ガンプラ塗装に便利なエアブラシ
プラモデル(ガンプラ含)の塗装方法は以下の3パターンです。1つのキットに対して複数の塗装方法を組み合わせるケースも多々あります。
今回はエアブラシ塗装で最低限必要な道具だけをご案内します。
揃えると便利になるグッズは色々あれど、まずはエアブラシ塗装をやってみて、楽しいなと思えてから増やしていけばよいのではないでしょうか。
エアブラシはきれいなガンプラを作りたいなら是非ともチャレンジしていただきたい塗装法です。まずは環境と機材をそろえて少し練習すると、一定水準以上の塗装面を作ることは誰でもできるようになります。
不器用な筆者でもできるようになったんですから、大丈夫!レッツトライ!
エアブラシ初心者が最初に必要な道具リスト
説明はまた後程行うとして、「初めての人がそれさえ揃えればエアブラシ塗装できる」というものだけを最初にざっとご紹介します。
こちらの表が上から優先度順です!
必須度 | 道具 | 使いどころ | 実際の商品例 |
必須 | エアブラシセット (ハンドピース+コンプレッサー+ホース) | 本体 | エアテックス メテオ Amazon |
必須 | 塗装ブース | 舞った塗料を吸い込む | エアテックス レッドサイクロン Amazon |
必須 | 塗装マスク | 作業者が塗料を吸い込むのを防ぐ | 3M 防毒マスク Amazon |
必須 | エアブラシメンテグッズ | エアブラシの掃除とメンテナンスに使う | タミヤ エアブラシクリーニングセット Amazon |
必須 | 調色スティック | 塗料を混ぜる | タミヤ 調色スティック Amazon |
ほぼ必須 | 塗装クリップ+台 | 塗装済みパーツの一時置き | クレオス トラの手ステーション Amazon |
ほぼ必須 | スポイト | 溶剤を吸い出す | タミヤ スポイトセット Amazon |
ほぼ必須 | 塗料カップ | 塗料と溶剤を混ぜるお皿 | クレオス イージーカップ Amazon |
ほぼ必須 | ウェス | 塗料を拭きとる | 吸水性の良いキッチンペーパー or キムワイプ |
エアブラシ塗装の主なメリット
エアブラシには様々なメリットがあるのですが、特に他の塗装方法と比べて筆者が魅力に感じているのはこれら3点です。
他にも塗装スピードが速い点やメタリック塗料が扱える点なども色々挙げられますが、まずはこの3点のみに絞ってご紹介します。
学習時間が少ない
技術を習得するのに必要な学習時間が短いです。
最も長くかかる頂点は筆でしょう。筆は多様な表現ができる反面、思い通りに使いこなすのが非常に難しいです。
エアブラシが簡単とは言いませんが、一定以上のレベルに到達するのは筆よりエアブラシの方が早いはずです。
塗装面が均質にできる
特にきれいめに仕上げるガンプラではこれが魅力でエアブラシに挑戦する人が多いのではないでしょうか。
エアブラシは、本物の車の塗装でも使われているスプレーガンと同じ原理。(スプレーガンは要するに超でかいエアブラシ!)
本物の車は美しい均質な塗装面だというのはご存知の通り。エアブラシなら、非常にきれいなガンプラの塗装が可能になります。
実は多彩な表現力
筆には及びませんが、表現力も多彩です。
特にエアブラシが得意な塗装法として、グラデーションが挙げられます。
エアブラシは塗料を小さな粒で飛ばすので、濃淡を付けるのが得意です。
エアブラシ塗装したガンプラの例
以下はエアブラシで塗装したガンプラの例です。
よろしければ完成品の記事もごらんいただけると嬉しいです。
エアブラシ塗装のデメリット
環境が必要
エアブラシを行おうとすると、作業者以外が立ち入らない部屋が必要です。
塗料にアクリルラッカーを選んだ場合は溶剤臭が強いため、ご家族や近隣住戸との距離なども考慮しなければなりません。
また、塗装ブースの置き場も必要です。
俺は家族が入ってこない時間に寝室でエアブラシ使ってるよ
布類を部屋の外に出して、ちゃんと換気時間取ったら大丈夫だった
折り畳みの塗装ブース使ってるんだっけ?折り畳みは使わない時しまえるのがすごくいいよね
複雑な表面を作るのは苦手
均質な表面を作れる分、複雑でランダム性の高い表面は苦手です。
パーツ表面で塗料を混色しながら塗るラッカー筆塗りのような表面は、エアブラシで作るのは難しいでしょう。
初期費用がかかる
設備が必要な塗装方法なので初期費用がかかります。
ただ、メンテナンスコストは意外と高くありません。一度導入してしまえば設備本体はかなり長持ちするためです。
今思えば、壊れるまで使うというよりも物足りなくなって買い直す感じだったなー
ガンプラのエアブラシ塗装に必要な道具
では、ここからが本題です。
必要な道具の解説と、あれば便利になるグッズをご紹介します!
