サフは絶対してるんだけど、そもそもなんでサフっているんだろう?
作り方次第ではサーフェイサーなしでも全然問題ないよ!
本日はサーフェイサーの必要有無について語ります。
サーフェイサー(サフ)とは
サーフェイスとは英語で表面(surface)を指し、サーフェイサーは表面に対する処理をする塗料という意味です。
ガンプラパーツと塗料の間に塗ります。
ガンプラ塗装で非常によく使われる缶スプレータイプのサーフェイサーはこちらです。
エアブラシ用に瓶入りタイプもあります。
サーフェイサーは何のためにするの?
表面状態を均一にする
ガンプラ/プラモ用サーフェイサーの最大の目的は表面の均一化です。
表面処理あるいは改造を行った後、成型直後のガンプラのつるんとした表面状態は消え、荒れます。
サーフェイサーには、表面状態を均質にならしてくれる効果があります。
GSIクレオスさんのサーフェイサーはわかりやすく、塗装後にどの番手相当になるか番号を書いてくれてます!(例:1000や1200 等)
サーフェイサーはただの塗料ではなく、体質顔料と呼ばれる穴埋め素材を含んでいます。
※ラッカーパテなどと同じ成分です。
これが小キズを埋め、ヤスリで荒れた表面をならしてくれます。
勿論、大きく空いた穴までは埋められません。あくまで400番や600番程度の微細な傷くらいです。
表面の色を均一にする
ガンプラ/プラモ用サーフェイサーはグレーを中心に様々な色が販売されています。
本来のパーツ色と全く違う色に塗装したい時、サーフェイサーが活躍します。
下地の色に意図しない影響を受けないために、欲しい下地の色でサーフェイサーを塗装します。
下の写真はHGアッガイです。本来の色は濃いブラウンです。もしそのままブルーを塗ると、恐らくくすんだ青になっていたでしょう。
この時は間にグレーサフを挟み、色をコントロールしました。
また、他例でいくとこちらのケンプファーのアクセントカラーを黄色に塗った際は、ピンク色のサフが大活躍しました。
サーフェイサーの中でも、ピンクのサーフェイサーは使い勝手が良く、鮮やかな色を塗装する時には必須です。
詳しくはバーニア内側を鮮やかな赤にする!の記事で触れています。
副次効果もある
傷の状態をチェックしやすくなる
ガンプラ/プラモ用のサーフェイサーには副次効果もあります。
例えば、グレーのサーフェイサーは影をしっかり作り、小さな傷や表面の荒れがチェックしやすくなります。
よくモデラーさんがグレーサフで塗装した状態でガンプラを組み立てている画像を見ると思います。
あれは、自分が作業した箇所の仕上がり具合をチェックしてるんですね!
特にプラ板で加工したり、切断や接着を伴う改造を行った後は埋めきれない穴などが開いていて、見えづらいので気づかないこともよくあります。
グレーに塗ることで陰影を作り出し、人間の目でチェックしやすくする効果があります。
光の透過を遮る
ガンプラの明るいパーツは光が透過しやすいです。光が透過すると「いかにもプラスチック」という見た目になり、好ましくありません。
サーフェイサーを塗っておくと塗装が二重になり、透過しづらくなります。
とはいえ、塗装だけでも十分光は遮ること、強い遮光性が欲しければ裏を暗色で塗るなども可能です。サーフェイサーでなければ得られないわけではなく、あくまで副次的効果です。
サーフェイサーによくある誤解
プラに食いつく
実際やってみるとわかりますが、さほどサーフェイサーの有無で食いつき=つまり塗膜の強さに明確な差を感じるほどの効果は得られません。
確かにサフしようとしまいと、結局パーツが摩擦したら塗装剥げちゃうね
差は出てるのかもしれないけど、あんまり実感できないよね
これは、ガンプラ/プラモ用・・・特にアクリルラッカー塗料は配合されている有機溶剤がプラスチックを溶かし、食いつく効果がある程度備わっているためです。
サーフェイサー自体は上述の通り、表面を均一にするものなので食いつく役割は本来期待されていませんでした。塗装の食いつきが期待されるのはプライマーと呼ばれる塗料の方です。
※プライマーについては後述
ただし、プライマーサーフェイサー(略称プラサフ)と呼ばれるプライマー成分の入ったものは若干食いつきがアップしています。
既にガンプラ/プラモ用以外の塗料ではサフよりプラサフの方が一般的になっています。
プラモでも、技術進歩で「サーフェイサーを塗装すると塗膜が強くなる」が普通のことになるかもしれませんね!
