狭い難所もゴリ押し突破!初心者にこそ有効な高性能ヤスリダイヤフィニッシュ
当ブログの改造や組立工程で数えきれないほど登場してきたアルゴファイル ダイヤフィニッシュとダイヤフィニッシュPRO。
当記事では作業実例記事を引用しながら、改めてダイヤフィニッシュをレビューします。
これに出会ってから、プラモデルを倍楽しめるようになりました
もうなかった頃にどうやって乗り切ってたのか覚えてない・・・・
いやいやさすがに盛りすぎでしょ
それがあながち、盛っているわけでもないんです。
技術が未熟な筆者にとって、自分の実力値以上のアウトプットを出してくれるダイヤフィニッシュはもはや相棒。プラモを作る時、手にしない日がありません。スジ彫りカーバイトと並び、毎日手に取る道具です。
本日はその魅力を語りつくします。
アルゴファイル ダイヤフィニッシュとは?
ナイフ状の金属片に研磨粒が電着された極薄0.4mmのヤスリです。
デザインナイフのペン軸に差し込んで使用します。
研磨粒は金属片の全面にコーティングされており、刃先だけでなく背面や側面も全て使って研磨できるのが特徴です。
番手のラインナップ
#200/#400/#600、3種類の番手展開です。
いずれもガンプラやプラモデルで非常によく使われている番手群です。
金属ヤスリって番手表記がないもんだと思ってたよ
ダイヤフィニッシュは番手も明記してくれてるのが初心者にはうれしい所
何度も書いてますがガチ初心者は番手未記載の安物金属ヤスリはやめときましょう!
番手とは?一般的にガンプラで使われる番手はどれ?等は初めてヤスリを選ぶ人向け記事もぜひご覧ください。
また、表面処理に関する記事ではどの番手までヤスリがけするとどうなるか?を完成品写真の実例と共に紹介しています。
この際はサフと併用のうえ、400番、600番をメインで使った時の仕上がり具合をご紹介しました。
なお、元々あまり低番手を使わない筆者自身はダイヤフィニッシュに限らず上記の記事の通り#400と#600をメインで運用しています。
大きくザクっと削りたいときはペンサンダーやプラ用カンナに頼っています。
ペンサンダーについてはアルティマのレビュー記事をご覧ください。
PROとノーマルの違い
ダイヤフィニッシュはPROタイプと無印(ノーマル)の2種類があります。
PROは薙刀状という非常に特殊な形状です。ノーマルタイプはデザインナイフの刃先です。
この形の違いが使いどころの違いに繋がってきます。
PROとノーマルはどう使い分けるの?どちらもいるの?
薙刀形状になっているPROとデザインナイフ形状になっている無印。
モデラーが作るモノによって若干の向き不向きがあります。
- メカモデル中心の人→ダイヤフィニッシュ ノーマルタイプをよく使う
- フィギュア中心の人→ダイヤフィニッシュ PROをよく使う
直線や平面が多いガンプラなどのメカモデルを中心に作る人はノーマルタイプの使い勝手が良いケースが多いです。
これは、ナイフ形状が直刃タイプのためです。直線/平面に対して平行にヤスリを入れやすくなります。
逆に、曲面や曲線が多いフィギュア中心の人は圧倒的に薙刀形状で先端が細いPROの方が出番が多いと思います。
髪、目の造形等、自然界の生物のモデリングにはほぼ直線がないためです。
曲線曲面に対応する時は、直刃よりも曲線刃の方が扱いやすいことは以前曲線刃ナイフの記事で触れました。
ダイヤフィニッシュPROの場合はただの曲げ刃ではなく、先端が鋭い薙刀状である点が特に有効に働きます。
※先端部は非常に鋭角なためより細かい部分を処理しやすく、かつ薙刀背面も使える
しかし、ガンプラなどのメカモデルも曲面や曲線は多いものです(ザク等)。
このため、結局「できればどちらも欲しい」とはなってしまいます。。。。
なんかスライド定規でもそんな話になってどっちも買ってたよね?
未熟な技術を優れた工具でごり押しパワープレイするブログですので
とは言え、どっちかを選ぼうよ
結局ガンプラ等のメカモデルは直線平面も曲線曲面も多いため、どちらもあった方が便利ではあります。
しかし、敢えてガンプラモデラー観点でどれか一つだけを選ぼう、という事であれば筆者はダイヤフィニッシュPRO#400を推します。
一本だけなら#400 ダイヤフィニッシュPROを推す理由
- ガンプラで最も出番が多い番手は結局400
- 確かに平面には直刃の相性がいいが、曲刃が使えないわけではない
- フィギュア程ではないが、ガンプラにも曲面曲線は多い
- 先端が鋭角になっている分、ノーマルより更に局所に使いやすい
- 金属片の大きさがPROの方が大きいため、局所以外にも出番がある
同じメカモデルでもMa.kのようにほぼ全て曲面構成のデザインもありますし、やはりPROの方が汎用性は高いように思います
結論としては「一本だけ買うならPROの方が出番が多い!」となります。
ダイヤフィニッシュは具体的にどう使えるの?
