今回は、初めてガンプラ製作に用意するヤスリのおすすめは?をテーマに解説します。
ガンプラ改造を趣味にする人はみんなヤスリが大好き。
皆さんたくさんのヤスリを試し、だんだん好きなヤスリが見えてきます。
しかし、そうなるまでに結構な金額を投資しているものです。筆者もご多分に漏れずそうでした。
もちろんそれに応じて経験を積めるものです。
ただ、それよりもガンプラを始めたての人は工具類にかける分のコストをキットに回したいのではないでしょうか?
本記事では、ガンプラを始めたての人が最初の段階でヤスリにお金をかけすぎなくて済むよう、2つのことを解説していきたいと思います。
- ヤスリを選ぶとき、何を重視すればよいのか?
- それを踏まえたうえで、敢えて初めての人におすすめのヤスリ
あなたもきっと、ガンプラ改造という趣味にどっぷりハマった暁にはたくさんのヤスリを手に取ることでしょう・・・・・・その時はぜひ、あなたの好きなヤスリを教えてくださいね!
こんな人に読んでほしい!
- ガンプラを組み立て始めたばかりで、どのヤスリを選べばいいかわからない
- そもそもヤスリの選び方を知らない
上記のような読者ターゲティングですので、「ガンプラのパーツを切り離した後のトゲトゲ(ゲート)とその周辺をきれいにする目的」がメインとなります。ゲート処理についての記事もぜひご覧ください。
また、本当の初心者向けにはじめてのガンプラの選び方を解説した記事もご用意していますので、よろしければどうぞ。
大前提:ヤスリに振ってある番号は何?
日曜大工をしたことがある人でもなければ、ヤスリに振られている番号のことをご存じなくても無理はないと思います。
この番号は番手と呼ばれ、特定範囲内にいくつツブ(研磨するツブ)が入っているかを示します。
番手の数字が小さいほど、ツブの数が少ない代わりにツブの大きさが大きくなります。このためよく削れ、トレードオフとして傷が深くなります。
番手の数字が大きくなるほど、ツブの数が多い代わりにツブの大きさが小さくなります。このため傷が浅くきれいに削れ、トレードオフとしてあまり削れません。
では、ガンプラでは何番が使われるの?
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/6cefb303d89b7f472dc80eed534ec0bd.png)
ある程度モデラー差はありますが、概ねガンプラでは#320から#800までの範囲がよく使われます。
使う順番は320→400→600→800と、小さい番号から大きな番号に変えていきます。
先ほど記載した通り、小さな番手はたくさん削れる代わりに傷も大きくなりますので、少しずつ大きな番号に変えていって研磨していくイメージです。
筆者の場合は#400と#600が主力です。#400メインで削り、600で終わらせるイメージです。たまに800まで掛けますが必ずではないという程度です。
ガンプラでは何番までヤスリをかけるか?
「どこまでヤスリを掛ければよいか?」は比較的ガンプラ初心者が最初に当たる疑問として多いように思います。筆者もやはりそう感じていました。これに対する賢人達の回答は「作り方による」が多かったためより一層疑問が強くなった思い出があります・・・・
今となってはこの回答は「塗装するのか」「仕上げをどうするのか」「汚しをどうするのか」「サーフェイサーはする前提なのか」「ガンプラなのかスケールモデルなのか」等のように、複合的に要因が絡み合っていくためと思います。
そのため、初心者向けを謳う本日の記事ではいったん「ガンプラ製作では800までの人が多いように思う」までで止めておこうかと思います。
金ヤスリってどう使うの?
よくネット販売などで、プラモデル初心者向けセットとしてニッパーと金ヤスリのセットなどが販売されています。筆者もそういえばガンプラ復帰する時そのセット、買いました・・・(遠い目)
あのセットは「買い」か?
振り返って、ごく一般的なガンプラ製作に対して初心者が使うには不向きだった、と結論づけています。
これは上図で示した通り、番手が記載されたヤスリ群と比較してとても粗いからです。本当の初心者は一度金ヤスリで深く傷ついてしまったパーツのリカバリ方法を知りません。このため、超初心者は一般的な金ヤスリは使わない方が無難だと考えています。
※一般的な金ヤスリは、模型用であっても番手が明記されていないことも多いです。感覚的には120番相当やそれより小さい番手のものが多いように感じます。
なお、本記事では取り扱いませんが金ヤスリの中にも番手が明記されているものや、400~600相当の表面状態にもかかわらず掘削力が高いという高性能品もあります。
ただ、それらは高性能に見合った価格帯ですので、またご紹介は別の解説に見送りたいと思います。
ヤスリを選ぶとき、何を重視すればよいの?
