キサゲやダイヤフィニッシュproでスジ彫りを仕上げてみよう
前回の記事では、とてもシンプルな形状のスジボリを彫りました。
前回記事で完成した、スミイレ前のスジボリです。
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/01/783643075d267e69cfaf0c6b12f5ce19-576x1024.jpg)
![友人](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2023/08/icon_fr.jpg)
もちろん悪くないんだけど、やっぱり汚くなっちゃうんだよね。もっとビシっきれいなスジボリを彫りたいな。あれってやっぱりうまい人じゃないとできないのかな?
![筆者](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2023/07/icon_au.jpg)
熟練した人じゃないと勿論難しいんだけど・・・・初心者でもちょっとは近づける方法と道具を紹介します!
筆者もまだまだ修行中。ヘッダ画像くらいしかできません。
今回はまだ技術が身についていない超初心者でもちょっとそれっぽくスジボリの仕上げができる方法をお伝えします!
スジボリはなぜ汚くなるのか??
スジボリ直後は意外と側面が荒れている
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/1a23a87dbdb7fb865e135a3065bc9967.png)
前提として、丁寧にスジボリをした後、底面はともかく側面は比較的荒れている事が多いのです。
タガネの性質上、底面をきれいに削ることはできます。しかし側面は必ずしも底面と同等の美しさを出せません。
勿論スジボリは細いので、遠くから見てもこの荒れはほぼわかりません。
しかし、この微細な揺れを感じとることができる人たちがいるのです。
それが、私たちモデラーです。駆け出しの超初心者モデラーでも、「ん?うまい人のスジボリってもっとピシッとしてるよな・・・・」という疑問を感じたことがあるのではないでしょうか。
私たちモデラーは、日ごろから自分の作ったプラモデルや自分よりもっとうまい人の作ったプラモデルを見ながら暮らしています。
そうすると、不思議なことに自分が彫ったスジボリの線が、理想より汚いことに気づきます。
超初心者のうちはスジボリ引ければ一度は満足できるのです(筆者はそうでした)。でも、少しでもそのゾーンをはみ出し始めると、この「荒れ」に気づけるようになってしまいます。
ここをなんとかしたい!自分の汚いスジボリをきれいに仕上げたい!と思った時ぜひこの記事の続きをお読みいただければ幸いです。
【側面ヤスリ】で荒れた側面をきれいに!
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/b6957758e54226e35c158f761ab11af2.png)
解決策はこちらです。
汚くなってしまった側面に対して、ヤスリをかけます。
こんな0.何mmみたいなところを追求するのですから、モデラーというのは不思議な生き物ですね。
この細かい部分をどうヤスるか?は、また最後の道具編で紹介します。
更に、【角取り】で立体感も出してみます
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/d53e8512d062ec79c54998206ff716e2.png)
ついでに、表面と側面を構成する90度の角も落としてしまいましょう。
ここで落とす細さは、恐らく0.1mm程度になるはずです。
これも、違いに気づける人(我々モデラー)は「あれ、ちょっと違うな」と感知するはずです。
汚くなったスジボリを仕上げるために必要な道具
初心者向け=精密ヤスリ
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
それでは続いて必要な道具をご紹介します。
初心者は、前回マイナスモールドでも登場した精密ヤスリダイヤフィニッシュPROが断然お勧めです。
デメリットはやはり高額であること・・・・しかし、その分性能は折り紙付きです。
後述する紙ヤスリや刃物系の工具に比べて圧倒的にコントロールしやすく、技術が追い付いていない超初心者でもある程度それっぽく仕上げてくれるのが最大の魅力です。
また、側面ヤスリも角取りもどちらもこなしてくれます。
慣れている人向け=紙ヤスリ+刃物系工具
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
慣れている方は、側面のヤスリは紙ヤスリで対応できるでしょう。
紙ヤスリの薄さを生かして、スジボリに差し込んでショリショリします。
お勧めは上記で紹介した神ペーパーというゴッドハンドさんの商品です。
この神ペーパーは通常の紙ヤスリより少々お高めなのですが、代わりに台紙が硬いためピンと張って側面ヤスリを掛けやすいメリットがあります。
角をとるための刃物系工具は腕次第で何を使っても良いでしょう。
慣れている熟練者の人は、タガネでそのまま美しい直線で角取りを行っています。うっとりします。
そこまで熟達していない方であれば、ご紹介したキサゲ系工具がお勧めです。
※筆者は短刃タイプを使っていますが、長刃でも問題ありません。
キサゲは切断するタイプの工具ではなく、ブ厚い金属によりビビリなしでカンナ掛けできるタイプの工具です。両刃タイプなら、スジボリに直接先端を差し込んでカリカリと削ることで角取りを行えます。
作業工程写真
精密ヤスリを使うパターン
![スジボリ仕上げ写真1](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/944716943d3e41950bae49c75ebc0589-573x1024.jpg)
![スジボリ仕上げ写真2](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/f4471683963b2ba1ff6485a5f8038110-573x1024.jpg)
精密ヤスリ(ダイヤフィニッシュPRO)を使うパターンで作業します。
側面へのヤスリがけは薙刀部を隙間に滑り込ませ、優しくなでます。
精密ヤスリならそのまま角取り作業も可能です。右写真のように、片面のみ角取りを行いました。
キサゲを使うパターン
![スジボリ仕上げ写真4](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/f217b35951fc39ebdd523bad368fc526-576x1024.jpg)
![スジボリ仕上げ写真5](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/73b39bb7b7d1e91f0aa607c28c921e5a-576x1024.jpg)
別の箇所をキサゲで角取りするパターンで作業します。
右写真のように、先端をスジボリの溝に差し込んで削るような動きで角を取ります。
完成写真
![](https://enjoy-plamo.com/wp-content/uploads/2024/02/a86d3acfdde08b16703eb9f80b227aac-576x1024.jpg)
同じパーツの別箇所を精密ヤスリとキサゲで仕上げてみました。
ダイヤフィニッシュの方は、両側2つある角のうち意図的に下側角のみを落としました。
キサゲの方がガッツリ削れ、両側を同時に角取りできます。
ただ、破壊力がある分思ったより削れてしまったり、直線が揺れやすくなる印象です。
ダイヤフィニッシュでの仕上げは写真のように抑えめにすることもできますし、しっかりヤスってくっきり見せることも可能です。
初心者でもコントロールしやすいのが特徴で、初心者であればあるほどダイヤフィニッシュのほうが扱いが容易だと思います。
以上が一番簡素なスジボリの仕上げ方法です!
「自分のスジボリ汚いな、きれいに仕上げたいな」と思った方はぜひトライしてみてください!