スジ彫りパターンに悩んだらプロの手を借りよう~idolaエッチングガイドのすすめ
本ページでは、ガンプラへのスジ彫りを施す際、どういったデザイン/パターンがいいのかを考察します。
なお、スジ彫りに当たって必要な道具は別ページをご覧ください。
今回は「idolaエッチングガイド」という有名なスジ彫り用テンプレートガイドと共にお届けします。
スジ彫りとは
再掲です。当サイトでは、スジ彫りを以下のようにとらえています。
このため、スジ彫りを少しこなし始めると「なんとなく線を増やしたりするだけではダメなんだ」という考えに至ります。
しかし、ではどんなスジ彫りデザインがいいのか?となると、これもまた非常に難しいテーマです。
スジ彫りとはそのキットに対して新たなデザインを加えるようなもの。
特にガンプラはあくまで想像上のものです。
スケールモデル(戦車や飛行機など)のように実物の参考例がありません。
メカデザインをしているわけでもない我々駆け出しモデラーは、ここで1つの壁に当たります。
解決策:スジ彫り用テンプレートでプロの手を借りよう
そこで、当サイトおすすめなのがスジ彫りのテンプレート(ガイド)を使う事。
それも、スケールモデル用ではなくキャラクターモデル専用のものを使うことです。
上記のようなキャラモデル用スジ彫りテンプレートを使うメリットは2つあります。
メリット1:スジ彫り自体の精度が上がる
こちらが主目的です。
線の揺れが起こりづらく、安定した結果を出すことができるのがテンプレート。
フリーハンドやガイドテープでは困難なデザインも、テンプレートがあればかなりやりやすくなります。
メリット2:デザインの参考になる
こちらは裏目的。
特にキャラモデル用に作製されたテンプレートは、架空の機体に合うデザインで構成されています。
テンプレートとして使うのはもちろん、ガンプラを含めた架空の機体にどんなものが合うのか、その王道を学ぶことができます。
どんなテンプレートがおすすめ?
テンプレートを用意するなら、まずは今回の主役【idolaエッチングガイド】からおすすめします。

idolaエッチングガイドとは?レビューもあわせて!

エッチングとは金属加工された製品のこと。
「エッチングガイド」とは金属製ガイドテンプレートを指します。
金属製なので摩耗しづらく、プラ板による自作テンプレートなどと違い何度でも使用可能です。
そして、idolaはブランド名。
原型師/プロモデラー有澤浩道さんが提供する一連の商品群ブランドです。
その道のプロである有澤浩道さんがキャラクターモデル用にデザインしたスジ彫り用テンプレートが、idolaエッチングガイドです。
なぜ最初はidolaエッチングガイドがいいの?
ガイドの多くに目盛りがある
ガンプラでは左右対称に彫りたいケースが多いです。
この時、ガイドに目盛りが付いている点は利便性が高いポイントとなります。
ガイド自体が小型で多数にバラけている
一般的に、スケールモデル用のテンプレートは1枚の金属片に多数のデザインが仕込まれています。
例えば、以下はハセガワのテンプレート。

恐らく飛行機モデルでの使用が想定されています。
しかし、ガンプラのように細かいパーツ構成が多いと使いづらいものです。
idolaエッチングガイドは、スジ彫りテンプレート自体を小型化し位置決めしやすいようバラバラにしています。
この点が登場時、非常にユニークで話題をさらいました。
「プロがデザインした元祖にして王道」という安心感
現在、ガンプラ用のエッチングガイドは多種出ています。
筆者が知る限りその元祖にして王道、走りとしての存在がこのidolaエッチングガイドです。
そして、それは原案者がプロ原型師/モデラー有澤浩道さんであるが故のデザイン性と安心感とつながります。
原案者・有澤浩道さんについて
当サイトで何度かおすすめしたことがある、ガンプラ改造指南書「脱ビギナー」シリーズの著者としても有名です。
幾つかキットを作り終えて読み直すとまた新たな発見が得られる名著です。
プロの作り方を写真と共に追いかけられるだけでなく、シンプルに作例集として見るだけでも満足度が高いです。
当サイトの情報レベルでは満足できなくなった方はぜひ手に取ってみてください。
idolaエッチングガイドに学ぶ!スジ彫りデザインパターン
idolaエッチングガイドは幾つかの種類があります。

