ガンプラを作り始めると「パーティングラインを~」のような言葉に当たると思います。
今日はガンプラのパーティングラインについて3点を取り上げます。
- パーティングラインってなに?
- なんでそんなものができるの?
- どうすればきれいになるの?
きれいにするやり方も写真と共にご紹介していきます。
パーティングラインって何?
合わせ目消しの記事でも似たような話が出ました。
現実をプラモデル化する際、出てほしくない線が出てしまうという点では近しいです。
パーティングラインとは、可能であれば消したい出っ張りの線を指します。
なんでこんな出っ張りが出るの?
メーカーさんがプラパーツを作る際、まず金型と呼ばれる凹凸の型を用意します。
そこに溶けたプラスチックを流し込んで固形化します。
本来はこの金型が合う部分のことをパーティングラインと呼びます。
金型は高い圧力でギュッ!とされるのですが、それでもパーティングラインにわずかなプラが流れてしまいます。
これをバリと呼びます。たい焼きのまわりのパリパリと同じ原理ですね!
転じて、モデラーはバリのことをパーティングラインとも呼んでいます。
※プラモではバリとパーティングラインはほぼ同じ言葉として扱われています
ガンプラではかなり減っている
現在、特にバンダイさんやタミヤさんのような超絶技術を持っているメーカーさんはこのパーティングラインもほとんど目立たないようにコントロールされています。
しかし、それでも完全に0にはできませんし少し前の金型を利用したプラモデルには出てしまいます。また、国内キット以外ではまだまだ頻繁に遭遇します。
処理方法を知っておいて損はなし!
バリ、プラモで言うパーティングラインは本来は出てほしくないものです。デザイン的に不要なので、組み立てるモデラー側がそれを消す処理を行うことになります。
上述の通り、技術革新により徐々に減っているものです。が、処理方法を知っていて損はありません。
次項から、これをきれいにする手順を写真と共にご紹介します。
実際の処理方法
使う工具
ナイフ系ツール
ナイフと言っても鉛筆削りのように削るわけではなく、カンナがけする方法で対応します。
※この後、作業写真でも出てきます
また、カンナがけのやり方は専用記事でも扱っていますので、よろしければご覧ください。
ナイフ系ツールでのカンナ掛けは、ヤスリよりもよくパーツを削るので作業時間が短縮できます。
ただし場所によっては傷が付きやすく表面が荒れることもあります。
このため、最初にナイフ系工具でカンナ掛けし、続いてヤスリで仕上げる方法がおすすめです。きれいにカンナがけできると、ヤスリすら不要なこともあります。
デザインナイフでも可能ですが、刃が傷むためできればカンナ掛け専用のツールがおすすめです。筆者はヘミアイピーディのぷら用カンナを愛用しています。
ヤスリ
ナイフは早い代わりに少し傷が付きやすいです。このため、うまく扱えない場合はヤスリ単体でも勿論OKです。
ナイフ系ツールと合わせて使うか、ヤスリのみで作業するかはお好みで選んで良いかと思います。
ただし、番手が小さすぎるヤスリを使うと傷を消すのにかえって時間がかかります。少しパーティングラインが大きめの時はカンナがけ→ヤスリがけのコンボがよいのではないでしょうか。
作業の実例写真
今回は派手にパーティングラインが出るパーツの例として、HGゲルググのハンドパーツを使って作業例をご紹介します。
曲刃デザインナイフで削る
刃は傷みますが、今回は曲面の処理なので直刃のぷら用カンナではなく曲刃デザインナイフを使います。
曲刃はパーツとの接点が1点のみなので、曲面パーツとの相性が良いです。
スポンジヤスリで整える
ナイフだけでは表面が少し荒れるので、ヤスリがけも行う方がきれいになります。
ヤスリがけは何番まで行うか?どんなパーツには何を使うか?については以下の記事をご覧ください。
表面は完成・・・・だが
先ほどの工程で指パーツはきれいになったのですが、パーティングラインは表に出ているパーツだけでなく溝の中にも発生します。この溝(凹モールド)内もちゃんと削るとますますきれいに見えます。
細い箇所はタガネ系工具で削る
溝はスジボリに使うタガネ系工具で削るのがおすすめです。
仕上げはダイヤフィニッシュ
溝を削るだけではキワ部分がきれいにならないため、仕上げとしてダイヤフィニッシュでのヤスリがけがおすすめです。
ダイヤフィニッシュPROは薄い金ヤスリで、狭い場面を彫りつつヤスる際に最適な工具です。単価が高いのがネックですが、狭い場所のヤスリがけの様々な場面で活用できるためこれからガンプラの改造をしていきたいと思っている人にはとてもおすすめです。
完成!
まとめ
以上がパーティングラインに関する解説記事でした。
パーティングライン(バリ)はガンプラ全体から見るとわずかな場所です。でも、そのわずかな場所が案外全体の印象を左右するものです。
是非パーティングラインまで目を配りながら、かっこいいガンプラを作ってみてください!
その他表面処理はこちらの記事をご覧ください。