ガンプラに汚し塗装!初心者でもできる方法を紹介
今回のテーマはガンプラのウェザリング(汚し塗装)です。
例えば着弾して傷を負ったり、錆が浮いていたり、日焼けしていたり、泥がはねたり・・・
これらを塗装で表現するやり方です。
実際の屋外で使用されている金属製品を想像しながら汚し塗装するのも楽しい作業です。
ウェザリング塗装は解説することも多いため、複数回に分けます。
第1回となる本記事では、ウェザリングに入る準備段階とその順番を解説いたします。
ウェザリングとは
完成品のガンプラやプラモデルに、実機のような汚れや傷を塗装で表現すること
リアリティのある仕上がりになるのがメリット
元々はAFV(戦車)や飛行機モデル等、実在の機体を模型化したスケールモデルから流れてきた技法です。
ガンプラでは一切汚さない完成品も人気ですが、ウェザリング仕上げも根強い人気があります。
本サイトでは、これから幾つかの記事に分け組み立てからウェザリング終了までを実際の写真と共に追いかけ、解説していきます。
でもウェザリングって難しそう・・・初心者にもできる?
できます!筆者も初心者なので、一緒に練習していきましょう。
源流であるスケールモデルでも、遥か昔は初心者モデラーができるような手法は確立されていませんでした。
ウェザリングは一部のプロフェッショナルだけができる特殊な技法だったわけです。
しかし、現在は超一流スケールモデラー達の手により塗料が開発され、技法が磨かれ、一般人がトレースできる技術体系として確立されています。
我々駆け出しモデラーも、先達モデラー達が開発してくれた技法を習得すればウェザリングはできます!
超一流モデラーという巨人の肩に乗ってウェザリングを楽しみましょう!
ウェザリングまでの順番
早速ですが、まずはウェザリングに入るまでの順番を紹介します。
こちらがウェザリング開始までの工程表です。
塗装がグレーになっているのは、ガンプラなら塗装なしの素組でウェザリングできるからです。
次項から詳しく見ていきます。
表面(テクスチャ)作りはどうやる?
実は、一部のウェザリング表現は塗装前にやってしまった方が良いものがあります。
それが表面作り(テクスチャ)です。
テクスチャ作りだけでも様々な方法があるのですが、本記事では最も手軽でなおかつガンプラに応用しやすい着弾跡の再現をご紹介します。
ガンプラに敢えて傷をつけよう!
最も簡単なやり方は、電動工具で弾痕風の傷を付けることです。
必ずしも弾痕である必要はなく、例えば切り裂いた跡だったり、表現は各々が想像できるものがよいのではないでしょうか。
今回はルーター(ミニルーター/リューター)の砲弾型ビットで軽くえぐってみました。
えぐった後にデザインナイフなどでグリグリすると、それっぽい傷跡ができます。
使用するツール類の例はこちらです。
筆者は他上位ルーターを使っていますが、信頼性が高く安価なのがアルティマATです。
ルーターを持っていない方は、ホットナイフで代用するアイディアもあります。
ルーターに比べると低価格で、通常のプラモデル製作には使いづらい(破壊力がありすぎる)のですがテクスチャづくり専用機としてはアリです。
ホットナイフは本来ペットボトルなどの切断に使うもので、強く当てるとプラが想定以上に変型・破損します。
ホットナイフでテクスチャを作る時は、そっと触れるか触れないかくらいから試すのがおすすめです。
※高温になりますのでくれぐれも怪我に気を付けてください!
前ホットナイフ使ってたよね?今は止めたの?
熱すぎて怖いのと、くさいのとWパンチで使うのやめちゃった・・・・・
プラが溶けるときのにおいも欠点ですが、お安いというのはメリットです。
なお、ルーターについては別の解説記事を用意していますのでそちらもご覧ください。
塗装はどうすればいい?
塗装はしてもしなくても構いません。
特に初心者の場合は塗料の組み合わせが難解で、「どれを下地にすればどう溶けないのか?」などを判断するのが少々厄介です。
ということで、ガンプラ駆け出し初心者はウェザリングするなら「塗装しない」つまり素組という選択肢もありではないでしょうか。
ウェザリングするから塗装しない!