自由な発想で局所のどんなところにも使えるのが持ち味です。
しかしこれだけではレビュー記事になりません。
具体的にどんな使い方ができるのか?筆者ミルやまはどんな場面で使ったのか?実際の作業記事や実例写真と共にご紹介させてください。
なお、当ブログはガンプラ改造中心のブログなので、ガンプラ視点になってしまうのはご容赦ください。
ぱっと思いつくだけでも以下のような使い方があります。これ以外にも、応用すれば幾らでも用途が広がってくるのが特徴です。
- 局所へのヤスリがけ
- 曲面のヤスリがけ
- 合わせ目消し(狭い場所)
- パーティングラインの処理
- スジ彫りやマイナスモールドの仕上げ、彫り直し
- フリーハンドのスジ彫り
局所へのヤスリがけ
まずは最もベーシックな、普通のサイズのヤスリが入らない箇所へのヤスリがけです。
特にガンプラユーザーが局所ヤスリとしてダイヤフィニッシュを検討する時は、この使い方が念頭にあると思います。
実際の作業写真もよろしければ別記事でご覧ください。
曲面のヤスリがけ
PRO限定です。薙刀形状を活かし、刃部と背面部のヤスリで曲面をヤスることができます。
ただの曲面ならスポンジヤスリなどで事足ります。
しかし、先端部を鋭角に保とうとするなど、繊細なコントロールが必要な場面ではダイヤフィニッシュPROの強みが発揮されます。
特にPROの背面は緩い曲線で構成されており、刃側よりも広い面で曲面をカバーできるのが強みです。
合わせ目消し(狭い場所)
ガンプラユーザーなら、非常に狭い場所の合わせ目をどうやって消すか悩んだことがあるのではないでしょうか。
この時、厚さ0.4mmの金属であるダイヤフィニッシュの薄さと頑健さが活きます。
詳しくは合わせ目消しの記事もご覧ください。
また、初心者キラー・ザクマシンガンのバレル部合わせ目消しもダイヤフィニッシュPROさえあればかなり簡単に攻略できます。
パーティングラインの処理
パーティングラインとは(プラモ用語では)金型の合わせ目によって生じる不要なバリを指します。
広い面ならそれほど苦慮しませんが、こういった溝にあるパーティングラインは厄介です。
ダイヤフィニッシュなら溝にフィットさせながら削ることができます。
スジ彫りやマイナスモールドの仕上げ、彫り直し
何度かスジ彫りにチャレンジした初心者が、「あれ?なんか他のモデラーさんみたいにきれいにならないな・・・」と気づく時。
その時がスジ彫りのヤスリ仕上げにチャレンジする時です。
スジ彫りはタガネ系工具で彫るだけでなく、最後に彫った箇所をヤスリがけすると一気に完成度が高まります。
また、「マイナスモールド」と呼ばれる四角形の凹モールドを彫った時も、初心者はなかなかきれいにいきません。
筆者も本当にへたくそで、彫っては埋めてを繰り返しました・・・ダイヤフィニッシュPROに出会うまでは!
仕上げにダイヤフィニッシュを使うとまるで自分が上手になったかのような錯覚を体験できます。
キットにある凹モールドの彫り直しや、そもそも溝状にさえなっていない箇所を彫る際にも有効です。
これは先ほど述べた、鋭い先端を利用した性質です。
フリーハンドのスジ彫り
当ブログではガイドテープを使ったケガキ針+スジ彫りカーバイトによるスジ彫りを初心者向けとしておすすめしています。
ただ、フリーでさっと彫りたいケースも出てくると思います。
この時、ケガキ針とスジ彫りカーバイトではきれいな直線を出すのは未熟な我々には至難の技です。
しかし、ダイヤフィニッシュは形状のおかげで直線誘導性が高い上、一撃でラインが引けるため非常に簡単にフリーハンドスジ彫りができます。
大きなスジ彫りを彫るにはどうしても技術が必要ですが、小さな目立たない箇所をフリーハンドで彫るには最高に彫りやすいツールです。
背面も使えば0.4mmスジ彫りがダイヤフィニッシュ一本で作れます。
ダイヤフィニッシュのデメリット
ここまで、当ブログ激推しヤスリのダイヤフィニッシュについてメリットを散々語ってきました。
では、デメリットはというとやはりお値段でしょう。
ヤスリ一本に出す金額としては高いと感じられる方も多いはず。実際、筆者も初めて買った時は清水の舞台から飛び降りる気持ちでした。
ただ、そこで購入したおかげで現在はプラモデルを作るうえで手放したくない相棒になってくれました。
ダイヤフィニッシュシリーズは、まだ趣味として続けるかどうか決めていない初心者の方におすすめできるヤスリではありません。
なぜならば、無いとプラモが作れない類の工具ではないからです。その点では電動工具に近しいものがあります。
一方、趣味としてハマり始めたモデラーさんには断然おすすめしたい最強ヤスリです。
既に技術が十分な方には不要かもしれません。
しかし、我々まだ未熟なモデラーにとっては仕上がりに下駄を履かせてくれること請け合いです。
モデラーにとって「うまくできた!」は最高のよろこび
まとめ
筆者の相棒ダイヤフィニッシュシリーズ。
ガンプラだけに限らずモデラー、造形する人、たくさんの人に魅力が伝わってくれるとうれしいです。