ガンプラの関節が折れても心は折れない!
前回、ガンプラの関節軸を移動させたり補修する際のポイントは真鍮線だと解説しました。
今回は、筆者が完成間際にへし折ってしまったガンプラの関節を実際に補修するところを連続写真で公開します。
前回記事が座学だとしたら今回は実践編。
初めて取り組む人のために、冗長なくらい丁寧に写真を掲載していこうと思います。

記事用に用意したとかじゃなく、本当に折っちゃったパターン?

本当に折っちゃったやつ。
完成間際だったので悲しい気持ちになりましたがちゃんと直りましたよ!
ガンプラ改造、最後の組み立て時に折っちゃった!
ガンプラの関節は塗装しない方が良い
今回の筆者事例はガンプラ「MGキュベレイ」完成間際の出来事。
塗装もコーティングも終わった股関節のボールジョイントに対し、受け側である脚部パーツをはめ込もうとした際にメリッと折れました。
実は前兆はあり、はめ込もうとした際きつかったのです。
「あ、これやばいかな・・・まあいいやいっちゃえ!」と乱暴に力いっぱいはめ込んだ際、折れてしまいました。


もうあなたも結構なベテランなのにそんなミスするんだねぇ
本来、ガンプラの関節軸は強固なので、簡単には折れないのです。
原因は2点。自己分析しました。
まず1点目、サーフェイサーと塗装を行うと、ごくわずかですが塗料の膜によりボールジョイントは大きくなります。
ガンプラの関節はまさにミリ単位で大きさが調整されているため、塗装されて大きくなったボールジョイントははめ込む際きつくなります。
このため、ボールジョイントのボール部はサフや塗装時マスキングテープで覆っておくのが王道です。今回はこれをサボってしまったのですね。

また、塗装したからと言ってキツくなって折れるほど差し込むのは完全に焦りです。
落ち着いて、塗った箇所をヤスリがけやリムーバーで落としてやればよいだけ。
サボり&焦りが今回の事故を生みました。皆様もお気を付けください!
軸を折っても心は折れない!諦めずに補修しよう
筆者も意図的に関節軸を切り落として移動させる改造はよく行います。
ただ、今回は意図したものではなかったため幾つか要注意ポイントが発生しました。
- 既に各パーツは塗装、デカール貼りつけ済
- きれいな切断後ではなく、ガタガタした状態
しかし、逆に言えばこの2つ以外はいつも行っている改造と変わりません。
股関節などの軸は負荷や自重がかかるため、ただ接着しただけではまず耐えられません。
真鍮線補強による補修は必須となりますが、ある種いつもの作業と思えば気も楽。
関節折れても心は折れず。のマインドで気楽に直しましょう。
再掲:ガンプラ関節軸補修に必要なもの
補修に必須のもの
前記事でご紹介した通り、穴を開け、そこに真鍮線を通して接着します。
このため、まずは穴を開けるドリル、真鍮線自体、真鍮線を切る金属ニッパー、接着剤は必須です。




補修する際、あると便利なもの
真鍮線は表面を荒れさせることにより、より接着剤との接着度合いが増します。
真鍮線表面を荒らすため、120番等の粗いヤスリがあると良いです。
また、場合によってははみ出した真鍮線を削り取ったり、付けすぎた接着剤をやすりがけして整面するケースもあるため、ヤスリもあると良いでしょう。
真鍮線を削るための金属用ヤスリ(エッチングヤスリ)があるといざというとき便利です。通常のプラモ用ヤスリだと傷みが早くなります。
また、箇所にもよりますがより強固に接着したい場合は途中に硬化促進剤を挟むのがおすすめです。


ガンプラ股関節の破損を補修!実作業を大公開
ではここから、いよいよ実作業の連続写真を見ながら補修方法を解説していきます。
最初にマスキング
まずマスキングしました。
これは塗装後の補修だったためです。改造時なら不要。
塗装後、補修時に様々なところに触れてしまうと塗装が剥げてしまうかもしれません。
マスキングして保護しておきます。


瞬間接着剤と硬化促進剤を重ねがけ
今回については、きれいに切断したのではなく誤って折れてしまったパターン。
よくよく見てみると、中に空洞ができてしまっています。
この空洞部に、瞬間接着剤を盛り付けて真鍮線を通す土台を作りましょう。
瞬間接着剤は、塗布する箇所に事前に硬化促進剤をつけておくとプライマーとしての役割を果たし、より一層しっかり接着してくれます。
ポイントとしては、つまようじですくって少しずつ接着剤を塗布すること。
これを都度硬化促進剤で固めることで、少しずつ硬化させながら土台作りができます。









必要に応じてヤスリがけして整面
瞬間接着剤はあまり神経質に盛り付ける必要はありません。
硬化後、ヤスリがけすることできれいにすることができます。
参考までに、以下の写真で使っているのは非常に便利な金属ヤスリである「DTヤスリ」です。
狭い箇所もしっかりヤスってくれます。


DTヤスリの解説・レビューは以下です。
真鍮線を通すための穴を開けよう
しっかり土台ができたので、この土台、ボール、軸をしっかり通すためにドリルで穴を開けます。
真鍮線のサイズより0.1mm大きいと作業しやすく接着剤が多くつけられますのでお勧めです。
が、無い場合はジャストサイズでも対応は可能です。





土台となった瞬間接着剤、軸、ボールの3点を真鍮線で通して初めて補強が成り立ちます。
ドリルに通常のプラだけでなく瞬間接着剤の白いカスが付いていることを確認しましょう。

真鍮線を穴に通そう
続いて真鍮線に一手間。
表面を荒らすと、より瞬間接着剤が食いつきやすくなります。
また、チョイスする太さは最低1mmは欲しい所です。
今回は1mmを選びましたが、1.5mmになるともはや普通の人間の力では一切曲げられないほどの強さになります。





真鍮線をカット
真鍮線のカットにはきちんと金属線用を選びましょう。





補修&補強作業、完了!
以上で補修しつつの補強作業は完了です。
実際に連続写真で見てみると、そこまで大変ではないことがわかるかと思います。



まとめ
改造しようと思って切断した時ならともかく、ガンプラの関節を追ってしまうとショックだと思います。
しかし、今回ご紹介した作業写真を参考に是非復活の呪文を唱えてみてください。
応援しています!