ヤスリがけしたいパーツは平面なのか曲面なのか
これが最も重要ではないかと筆者は考えます。
どこをきれいにしたいのかによって得意とするタイプのヤスリが異なるためです。
平面にヤスリがけしたい=硬い当て木付きタイプ
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/ae63a5b16e6dfba28f77d11f036fa301.png)
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/a7e42174f59670fb5a26791e0bb0b7e2.png)
平面をきれいにしたいときは、ヤスリも硬くしっかり平面になっているものを選ぶと良いです。
アンチパターンは柔らかいタイプ(紙も含む)を使ってしまい、角をとって丸っこくしてしまう使い方です。
プラモデルは実物を小さくスケーリングしている関係上、実物以上に角は鋭角に保たないとおもちゃっぽさが出てしまいます。角が取れてしまうヤスリがけは避けたいのです。
![筆者](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2023/07/icon_au.jpg)
筆者はバッチバチの初心者の頃、たった一つ持っていたスポンジヤスリで一生懸命削りまるっこいガンプラを作り上げたことがあります・・・・・・・・・
曲面にヤスリがけしたい=柔らかいスポンジタイプ
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/b3fff8c1c5b86d086495e2ab54ca202e.png)
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/6f234f5fcb2652ac1411cab0f255c34e.png)
曲面をきれいにしたいときは全くの逆です。
今度は、曲面を曲面のまま美しくしたいので、硬いヤスリを用いると曲面が平面化してしまうのです。
丸い箇所には丸くフィットする、柔らかいヤスリを使うのがセオリーです。
敢えて1種類だけに絞るなら=「WAVEヤスリスティックソフト」
上記のように、ヤスリを掛けたい場所によって得意とするヤスリが変わるので本来は複数種類(×複数番手)を持ちたいところです。
※これに加えて、狭い場所への対応も徐々に考え始め、量が増えてしまいます
しかし、ここはあえて1種類だけに絞るなら!というヤスリをご紹介したいと思います。
それがこちらです。
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/9de021674fa013512c338549db438f97-573x1024.jpg)
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/cfcd006f09da75e762746b9cc953b897-573x1024.jpg)
ヤスリスティックソフトの強み
このヤスリは、適度な硬さと適度な柔らかさを併せ持つヤスリです。
公式サイトはこちら(WAVE社公式)。
どうやら、真ん中に硬い板を入れ、それを若干コシのある強めのスポンジで挟むことでこの適度な塩梅が実現されているようです。
写真下を見ていただくとわかる通り、強めに曲げようとしているのですが若干たわむくらいで止まります。このバランスにより、平面部に当てれば角は取れず、曲面部も沿ってフィットするようになっています。
また、写真を見ていただくとわかるとおり結構大きいのです。
この大きさによって、長い距離滑らせることができ、労力なく切削できます。この切削力も魅力の一つです。
ヤスリスティックソフトの弱み
平面曲面の両面対応に強みがある一方、適度な硬さである分角度が強い曲面には対応しづらいです。
これはいくらフィットするといっても曲がる限度があるためです。このため、角度の強い曲面においては柔らかいスポンジヤスリに劣ります。
また、平面も強いのですがこれも上記同様、完全硬質ではないがゆえに当て木付きの完全なハードタイプには一歩劣ります。
うまく使わないと、わずかに角を丸めてしまう恐れがあるのです。
以上を総合すると、ほぼなんにでも使える万能選手だが、専門の選手に比べると各性能が若干及ばない、という印象です。
※結局使い手次第なので、技術のある人はどっちもこのヤスリだけでやっちゃいますが・・・・
当て木付きヤスリのお勧め
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
そこで、次は専門選手を紹介していきます。
硬い当て木付きタイプは同じヤスリスティックのハードタイプです。一端の先が細くなっており、ちょっとばかり狭い所も手が届きます。
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/b5f0139e000aff50ed12455cd6f800fe-573x1024.jpg)
スポンジヤスリのお勧め
スポンジヤスリとして、神ヤス!2mmをご提案します。
これは厚さわずか2mmの布に張り付けられたヤスリで、繊細な曲面から角度の強い曲面まで幅広くフィットしてくれます。
結論!筆者丸的最初に持ちたいヤスリ3種
以上が筆者のご提案です。
番手も、まずは400と600を揃え、実際に作業してみてもっときれいにしたいと思ったら800を揃えるので良いのではないでしょうか。
一気に買うよりも、必要を感じてから買う方が精神衛生上好ましいです。
最初のうちはあまり考え込まず、さくっとヤスリを買ってたくさんガンプラを作って楽しみましょう!今回の記事が皆様のチョイスのちょっとしたヒントになってくれると嬉しいです。
おまけ・・・・対抗馬の紹介
さて、本題は終わったのですが続きを書かせてください。
実はこれらのヤスリ、必ずしもいつも店頭にあるわけではないです。たまに売り切れます。
特にヤスリスティックは結構切らしていることが多いように思います・・・・・
既に好きな人、使っている人はある時にストックすればいいのですが、いざほしい!しかし無い!は悲しいです。
対抗馬として、似たスタイルのヤスリを紹介させて下さい。
万能系:神ヤス!10mm
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/cb400401964cd85b10dea72c9ccabcbd-573x1024.jpg)
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/4cfccf46b1deb487e8a75ca712bfc813-573x1024.jpg)
スポンジヤスリの代表格、神ヤス2mmを10mmにしたものです。
ただ厚くしただけだと思うのですが、それによって平面対応ができるような硬さを持つようになりました。まさに驚異の発想です。
10mmは供給が安定していること、あとは最初から細かく切ってあって持ちやすいです。
当て木付きヤスリ:FFボード+神ペーパー
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/738a496ac4eeb9707b7bbb3bcb5273a9-573x1024.jpg)
当て木付きヤスリのうち、当て木としてゴッドハンドFFボード。張り付けるヤスリとして神ペーパーを推薦します。
FFボードは厚いアクリル板となっていて、非常に硬い作りです。ここに紙ヤスリを張り付けて使用します。
ヤスリスティックハードと異なり、裏に都度紙やすりを張り直して使うことになる分、貼り直しは手間ですがコスパよく感じます。