ガンプラに円形スジ彫りをする方法
ちょっと変わったデザインのスジ彫りを彫ってみたい
そんな時、円形スジ彫りはいかがでしょうか。道具さえあれば簡単に彫ることができます。
ジオン系列のカーブに沿った機体に円形スジ彫りをするもよし、直線が多いガンダムタイプに敢えて円形スジ彫りするもよし。
登場頻度は少ないかもしれませんが、彫り方を知っておくと便利です!
円形状のスジ彫りってどんなの?
はっきりした定義があるわけではないので、先に想定している形をご紹介します。上のスライドのように、円弧を描く部分があるスジ彫りです。
通常のガイドテープは硬く、直線には向いていますがこういった円弧を描く箇所は対応できません。
また、画像のアッガイのように緩やかな曲線も同じやり方でスジ彫りすることができます。
円形スジ彫りに必要な道具
ポイントはディバイダー!他の道具は全て通常のスジ彫りを彫る時と同じものです。
スジ彫りの道具と、基本的な彫り方については以下の記事をご覧ください。
円形のテンプレートはどうなの?
円のスジ彫りをする際、円のテンプレートを使う方法もあります。スケールモデル用で、タミヤのものが有名です。
ところが、タミヤの円形テンプレートはガンプラスジ彫りに使うには少々難易度が高く、初心者にはあまりおすすめしません。
おすすめはディバイダー
そこで、筆者のおすすめはディバイダーです!
ディバイダーは本来製図用の文具です。コンパスの両端どちらも針になっています。
ガンプラ改造におすすめのディバイダーは?
筆者が使っているのは写真の通り、ドラパスの中型スプリングコンパスです。
脚の開きをねじで調整する、「スプリングコンパス」または「中車式」と呼ばれるタイプがガンプラ改造には適しています。
しかし、中車式と言っても小学生用等のエントリーモデルだとちょっと触れると簡単に足が開いてしまいます。
ドラパスの独式スプリングコンパス02-047は長さ約10cm程、しっかりした中車の作りなので非常に扱いやすいです。
今回は円を描く目的で使いますが、長さをトレースすることや角度を出すのにも使え、非常に汎用的な道具です。
小学生の頃の作図を思い出しながら使っています
60度線や垂直、水平線もコンパスだけで書けますよ!
実際にディバイダーを使って円形スジ彫りしよう!
円形スジ彫り作業の流れを写真で解説!
今回のターゲット
今回はHGゲルググの肩アーマーに円形スジ彫りを彫ってみます。こちらが作業終了後の写真です。
こんな風に、円形のスジ彫りとごく普通のありきたりなスジ彫りデザインを組み合わせたものです。
下書きします
まずイメージを下書きします。
この下書きは適当で大丈夫です。なんとなく、どんな感じにしようかなと書いたり消したりしてお楽しみください。
今回のポイント1!ガイドテープを貼りつつ、中心針の位置を決めましょう
まず、直線部はガイドテープを貼ります。円形部分についてはガイドは貼りません。
円形部分に関しては、どれくらいの弧にするかを考えます。
スライド2枚目のように、同じ半径の円でも中心をどこに置くかによってカーブの強さが変わります。お好みの弧度になるよう、ディバイダーの開きと中心位置を現物で確認しましょう。
確認した結果、ちょうど良い塩梅になるところにマスキングテープを貼ります。これがディバイダーの中心針を刺す目印になります。
今回のポイント2!ディバイダーでケガキましょう
続いて、いよいよディバイダーを使って円形にケガキます。
目印に貼ったマスキングテープとディバイダーの開きの組み合わせを使えば他のパーツにもきれいに左右対称で彫ることができます!
後はいつも通り!ケガキ針で動線を作ります
後は当ブログおなじみの流れです。
最初はケガキ針で、この後本彫りするタガネがずれないよう動線を作ります。写真のケガキ針はリーゲルニードルです。
タガネで本彫りすれば完了!
続いて、タガネで本彫りして完了です。写真のタガネはスジ彫りカーバイト0.15mmです。
今回は丸モールドも彫りましょう
先ほどの工程で円形スジ彫りは完了しました。
しかし、せっかくですし今回はついでに丸モールドも付けておきます。
円形スジ彫りはちょっと風変わりなので、単体で彫ると少し違和感が出てしまうことがあります。
そんな時は、他にも同じ弧度を持った曲線部分が近くにあると統一感が出ておすすめです。今回は丸モールドにその役割を担ってもらいます。
曲線仲間を作ってあげる感じです!
丸モールドの彫り方は別記事で解説していますので、よろしければぜひご覧ください。
丸モールドに必要な道具
では、丸モールドに必要な道具を改めて紹介します。
ドリルで穴を開けます
まず、丸モールドを作る時はドリルで穴を開けます。
ドリルはゴッドハンド ドリルビットがおすすめです。詳細は先ほどの解説記事に譲りますが、イチオシです。
ドリルで穴を開ける際は、滑らないよう念のためケガキ針などを一度押し込み、アタリを付けます。
アタリを付けることで微妙にドリルがひっかかるようになるので、最初は細いドリルから段階的に太いドリルにしていくときれいな穴を彫ることができます。
ただ、丸モールド解説記事でも述べた通りこれだけでは穴の周囲がもやっとしてしまいます。
スピンブレードで丸モールド化します
そこで、開けた穴に対してスピンブレードをくるくる回転させて丸モールド化します。
スピンブレードを回転して彫ることによって、もやっとしたあいまいな境界線がクッキリします。
最後に丸モールドの周辺を削りましょう
パーツの角を切り落とすことを角取りまたは面取りと呼びます。これを行うと、丸モールドが更に立体的になります。
筆者は面取りビットとしてゴッドハンドのセットを使っています。
丸モールドも棒も面取りでき、非常にコスパが良いです。詳しくは公式サイト(楽天またはYahooショッピング)をご覧ください。
棒の面取り不要であれば、丸モールドの面取りのみ行う単品がハイキューパーツから出ています。
円形スジ彫り&丸モールド完成!
これですべて完成です!
同じスジ彫りを左右対称に別パーツに彫る場合は、今のディバイダーの開きを保持しておけばそのまま同じことができるのもメリットです。
円形スジ彫り方法・まとめ
最近普通のスジ彫りは飽きてきたな、と思った頃ぜひお試しください。