ガンプラ延長工作の代表例・首の延長を徹底解説!
今回はガンプラの首延長の改造方法を記載します。
対象はHG Sガンダムですが、他のガンプラにも応用できます。
首の延長はベーシックなガンプラ改造
延長工作、特に首や脚の延長はガンプラ改造の定番技術です。定番なのでノウハウも豊富に開拓されています。
特に今回解説する首延長は失敗しづらいため改造初心者にも易しめです。加えて印象を大きく変えられる、とてもタイパの良い改造です。
首の延長効果はなに?
首を延長することで、顎を引くことができます。顎を引くと、力強い姿勢の演出が可能になります。実は、首延長するモデラーの多くは首を長くしたいというよりも顎を引きたいのではないでしょうか。
ガンプラ改造では、立ち姿を中心とした体型の変更は完成後の印象を大きく変えます。
※詳細はガンプラの立たせ方について解説した記事をご覧ください
HG Sガンダムは首周辺のパーツ構成の影響で、顔を上下動・・・つまり顎を引くことができませんでした。
ガンプラは人型の造形なので、人間と同じように顎をきちんと引いた姿勢の方が美しく、力が入って見えます。また、デザインの関係で目が少し斜め上から見えるような角度になる方が凛々しいです。
首を延長することで顎をひけるようになり、理想とする立ち姿に近づきます。
上記の写真が改造前後の比較写真です。
本記事では首の延長を取り扱っていますので、顔周辺を左右で見比べていただけると差が分かるのではないかと思います。
なおガンプラの立たせ方、素立ちでの「カトキ立ち(S字立ち)」については以下の解説記事もご覧ください。
それでは、さっそく首の延長をやっていきましょう。
実際の改造手順
首のポリキャップをニッパーで切断
少し古めのHGガンプラの多くは、首がポリキャップでできています。まずは勇気をもって、このポリキャップをボール部分で切断します。
普通のプラモデル用ニッパーでスパっといってしまってOKです。
ただ、この時使うニッパーはできればエントリーモデルのニッパーより、もう少しグレードが高いものの方が良いです。切り口が粗すぎると、この後の工程の難易度が上がるためです。
どんなニッパーが良いかはニッパーの解説記事をぜひご覧ください。
補強のための真鍮線を用意
首は1mm延長することにします。
延長はWAVEプラパイプ肉厚太さ3mmを切断(1mmの長さ)したものを、先ほど切断したポリキャップの間に挟むことで実施することにします。パイプならあらかじめ中に穴が開いているので、後で穴を開ける手間が省けます。
首は完成した後に動かすことになるため、かなり負荷がかかります。
そのため、切断したポリキャップ同士とプラパイプをすべて真鍮線で繋ぎ、瞬間接着剤で接着します。
真鍮線はWAVEの太さ1.0mm Cラインを使用しました。1mmは切りやすいながらも頑丈で、とても扱いやすい太さです。
「瞬間接着剤で接着しよう」と判断した理由は以下ページでもう少し突っ込んでまとめています。よろしければご覧になってください。
真鍮線を利用した軸の強化については、詳細記事を用意しています。
切断したポリキャップを再接続
まず切断後ポリキャップの片方に、1mmドリルで穴を開けます。
続いて、もう片方にも同じように1mmドリルで穴を開けます。
ドリルのお勧めはなんといってもドリルビットです。
詳細は別記事にてレビューしています。
さて、間に挟むプラパイプ肉厚3mmも、穴が開いているのですが内径は1mmです。
これで3つのパーツに全て1mm穴が開くことになりました。
この3つを1mm真鍮線で繋ぎ、ゼリー状瞬間接着剤でがっちり接着すれば延長完了です。
筆者愛用のゼリー状瞬間接着剤はこちらのロックタイトピンポインターゼリー状です。ケース両端を押すことで出す量が調整できるタイプのもので、注ぎ口部分もピンポインターの名の通り非常に微細で、プラモデル用ではないのですがとてもプラモデルに向いています。
さてこの時、初心者向けにはいくつかのポイントがあります。筆者もほんとに初めて改造をした頃は、手順を教えてもらっても何を使ってどうやればできるかわからなかったんです。。。
真鍮線の切断方法→専用ニッパーが良い
普段我々プラモデル趣味の人間が使うのはプラモデル用ニッパーです。
しかし、真鍮線1mmはプラモデル用ニッパーで切るわけにはいきません。
恐らく刃こぼれを起こし、悲しい目に遭います。
真鍮線は、金属線切断用のニッパーがありますのでそれを使いましょう。
筆者はWAVEのものを使用しています。
また、普通の金属ニッパー工具でも勿論大丈夫です。
ポリキャップ-真鍮線接続前に真鍮線表面を荒らす
瞬間接着剤は、表面が平滑なものよりもギザギザしたもののほうがよく接着してくれます。
真鍮線などの金属はそのままだと非常に平滑なため、粗目の紙ヤスリ(120番等)で表面をザラザラにしておくとよりガッチリと接着されます。
是非お試しください。
首の延長により体型が変わりました!
左上写真が仮組で組み立てた無改造のもの(再掲)。
右上写真がこれまで加工してきた「脚を開く」「腹筋を締める」「顎を引く」工作の後の体型、
下写真が最終的に完成した後のものです。
こう見ると、結構差が出てきたのではないでしょうか。
まとめ
首の延長ははじめてガンプラの改造をする人にもお勧めの改造です。
お気に入りのガンプラに施して、ちょっと俯いたかっこいい表情のガンプラを作ってみてくださいね!
なお、この作業を行った末完成したHG Sガンダムの完成記事はこちらです。見てもらえると嬉しいです。