上から、必須度が高い順にご紹介していきます。
エアブラシ(ハンドピース+コンプレッサー/ホース)
ハンドピースと呼ばれる本体と、そこに空気を送り込むコンプレッサーのセットを指します。エアブラシで塗装するので、これがないと始まりません。
また、コンプレッサーとハンドピースは空気を送るホースで接続します。
ハンドピース、コンプレッサー、ホースの組み合わせは無尽蔵にあります。初めてガンプラ塗装する人はどれを選べばいいのか、まだ基準がないのでわかりません。
そこで、セットになっているエアブラシを買うのが安心です。
入門におすすめはエアテックス メテオ2!
特にガンプラエントリーユーザーに人気があり、利用者も多い「メテオ」はエアブラシ入門に最適です。
メテオ2はエアブラシ専業のエアテックスさんの商品です。はっきり入門用を謳って販売されています。
メテオは以下の点で入門者向けです。
筆者も以前エアテックスさんのサポートを受けたことがありますが、故障時の対応やその後の不明点への質問などが本当に丁寧です。
エアブラシは壊れて終わりという商品ではなく、きちんとお掃除すれば長持ちし、結果的に安く済みます。サポート体制が整っているのは重要です。
塗装ブース
これもエアブラシセットとワンセットになるくらい重要です。
なぜ必要?
塗装ブースはフィルターと換気扇がセットになった製品です。換気扇で細かく舞った塗料粒をあつめ、フィルターに付着させる役割を担っています。
エアブラシは塗料を飛沫上にして飛ばすため、細かい塗料が舞います。
そのまま吹きっぱなしにすると細かい塗料粉が部屋中に舞いますし、段ボールなどでカバーしてもエアの反射で作業者を直撃します。
安全衛生と部屋の清潔を保つうえでも、エアブラシと一緒に導入しましょう。
何がおすすめ?
エントリー向けのものは幾つかありますが、環境を作りやすいという点で折り畳み式は有効です。
折り畳み式は使わない時しまえるから、模型部屋がない自分にぴったりだったよ!
先ほどのメテオ同様、困った時のエアテックス。
レッドサイクロンという折り畳み式の塗装ブースはおすすめです。
使わない時にしまっておける折り畳み式で、内部にLED電球が設置されているため手元が明るいです。
エアブラシ塗装する際、手元の明るさは意外と大事です。手元が暗いと塗り残しに気づけないためです。
専用フィルターも別売りされているため、メンテナンス性もばっちりです。
塗装マスク
マスクも必要です!ご自身の健康のためにも必ずしましょう。
細かく舞った塗料を吸い込まないように防護します。
3M製やトラスコ製、シゲマツ製等はフィルターも別売で用意があります。
期限が切れる前や汚れてきたらフィルターを買い替えましょう。本体は長持ちしますよ!
メンテグッズ
エアブラシは消耗品ではなく、メンテナンスしながら長く使う事ができます。
ただし、メンテナンスを怠ると途端に消耗品化し、使えなくなってしまいます。
普段のお手入れはエアブラシ内を溶剤やクリーナーで洗うだけでOKですが、キットを1~2個作り終えた後くらいのタイミングで分解清掃すると良いです。
メンテナンスはタミヤのクリーニングセットが圧倒的におすすめです。使い方も記載されていますので、初心者にも安心です。
特にブラシはおかしな安物使うと、毛がどんどん落ちて掃除してんのか汚してんのかわからなくなります!まじでよく知らない変なの掴まないようにしてください!
