カトキ立ち目指して体型と立ち姿を調整
HGバウ作業進捗シリーズ。
前回は合わせ目消しと後ハメ加工を行いました。
今回は実施したい体型変更作業を紹介しつつ、最後に例のごとく作業実例写真をご紹介して終えます。
現代ガンプラで最も格好良い立ち方とは??
俗に「カトキ立ち」と呼ばれている姿勢を取れると、かっこよくガンプラを立たせることができます。
詳細は別記事で取り上げたことがありますが、再掲します。



基本的には人型のマシンなので、人が力強く立っている姿に似せるのが最も自然かつかっこよく見せられます。
キットによって色々とポイントが変わりますが、以下が一例です。

HGバウもこの立ち方に寄せられるように改造していきます。
HGバウのプロポーション変更
早速ですが、HGバウは以下に手を入れることにしました。
- 顎を引く
- 肩関節の可動域を広げる
- 脚自体を長くする
- 脚を開いても接地できるようにする
結果がこちらです。

顎の調整
まずは印象を大きく変えるヘッド部分から。
どうしてもキットのままだと顎が上がりがちなので、顎をしっかり引けるよう調整します。
定番の方法として首の延長があるのですが、筆者の謎のこだわりでモノアイ機は首が短い方が好きなのです。
ということで、削ることで可動域を調整することにしました。

肩の調整
HGバウは変型のために肩が下方向に大きく動きますが、上方向には可動しません。
関節の開口部を広げて、上部に動くようにします。

脚部延長
脚部は現代のHGと比べると若干短く感じたので、大腿部を延長することにしました。

脚を開いた際の接地性向上
キットのままだと足首の位置が変則的で可動域が狭い状態。
脚を開いた際にうまく動かず、つま先が浮いてしまう状態でした。
これを何とかするため、足首から先のパーツと脚部が干渉しないよう軸の位置を変えることにしました。

以下では実際の作業方法をご紹介。今後HGバウを作る方のヒントになれば幸いです。
HGバウ プロポーション変更作業実例
頭部周辺は削る
先ほど述べた通り、首を延長すれば顎は引けるのですが今回は避けたかったところ。
首の延長の方法は以下でも取り上げたことがあります。
今回は、本体側と頭部裏側を削ることによって干渉を減らし、結果顎を引けるように修正することにしました。


削る際はかなりしっかり削っていくことになるため、デザインナイフがおすすめです。

作業で使っているのはアートナイフプロの曲線刃。刃が大振りで曲げ刃のため、狙った箇所を正確に削りやすいです。

ナイフは滑ると危ないので、できれば手袋などをはめておくと安心です。

くれぐれも刃の先に指をもっていかないよう、怪我には注意してくださいね

怪我するとガンプラ製作スピードが落ちるので大損です!

肩は上開口部を削って広げればOK
肩関節は胸部にある開口部が狭いために上方向に動きません。
これを削って広げてしまえば簡単に可動域を広げることができます。

ついでに、肩関節パーツ自体も削って薄くすればますます干渉を減らすことが可能です。

関節パーツを削る際はマジ・スクでカンナがけしました。
マジ・スクは表面処理加工において汎用性の高い工具。

詳細は以下でレビューしています。
脚部延長
こちらは別記事で取り上げました。
プラ板を挟んで接着することで、脚部を延長させます。
足首の接地性向上
HGバウは足首の可動域が狭いせいで、脚を広げた時に足首が浮いてしまいます。
しっかり脚を広げながらも両足は地に付けたいので、足首の可動域を広げることで対応します。
必要な素材
必ずしも筆者のやり方が正しいというわけではなく、あくまで一例としてとらえていただければと思います。
そのうえで、今回使った素材と工具は以下の通りです。
プラ板
足首の軸位置を変更する際の土台に使います。

流し込み接着剤
上記プラ板を接着して、ちょっとしたブロック状にするのに使います。

詳細は「プラ板の積層」についてご覧ください。
ドリル+ピンバイス
プラパーツや足首パーツに穴を開けます。


ピンバイス、ドリルビットについては解説記事もご覧ください。
真鍮線
軸を再接着する際、ただ接着するだけでは強度が不足します。
関節部は非常に負荷がかかるためです。
中心に真鍮線を通してから接着すれば、そう簡単に折れない関節軸が出来上がります。

真鍮線補強の方法も別の専用記事がありますので、よろしければご覧ください。
瞬間接着剤ゼリー状
プラパーツと真鍮線を接着するのに使います。
先ほど紹介した流し込み接着剤は、プラスチックを溶かして接着させるタイプのもの。
金属は接着できないため、瞬間接着剤を使います。
筆者お勧めはロックタイトピンポインター。プラモ用ではありませんが、プラモ用途として非常に優れています。

金属線ニッパー
モデラーみんなが持っているニッパーはプラスチック用。
真鍮線を切るのに使うと刃をいためてしまいます。
金属用のニッパーを使いましょう。

作業実例
以上の工具素材を揃えて、スタート!



ここでは超音波カッターを使っていますが、プラモデル用ニッパーでも問題ありません。

ボールジョイント先端のボールを切り落とすことで、穴を開けたプラ板を差し込めるようになりました。







