DSPIAE水性アクリルマーカーの実力をレビュー
本日はガンプラの部分塗装に最適な、DSPIAEの水性アクリルマーカーをご紹介します。
ガンプラの部分塗装とは
中でもガンプラ駆け出し初心者が初めて部分塗装にチャレンジしたい場合、マーカータイプは非常に有効です。
マーカーは保管場所も取らず、筆などの他ツールも不要なためです。
それでは詳しく見ていきましょう。
おさらい:ガンプラお手軽塗装 最初の一歩はガンダムマーカーも良い
まずは入手性が高く、初めてガンプラをちょっと塗ってみたい、という人におすすめのガンプラ用塗装マーカー。
それがガンダムマーカーです。当サイトでも何度か登場しています。
これさえ持っていればそれだけで部分塗装できるので、最初に部分塗装カスタムを試してみたい人に向いています。
さらに、エアブラシの平滑性を体験してみたい方向けに、ガンダムマーカーエアブラシシステムという追加システムもあります。
そして、スミ入れ用のペンもあります。
このように、ガンダムマーカーはラインナップが豊富な点も魅力です。
ガンダムマーカーにはデメリットもある
しかし、ガンダムマーカーは初心者向きの顔をする一方で、クセツヨ塗料としても有名です。
- 重ね塗り不可
- 他塗料と併用不可
- トップコート不可
- 塗膜よわよわ
- 大きな面は苦手(ムラがすごい)
筆者も以前、試しにガンダムマーカーエアブラシだけで1体全部塗ってみたのですが、過去最高に大変だった記憶があります。
具体的に何が大変だったの?
途中でペン先が乾いて塗料が出なくなるから、何度も振って充填するんだ
あと、塗膜が弱いからとにかく接触しないように気を遣うので・・・なかなか難儀です
塗膜が弱いのにトップコートが使えないのも難物です。
ということで、初めて塗装してみたい人の導入には非常に良いものの
「ガンダムマーカー」という商品群からはみ出した使い方がしにくいデメリットもあります。
そこで、別の選択肢として当記事では「dspiae水性アクリルマーカー」をレビューしていきます。
本日の主役:dspiae水性アクリルマーカー
本日ご紹介するのはdspiae(ディスペイ)さんのマーカー。
ガンプラ部分塗装に使うマーカーとしてはかなりのポテンシャルを感じました!!
具体的に何が良いのか?を詳しく見ていきます。
dspiaeとは?
dspiaeさんに関しては、最近結構色々なお店やWEBで目にすることも多いのではないでしょうか。
当ブログでもdspiae彫刻ガイドテープ(目盛り付ガイドテープ)を取り上げたことがあります。
筆者もdspiaeさんについて詳しくはないのですが、パッケージを見るとプラモ向上委員会で有名なエトワールさんが代理店をされています。
エトワールさんが関わっているなら、クオリティに期待できそうな気配を感じます。
では、ここからは早速このマーカーの実力を測っていきます。
ペン先はなんと筆ペン!
ペン先は写真の通り、筆ペン状になっています。
比較的コシは強く、非常に塗りやすいです。
マーカーというと固形のペン先を想像するので、これは意外です。
しかし、使ってみると穂先は細く細かな塗装に向いています。
一方、筆の腹部分で広く塗ることもできます。
まさに大きめの面相筆と同じ使い方ができるため、筆の表現力を持ったマーカーという言い方ができます。
においは無臭
においは感じませんでした。
リビングモデラーにはかなり大きなメリットになります。
早速テストで塗ってみましょう
ここからは当サイトおなじみの実例写真です。
今回使用しているのはdspiae水性アクリルマーカー メカレッド(MK04)です。
やはり試し塗りは発色と隠ぺいに課題が出やすい赤から入るのが一番です。
白地を塗る
最初は白地に塗ってみましたが、1度塗りで写真の通り。
発色は良く、ガンプラに使いやすい赤です。これは凄い。
しかし、白地に赤がきれいに出るなんて当然だ、とハードルを上げて次にいきます。
グレー地を塗る
グレー地も1度塗りできっちり発色してくれます。
さすがに白より濁りますが、一回塗りでこの発色・隠ぺいは驚異的です。
すごい、これは十分使えるレベルだね
調子に乗って次は最悪な下地色、黒にいきましょう。
黒地を塗る
うーん これはちょっと
黒地。これはさすがに無理でした。
3度重ね塗りするとこれくらいです。
黒に赤は厳しいですが、「重ねられる」という点はガンダムマーカーにはないメリットです。
何度か薄く塗り重ねていって対応しましょう。
黒地の上に赤はなぜダメなのか?については、光散乱という現象が関わっています。
よろしければ別記事で原因と対策を解説しましたので、ご覧ください。
修正はどうする?
部分塗装は筆などで行うことが多いです。
この際、はみ出して失敗するのはもはや大前提です。プラモは失敗の趣味!
そこで、はみ出した際に修正する方法を準備しておく必要があります。
どうやらdspiae水性マーカーには、専用の修正ペンも販売されているようです。
が、つまようじでこすれば落ちました。修正はひとまずこれで十分そうです。
逆に言えば塗膜は弱いということになるのですが、修正のしやすさというメリットもあります。
トップコートしてみたらどうなる?
有機溶剤系のつや消しトップコートを吹いてみました。
特に触ったりしなければ溶けだしたりすることもなく、多少のムラも消えなかなか良い感じでした。
トップコート可という点もガンダムマーカーにないメリットです。
塗ってみてどうだった?
さいごに総論です。
- ノビがいいのに乾燥が早い
- 発色がよく隠ぺいもよい
- ムラが出にくい
- ペンなのでこれ一本で塗れるのは便利
- においがない
- 発色やムラについてはあくまで「水性塗料としては」良いが、アクリルラッカー塗料とは勝負できない
- 塗膜が弱い
水性塗料の特性を活かし、無臭である点は非常にメリットでした。リビングでも安心して塗れます。
感覚的には、シタデルカラーやファレホを使っているときの印象によく似ています。
シタデルが筆ペンになったような感じってことね
それは確かに使いやすそうだ
筆者は部分塗装をシタデルとファレホで行うことが多いのですが、マーカーには準備の少なさというメリットがあります。
今後はdspiaeマーカーもこの中に加えることになります。
どういう使い方が良い?
このペンだけでHGやMGを1体塗り切るのは無理ではないがなかなかハードだと思います。
しかし、初めてガンプラ塗装してみたい人が部分塗装を開始するには非常に優れたツールです。
入手性とラインナップ(スミ入れペンやエアブラシ含)はガンダムマーカーに劣ります。
しかし、部分塗装での扱いやすさと他塗料との併用性(=拡張性)の面では圧倒的にdspiae水性アクリルマーカーが勝ります。
筆者も今後は、駆け出しガンプラ初心者の方が部分塗装初チャレンジする際はこちらを推薦します。
また、ガンプラ全塗装派にとっては「部分塗装はdspiae水性マーカーで」という運用も十分可能です。
メタリックや蛍光等、他シリーズラインナップも充実してきているようなので今後色々試してみます。
他シリーズを入手したらまたレポートします!
なお、シタデルやファレホを用いた部分塗装については別記事でも方法をご紹介しました。
まとめ
近年注目度大のdspiae代表製品、水性アクリルマーカー。
この後の展開も期待大です。