※サーフェイサーエヴォは商品名にプライマー表記はありませんが、プライマー効果あり(つまりプライマー成分入り)と公式に明記されています。
サーフェイサーのデメリット
サーフェイサーは「やればメリットしかない」というタイプの作業工程ではありません。デメリットをしっかり把握してから作業しましょう!
体質顔料のせいで溝が埋まる
サーフェイサーは小キズや穴を埋め、表面を均一化してくれる効果があります。
しかし、裏を返せば埋まってほしくない部分・・・つまり溝(凹モールド)も埋めることになります。
飛行機モデルのような超微細な凹モールドの際は特に要注意です。
ただし、ガンプラならすぐ埋まってしまうほど微細な凹モールドはありませんし、しっかり彫っておけば大きな問題にはならないはずです。
作業工程が増える
塗装回数が1回以上増えることになりますので作業の手数は増えてしまいます。
サーフェイサーも1度塗るだけだと厚塗りになってしまうため、基本的には複数回に分けて薄塗りする方がコントロールしやすいです。
パーツ数が多ければ多いほど、「1度塗る」という作業工程の負荷は間違いなく大きくなります。
表面が(成形直後と比べると)荒れる
この点はサーフェイサーを塗る前の作業状態次第となります。
例えば全パーツに対してヒケ処理のために600番のヤスリがけまで行っていたとすると、サーフェイサーを塗装することで表面はなめらかになります。
一方、ヤスリがけを一切していないパーツは1200番等のサーフェイサーより間違いなく表面状態はなめらかです。サフをすることで、かえって表面状態が荒れることに繋がってしまいます。
プライマーとは何が違うの?
プライム(英語のprime)は下塗りするという意味で、プライマーは下塗りする塗料という意味です。
プライマーとサーフェイサー(サフ)は、塗る順と役割が異なります。
プライマーはパーツの表面に塗装し、パーツと上に塗る塗料の食いつきをよくする役割です。
ガンプラやプラモの塗料は、塗料自体に食いつきをよくする工夫が施されているという話は既に出ました。
では、どういう時にプライマーが登場するかというと、金属パーツ(エッチングパーツ)を塗装する時に使用されます。
プラモ用塗料はプラスチックへの食いつくようにできていますが、金属に対しては全く無力です。このため、金属パーツを塗装する際はプライマーを塗ってからプラモ用塗料を塗装します。
結局サーフェイサーはどういう時使うの?
以上がサーフェイサーの特徴です。
今まで見てきたように、必ずしもメリットばかりの作業工程ではありません。このため、メリデメ総合して判断することになります。
参考までに、筆者が考える「ガンプラにサフしたほうが良い時」をリストアップします。
※当ブログのテーマ上ガンプラ限定です スケールモデルはまた条件が違うので考慮外とさせてください
パーツ成型色と全く違う色に変えたい時
断然サフがおすすめのケースです。例えば黒のパーツをピンクに変えたいときなどは、黒のパーツに直接ピンクを塗ってもなかなかきれいな色になってくれません。くすんだピンクになってしまいます。
サフを間に挟むことで、出したい色をきれいに出すことができます。
こういった、大胆なカラーリング変更の時のポイントは別の記事でもご紹介しています。
特に赤、黄色などのビビッドな色は透明性が高く、下地との色の関係性を考えながら塗らなければなりません。作業のコツをまとめました。
全面ヤスリがけした時
筆者はこのパターンが多いです。
ヒケ処理やスジ彫りなどをしっかり行った場合、どのパーツもヤスリがけした番手相当の表面になります。
※筆者はほぼ600番までしか行わないので、小傷は結構多めです
この場合、1200番のサーフェイサーを塗装すれば表面が1200番相当のきれいさにグレードアップされます。ヤスリがけを800→1000→1200・・・と3度かけるより効率が良いです。
もちろん、ヒケ処理の結果や合わせ目消しの結果などを視認する意味も含みます。
やりたい時
ちょっとバカみたいな話かもしれませんが、サフ状態のガンプラも、結構かっこよくないですか?
最後は「やりたい時」です!サフ状態のガンプラ、パーツを見てテンションを上げたいときはサフ、しましょう!
ガンプラでサーフェイサーを使うメリデメ・まとめ
ガンプラ塗装にサフをうまく使いこなして、楽しくガンプラ作りましょう!