カービングサンダーの新作・H+とマタドールヤスリのコンボで手間いらず
長らく買おうと思いつつ迷っていたアルゴファイルのヤスリ・カービングサンダー。
カービングサンダーの上位モデルであるH+が出たタイミングで、遂に導入に踏み切りました。
本記事はそのレビューとなります。
なおノーマルの無印版カービングサンダーはこちら↓。

カービングサンダーH+はいつ使う?
基本は曲面、かつ狭い箇所専用機
カービングサンダー及びH+は、紙ヤスリや布ヤスリを両端から引っ張る工具です。
これによって、ヤスリ本来の研磨力で狙った箇所をヤスリがけすることができます。
ということで、向いているのは以下の箇所です。
ヤスリが通しづらい曲面部
恐らく写真を見ていただいた方が早いと思いますので、早速紹介します。
カービングサンダーH+の作業写真
以下は作業例です。
こういった「紙ヤスリを通したとしてもコシがなくて削ってくれない」というケースはあるでしょう。


ヤスリがけを行うためには、ヤスリ側にある程度の支える保持力が必要になります。
この際、場所が狭くないのであればいくらでも選択肢があります。
しかし、保持するためにはある程度の厚みや硬さが必要になります。
カービングサンダーは張力で必要な保持力を代用しているため、中空にもかかわらずしっかりした保持力を生んでいます。



張力は自分で調整可能ですが、基本的にはピンと張った状態での使用が望ましいと思います。
長い紙ヤスリにもかかわらずしっかり保持してくれるという斬新な使い心地。
カービングサンダーの代用品はないの?
あります。
そもそも筆者自身、これまでは代用手段があるので買っていなかったという背景があります。
具体的には、模型用のバイスがあれば同じことができます。
必要なのは「パーツを保持すること」「ヤスリの両端を保持すること」。
つまり、計3点を抑えられるよう両手+αがあればよいということになります。


では、なぜわざわざカービングサンダーH+を買ったの??
手間を省きたかったから・・・・というのが一番の理由です。
筆者はものぐさで、なるべく工程を省きたがる傾向があります。
バイスの場合は以下のようなステップを踏むことになります。
- バイスを出してくる
- パーツのどこを締めるか、場所を確認する
- くるくるネジを調整して挟み、うまくヤスリがけ出来る場所に設置する
なんてことない作業なのですが、これが徐々に面倒になってきてしまいました。
他の専用工具も同様ですが、「別の方法でも代用できるが、あるととっても楽ちん」というのが専用工具のポイントです。
コストをかけずにという発想であればこういった専門工具は不要ですし、自作なども考えるのがよいかと思います。
一方で専用工具は精度を上げたいケース、手間を省いてもっと本来やりたい作業に取り組む時間を取りたいケースに最適な類のものです。
似たような「代用はできるがあるとラクチン」という専用工具としてBMCダンモや平行スジ彫りグリップなどが挙げられます。
カービングサンダーH+の注意点
紙ヤスリや布ヤスリ前提、かつ張力があるとはいっても剛性のある板ヤスリには及びません。
このため、隙間・閉所でなおかつ曲面部用と捉えた方が良いです。
平面用であれば同じアルゴファイルから2種類の金属ヤスリが出ていますので、それらを使い分けしましょう。
特にダイヤフィニッシュPROの対隙間汎用性は尋常ではありません。


平面をヤスリがけする際は剛性のある硬いヤスリ。
曲面をヤスリがけする際は柔らかいヤスリ。
この使い分けが鉄板です。


カービングサンダーH+概要紹介
こちらがカービングサンダーH+。
無印版に比べ、ヤスリを挟む箇所が二箇所選択式になり、立てられるようになっています。
パッケージ写真など






カービングサンダーH+はどうやって使う?
ジャストサイズのヤスリ・マタドールスレンダーヤスリを挟むのが最適
カービングサンダーはあくまでヤスリを張る工具なので、ヤスリ自体は別途用意が必要です。
工具先端にヤスリを挟み、ネジで締めて使います。
完全ジャストサイズのセット商品として、マタドールスレンダーヤスリが同時発売されました。


筆者はカービングサンダーH+導入の目的自体が「手間を省く」だったので、同時に揃えています。
が、当然他の紙ヤスリでもサイズを調整して切り出せば(6mm幅)同じです。
単価が安いタミヤフィッシングペーパーを切り出して使ってもよいでしょう。

ただ、CSヤスリも同様でしたがマタドールスレンダーヤスリも研磨力が落ちづらいメリットがあります。
交換する回数も減り、長持ちする点を考えると長い目で見ると特段コスト高にもならないのではないでしょうか。
何より交換回数減少はものぐさな筆者には大きなメリット。
最初から適合品であるマタドールスレンダーヤスリ一択でも良いようには思います。


CSヤスリの解説記事はこちら。
まとめ
絶対必要という種類の工具ではないものの、アルゴファイルお得意の「かゆいところに手が届く」タイプのモデラー心をくすぐる工具。
素材感もよく、持つことの満足感も高い工具なので興味のある方はぜひ検討してみてください。