最初の一つはやはり1からがおすすめ。王道デザインの宝庫です。
筆者はステルスデザインは使わないため未所持ですが、他は全て使っています。
どれも使い勝手が良いのですが、1以外は好みのデザインが施されている物から選ぶのが良いかと思います。
これらのガイドを基に、どのようなデザインがガンプラやキャラクターモデルに合うのか考察していきます。
スジ彫りパターン事例集
定番・クランク形状
idolaエッチングガイドには多数の長さ、角度のものが収録されているため便利に使えます。
勿論ガイドテープで彫る際の定番形状でもあるのですが、エッチングガイドを使うメリットは毎回角度を測らなくてよいこと。
左右対称や複数個所に同じクランクを彫りたいときにエッチングガイドがあると便利です。

同じく定番・四角形(マイナスモールド)
これまた定番です。idolaエッチングガイドに非常に多種が収録されており、様々なスケールに対応しています。
それくらいにサイズのチョイスが大事なんだな、という理解ができます。

エッチングガイドでマイナスモールドを彫るメリットはコスト面での優位性です。
以前、駆け出し初心者がマイナスモールドをきれいに彫る際最もおすすめなのが「スピンブレード」を使った方法だと紹介しました。

idolaエッチングガイドを使う場合はスピンブレードより若干のコツが必要です。
しかし、一方で多様なサイズを安価に作れるという点でスピンブレード方式に勝ります。

idolaエッチングガイド版マイナスモールドの彫り方はまた改めて紹介させてください!
台形(変型四角形)
台形はRGやMGなどを見る限り、よく段落ちと共に用いられているイメージがあります。

規則性を持って並べる
ここまでは要素を取り上げました。
idolaエッチングガイドを見ると、これらの各要素を均等に、規則性を持って配置することでメカニカルパターンを生んでいることがわかります。

個人的には、idolaエッチングガイドのようなスジ彫りテンプレートが最も有用なのはこの場面だと思います。
規則性を持って配置するためには正確な採寸が重要です。
駆け出し初心者には、テープだけでは少し難しくなってくるのがこの範囲です。

多角形
多角形も様々なサイズが使われています。
これは恐らくハッチを表現するものだと推測されます。

丸×四角
ネジ型や開閉バルブのようなイメージです。

これも要素の組み合わせです。
ただ、駆け出し初心者が丸の中心を正確に長方形を通すのはなかなか大変。
テンプレートとしてあるのは大変便利です。
2面をまたぐ
2面をまたぎ、開閉するようなイメージです。

idolaエッチングガイドでは02に収録されています。
2面間の線が繋がっていないと不自然になるので、手で彫ろうとすると駆け出し初心者にはハードルが高いです。
筆者も過去何度も失敗していましたが、ガイドを使うようになって安定しました。

これらを組み合わせて色々考えてみよう
そして、これらの要素と組み合わせを更に複数組み合わせると、たくさんのスジ彫りパターンが作れます。
ガイドをプラ板の上に置きながら、色々想像を巡らせる作業も楽しいのではないでしょうか。


idolaエッチングガイド使用時、あると便利なもの
名刺入れ+耐震マット
idolaエッチングガイドは枠から切り離して使います。
実は枠側にもサイズなどの情報がありますので、枠から切りっぱなすと若干使いづらい。
そこで、100均で手に入る名刺入れに耐震マットを敷いておくと枠とガイドがセッティングでき、非常に便利になります。


エッチング用はさみ
ガイドを枠から切り離す際に使います。
クルクル回して切り離すことも可能ですが、はさみがあった方がより便利です。
瞬間接着剤 or メンディングテープ
ガイドをキットに固定する際、瞬間接着剤かまたはメンディングテープを使います。
これまた100均のものでOKです。
個人的にはメンディングテープの方がお手軽でおすすめ。
ガイドとキットの組み合わせ的にテープがOKの場合はテープを、無理な場合は接着剤を使っています。
idolaエッチングガイドを使った作業実例
最後に、idolaエッチングガイドを使った作業例をご紹介してフィニッシュです。
ガイドを瞬間接着剤でパーツにつける



瞬間接着剤はあくまで「点付け」です。
がっつり貼ってしまうと剥がしづらく、その後の処理も大変です。
つまようじでチョンと2箇所~3箇所付けるくらいがちょうどよいです。
ガイドに沿ってスジ彫りする

ガイドを剥がし、ヤスリがけ


瞬間接着剤でガイドを付ける場合は、パーツ側に瞬間接着剤が残ります。
この残った接着剤を取るために、ヤスリがけが必要です。
テープの場合はこの工程がなくなるので、可能なサイズであればテープの方がやりやすいでしょう。
スジ彫り完了


まとめ
デザインを考えながら、みんなで楽しいスジ彫りライフを満喫しましょう。