高性能水性塗料で筆塗りを楽しもう
皆様はガンプラの塗装、楽しんでいますか?
本日はガンプラの部分塗装を水性塗料の筆塗りでチャレンジしてみませんか?という解説です。
部分塗装の筆塗りってどういうこと?

画像は全体をアクリルラッカー塗料を使ってエアブラシ塗装したガンプラの例です。
赤丸部分は、その上から水性塗料を使って筆塗りで部分塗装した箇所です。
本日の記事はこの塗装を行うメリットと、具体的にどうすればよいかを解説します。
水性塗料の筆塗り・その最大のメリット
マスキングの量を減らせる
小さな部分塗装に水性塗料の筆塗りを用いることの最大のメリットは、「マスキング量を減らせること」です。
マスキングとは?
塗りたくない部分にあらかじめ養生すること。マスクすること=マスキング。
養生にはマスキングテープやマスキングパテ、ゾル(ゲル)などが用いられる。
マスキングは塗り分けの際非常に有効なテクなのですが、マスキングする場所や量によっては塗装よりも時間がかかったりします。
また、失敗するケースもありますよね。以前、マスキングを失敗した時の修正方法を解説しました。
マスキングは有効なテクニックなのですが、こういった欠点もあるためマスキングの作業量を減らせることは大きなメリットにつながります。

あとは、マスキングが「なんか好きじゃない」人にとってはとても有効です
筆者もマスキング、なんか好きじゃないです

面倒くさがりか!
下地がなんであろうとOK
駆け出しのガンプラ初心者にとって、使用する塗料の組み合わせ(何を下地に塗り、何を上から塗ってOKなのか)は比較的最初に来るハードルです。
当サイトでも、駆け出し初心者向けに各塗料の違いについてお勉強するコーナーを設けました。
しかし、水性塗料を部分塗装する際はあまり考えなくてよいというメリットがあるのです。
理由は、ほとんどの塗料は水性塗料を上から重ねても溶けないためです。
この点は、駆け出しガンプラ初心者にとって「色々調べなくてよい」という観点からも大きなメリットになります。
修正が容易
筆塗りをする際、多少はみ出してしまっても乾燥前なら簡単に綿棒でふき取れます。
ただ、細かい部分をふき取ることになること、安い100均などの製品だと毛が出てしまいますので、タミヤのクラフト綿棒のような硬めかつ先端が鋭利なものが良いでしょう。

【乾燥前なら】とは書きましたが、実際は乾燥後でも上記綿棒ならば塗料を削るイメージで修正可能です。
ただし修正が容易なのは「つやあり塗装のみ」
水性塗料の筆塗りは修正が容易と書きましたが、あくまでつやあり塗装の上からのみです。
もしつや消しの塗装の上から塗ってしまうと、粗い凹凸の隙間に塗料が流れ込み、修正不能になります。この点だけは覚えておきましょう。

筆者が感動したおすすめの水性筆塗り用塗料!
では、ここから実際にどの塗料を使うのが良いかをご紹介していきます。
ポイントは塗面の均質さ
そもそも、筆塗りという塗装方法自体は本来技術が必要とされるものです。
中でも「平滑に塗る」塗面を均質にするのが初心者には非常に難易度が高い行為です。
そこで、塗面を均質にするのが得意なエアブラシがガンプラモデラーにはよく使われています。
・・・という内容をエアブラシの導入記事で紹介しました。
しかし、今回はあくまでも部分塗装がターゲットです。
部分塗装のみであればそもそも平滑な面自体が小さく、全塗装に比べるとあまり粗が目立ちません。
かつ、塗料を選べば初心者でもクオリティの高い(塗面が均質に近い)状態を保ってくれます。
この、技術が未熟なモデラーでも塗面を均質にしてくれやすい水性塗料として、候補が2つあります。
候補その1:シタデルカラー
1つ目はシタデルカラーです。
例えば、以下にご紹介する「メカニクススタンダードグレー」は青が絶妙に混ざった濃いグレーで、ガンプラに非常にマッチします。
アクリルラッカーのカラーで言うと、GSIクレオス「ティターンズブルー1」やガイアカラー「メカサフスーパーヘビー」によく似た色で、上記の色を水性筆塗りで再現する際に使いやすいです。