って割り切れるのもガンプラならではの魅力だよね
そう!塗装必須のスケールモデルではこうはいきません。
ガンプラは塗装しない素組だけでもかっこよくなるのが魅力。
素組だけで完成度を上げる方法は別記事で解説しました。
下地と上塗りの組み合わせはまた追って解説しますが、今回は「塗装なし、またはアクリルラッカーによる塗装」という前提で話を進めたいと思います。
この後の記事群でご紹介していくウェザリング塗料は、アクリルラッカー塗料を溶かさないものを使用します。
もちろん、塗装しない場合は「ウェザリングしてる最中に塗装が溶けちゃうかな・・・・?」と不安になる必要もありません。
なお、当記事群ではテストピースをサーフェイサー→アクリルラッカーで塗装したものを使用します。
エアブラシについてはこちらの記事で解説しています。
デカール
塗装、あるいは素組のガンプラを用意したら、次はデカールです。
デカールの貼り方は別記事で解説していますので、そちらをご覧ください。
詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、デカールはガチ初心者が準備なしで挑むと意外と失敗します。
たくさん失敗してきた筆者がたどり着いたのは「マークセッターを使う」「ピンセットはデカール用が良い」の2点でした。
以下で紹介するウェーブのピンセット4本組は安くて4つも入っており、一つはデカール用にぴったりなのでおすすめです。
トップコートは何がおすすめ?
おさらい:ガンプラ初心者はまずつや消しからがおすすめです
以前、ガンプラ初心者の方にはつや消しトップコートが良いとおすすめしました。
つや消しトップコートはちょっとした荒れをごまかすことができます。
またプラスチック特有のテカテカが消えることによっておもちゃ感が薄まる効果があります。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
では、ウェザリングする時のトップコートは何がいいの?
おすすめは「半光沢」です。
使ったことないぞ!
っていうか半光沢ってどういう意味があるのか知らないな
半光沢は文字通り、つや消しトップコートと光沢トップコートの中間くらい。
若干つやがあるかな?くらいの表面の仕上がりです。
普段ウェザリングなしでガンプラを仕上げる際はあまり使わないかもしれません。
しかし、ウェザリング仕上げをする場合、筆者はぜひこの半光沢をおすすめしたいです。
実際の商品としてはMr.スーパークリアーかMr.トップコートが有力選択肢です。
Mr.スーパークリアーはにおいが強く頑強です。
Mr.トップコートは水性で、においが多少弱く塗膜はスーパークリアーより脆弱です。
なぜウェザリング前のトップコートは半光沢がおすすめなの?
以前の記事で、光沢とつや消しの違いは表面の凹凸の有無だと解説しました。
半光沢は光沢よりも凹凸がありますが、つや消しよりも凹凸が少ないです。
光沢にしてしまうと、ツルツルなのでウェザリング塗装が定着しづらくなります。
一方、つや消しの場合は凹凸が強すぎ、ウェザリングの修正(削除)が困難になります。
これは、以前「筆で部分塗装するならつや消し前に!」と解説したことと同じ理屈です。
半光沢のトップコートはウェザリング開始前に最も良い塩梅のトップコートとなります。
トップコートはなぜするの?
トップコートをしないという選択肢もあります。
特にウェザリングするなら表面状態も汚さないガンプラよりは気にならないでしょう。
ただ、トップコートの目的はデカール保護とウェザリング前の表面均質化です。
この後スムーズにウェザリングするためにも、しておいた方が無難ではあります。
トップコートはいつするの?
考え方はモデラー差がありますが、筆者は「基本はウェザリング前の一度限り」と考えています。
人によってはこの後、ウェザリングの工程ごとにトップコートを都度吹く人もいます。
これは、トップコートによって塗膜を作りウェザリングした塗装を保護する目的です。
(途中でセーブするような感覚なのだと思います)
ただ、表面が均質な状態が理想とされる汚さないガンプラと違い、ウェザリングは自然な状態を表現しようとします。
屋外にある金属物は、表面状態が均質ではなく不規則(ランダム)なはずです。
このため、せっかくウェザリングでランダムな表面状態を作れたのにトップコートで均質化してしまうのはもったいない、と筆者は考えています。
トップコートタイミングは人によると思うので、あくまで参考まで!!
筆者はウェザリング塗料が取れちゃったら取れちゃったでいいや!と考え、この後はもうトップコートしません。それより表面のランダム具合が消えない方を優先します。
いよいよウェザリング開始!
半光沢トップコートまで来たら、いよいよウェザリングに入っていきます。
本記事はここまでとし、次回以降実際のウェザリング方法を解説していきます。
次回記事をご期待ください!