚く見えてしまうという寸法です。
エナメル塗料が場所によって残ってしまったり、完全に消えてしまったりするからだね
表面が荒れている
最後の理由が一番よく発生します。
塗装なしでも塗装後でも、パーツ表面というのは意図せず荒れてしまうものです。
表面が荒れていると、その微細な隙間にエナメル塗料が流れ込んでしまい、表面からふき取れなくなるのです。
これが良く発生する、【スミ入れ跡のにじみ】です。
以前、別記事で「つや消しパーツの上から塗料を塗ると、ふき取れず危険」と紹介したことがありました。
理屈は全く一緒です。
つや消しとまではいかないまでも、表面が荒れていると同じ現象が起こるのです。
塗装してても同じなのかな?
塗装後の表面は思っている以上に荒れているので、結構にじんでしまうのです
多くの場合はこれが理由でスミ入れ後が汚くなります
ということで、原因はわかりました。
ここからは解決策をご紹介していきます!
スミ入れが汚くならないための解決策
乾かそう
1つ目の原因「乾く前にふき取ってしまった」の解決策は簡単で、乾くまで待てばよいだけです。
焦らず行きましょう!
スジ彫りしたところや凹んだところにスミ入れしよう
2つ目の原因「凹がない場所にスミ入れしている」の解決策は、スジ彫りすることです。
基本的にはスジ彫りやキット本来の凹部分にのみスミ入れする!というスタンスを守るようにしましょう。
ふき取りムラで汚くなってしまうのはもったいないです。
光沢スプレーを使おう
3つ目の原因「表面が荒れている」の解決策は、表面を整えてあげれば解決します。
表面を整えるのに最も簡単かつ有効な解決策は、スミ入れ前に光沢トップコートをすることです。
そもそもスミ入れ跡自体を小さくすればいいのでは?
ここまででごくまっとうな対策はとることができました。
しかし、そもそもスミ入れの筆を差し込んだ時の跡自体が小さければここまで苦労しないのではないでしょうか?
ということで、続いてスミ入れのために差し込むツール自体を細くするという解決策もご提案します。
スミ入れ専用ツールを使ってみよう
ゴッドハンド スミ入れ筆
まずはスミ入れ専用の代表的なツールとして、ゴッドハンド神ふで「スミ入れ筆」のご紹介です。
スミ入れ筆はスミ入れのためだけに開発された筆です。
穂先が長くなっていることで塗料を多く含むことができます。
加えて、先端が非常に細いことでそもそも筆の跡自体を非常に小さくすることができます。
うまく差し込めば跡が全く残りません。
これにより、ふき取り自体が要らなくなるというツールです。
dspiae スミ入れ用万年筆
ゴッドハンドスミ入れ筆と全く同じ発想で、先端を細くかつ塗料を多く含むツールとしてスミ入れ専用の万年筆があります。
dspiaeスミ入れ用万年筆がそれです。
先端は勿論細く、これもスミ入れ筆同様そもそも筆跡自体を残さないため、ふき取りが不要です。
どちらも1,000円台前半とお値段もほぼ変わらないので、お好みの方を使って良いかと思います。
入手性はスミ入れ筆の方が良いです。
また、販路が多く流通も盛ん、欲しい時いつでも入手可能。
しかし、一方のdspiaeスミ入れ用万年筆はAmazonで購入するとペン先が3つプラスで付いてきます。
加えて、アルミ製で筆より長寿命。コスパで考えるとdspiaeスミ入れ用万年筆に軍配が上がります。
まとめ
せっかくのスミ入れが汚くなってしまうのは悲しいので、事前に準備してパキッとしたスミ入れを目指しましょう!
スミ入れに使う色についても別記事で解説していますので、よろしければご覧ください。
また、スミ入れ時のもう一つのトラブル「割れる」についても原因と対策を解説しました。