シタデルカラーはシリーズで判断!
- ベース:隠ぺい力が強い 下地向き
- レイヤー:ベースより隠ぺい力は低い 明るい発色
- シェイド:暗色 スミ入れ的な使い方
- コントラスト:一色でグラデーションができる


ガンプラで使いやすいのは、ベースとレイヤーです。
中でもベースは黒いパーツの上に明るい色を乗せることさえできます。
アクリルラッカーなどで塗装した上から塗り分ける際にシタデルベースで塗る使い方が良いです。
シタデルカラーの塗り方は?
水(水道水でもOK)を筆に含ませ、適当なパレットなどでシタデルと混ぜて良い塩梅の濃度にして塗るだけです。簡単!
なお、シタデルに限らず塗料全般に共通しますが、使用前にひたすら混ぜましょう。シタデルの場合はボトルをひたすら振りまくります。
基本的には濃度が濃い目に作ってあるので、水で希釈するイメージです。





候補その2:ファレホ
続いて、ファレホも同じく非常におすすめです。
シタデルカラーでおすすめした、ガンプラ向きの濃いグレー(ブルー寄り)としてダークブルーグレーが挙げられます。
これも、メカサフスーパーヘビーやティターンズブルー1に近い、青が混ざった重厚なグレーです。

こちらもシタデル同様、シリーズによって特徴があります。

ファレホもシリーズで違いがある!
- モデルカラー:濃度が最も濃い
- メカカラー:モデルカラーより薄め ガンプラなどのキャラモデルに最適な色が揃う
- モデルエアー:エアブラシ向きに薄めたモデルカラー
ファレホについては、どのシリーズでもガンプラ部分塗装に流用する際大きな違いはありません。
モデルカラーは非常に濃度が高いため、基本的には水で希釈することになります。
一方のメカカラーやモデルエアーは最初からある程度薄いため、ほぼそのまま直塗りしてもOKなくらいです。
モデルエアーはエアブラシ向けと謳われてはいますが、筆塗りにも十分使える濃度です。
ファレホの塗り方は?
シタデルカラーと同様と考えていてOKです。
水を含ませた筆を使ってパレットで混ぜ、良い塩梅の濃度にしてからパーツに塗るだけです。
シタデルと違い目薬のようなドロップタイプなので、出す量をコントロールしやすい点はメリットです。
モデルカラーの場合は水が少し多め、メカカラーやモデルエアーについては水なしでもOKなケースが多いです。

同じモデルエアーでも塗料によって若干濃度の違いがあるように感じます(個人の感想)
実際にパレットに出してみてから判断しましょう!


シタデルとファレホ、どっちがいいの?
あくまで筆者個人の観点ですが、今回の使い方ならば「手に入る方で良い」と思います。
どちらも優れた性能かつ輸入商品ということもあり、模型用塗料としては高単価です。
使いそうな色を厳選しつつ、その時入手しやすい方を選択するのがおすすめです。
使い終わった後の筆はどうすればいいの?
多めの水でじゃぶじゃぶ洗うだけでOKです!
ただし、使い続けると徐々に筆の奥の塗料が取り切れず、傷んできます。
数回に一度はガイアノーツ「ブラシウォッシュ」でしっかり洗浄するのがおすすめです。
ブラシウォッシュはビンの中に細かい繊維状の物理クリーナーが入っているツールです。
ビンの中にブラシクリリンという洗浄兼筆のリンスをしてくれる洗浄液を入れ、掃除します。




まとめ
水性塗料の筆塗りを練習すれば、ミニプラを筆塗りだけで仕上げる楽しみもでてきます。
ぜひチャレンジしてみてください。