(また変なの掴んだのか・・・・)
調色スティック
調色スティックは、仮に調色しない場合でも必要です。
エアブラシに使う模型用塗料はほぼビン入りで、掬い取るのに使います。また、塗料は必ず混ぜる必要があります。この際もスティックで混ぜます。
塗料によってはドロップボトルタイプもありますが、結局溶剤と混ぜるときかき混ぜるものが必要です。ということで必須と言ってよいかと思います。
塗装クリップ+台
エアブラシで塗装したパーツは、しばらくの間放置する必要があります。
溶剤が乾燥または揮発するまでどこにも触れず待たなければなりません。
机に直置きするわけにはいかないので、塗装クリップとクリップを差し込む台があるとこの問題が解消できます。
ガンプラの場合なら基本的に1パーツ単位で塗るため、クリップは必須です。
パーツ単位で塗らないことなんてあるの?
戦車なんかはまとめて塗っちゃうので、クリップ使わないなぁ。プラモの種類によるって感じです!ガンプラユーザーなら買っておいた方がいいと思うんだ。
クレオスさんのMr.トラの手ステーションならいくつかクリップも付属しています。足りない場合はクリップを買い足しましょう。
なお、塗装ベースは小さいものもありますが大きめの方がおすすめです。小さいベースはパーツが重いと保持できないことがあるためです。
スポイト
溶剤を吸い出す際に使用します。直接ボトルから注ぐと量がコントロールできないので、スポイトは大事です。
溶剤によってはドロップボトルタイプもあるため、使う溶剤によってはなくても事足りるケースもあります。
ただ、単価も安く、あって困るものでもないため以下ご紹介します。
塗料カップ
塗料と溶剤を混ぜる際に使用します。実は専用カップである必要もないので、使っていないご家庭の注ぎやすい小皿でも大丈夫です!
ただ、注ぎ口もありますし単価も安いのであると便利ですね。ということで「ほぼ必須」としました。
ウェス(拭き取り紙)
塗料や溶剤をふき取るのに使います。必須なのですが「ほぼ」として扱ったのは、ご家庭にあるキッチンペーパーが使えるためです。
吸水性の良いキッチンペーパーか、王道のキムワイプも勿論おすすめ。
ティッシュは細かいホコリが出ますのでやめておきましょう。
さいごに・・・塗料+溶剤(クリーナー)
使う塗料によってそれぞれ用意すべきものが変わってきます。
基本的には、塗料を選んだ後にそれを希釈する溶剤がワンセットで必要です。塗料はそのままエアブラシで使用できず、溶剤で薄める必要があるためです。
また、クリーナーもセットで必要です。
クリーナーはエアブラシを洗浄するために設計された非常に強力な溶剤です。先ほどご紹介したエアブラシのメンテナンスグッズと併用する洗浄液の位置づけです。
塗料と溶剤に関してはある程度塗料の基礎知識が必要になってくるため、詳しくはまた追って別記事で紹介させてください。
アクリルラッカー塗料を使う場合
有機溶剤を使ったアクリルラッカー塗料(クレオス Mr.カラーやガイアカラー)を選択した場合は、その溶剤が必要です。クレオスMr.カラーうすめ液やガイアノーツ うすめ液などが代表です。
以下はガイアノーツさんのアクリルラッカー塗料とその溶剤の組み合わせ例です。
アクリルラッカー塗料はメーカーが異なる塗料と溶剤を組み合わせても問題ありません。(筆者の経験則的にですが)
アクリルラッカーを使う場合、クリーナーは最初のうちは溶剤でも代用可能です。溶剤自体の溶解能力が高く、掃除に使えるためです。
水性塗料を使う場合
水性塗料を選択した場合は、その塗料に準ずる溶剤が必要です。同一メーカー同一シリーズの専用溶剤を使いましょう。
※同じクレオスでも、水性ホビーに対して別シリーズのアクリジョン溶剤を使ってはダメ!
水道水を希釈には使わない方がよいです。
以下はクレオスさんの水性ホビーカラー(水性ガンダムカラー)とその溶剤の組み合わせ例です。
また、クリーナーだけは有機溶剤を使ったタイプの方が楽です。エアブラシ内部で塗料が固着すると非常に厄介なので、強い有機溶剤で根こそぎ取ると非常に時短です。
ガイアノーツのマイルドツールウォッシュなどが人気があります。
あると便利なものも紹介!
ゴーグル
筆者は必ずしてます。目のことを気にしているというのもありますが、眼鏡へのダメージを防ぐためでもあります。高価なものではないのと、トップコートする時に結局必要なため、あって損はありません。
使い捨て手袋
素手でやる人もいますが、皮膚へのダメージも気になりますので筆者は必ずしています。
ニトリル製の使い捨てグローブタイプは作業もしやすく、溶剤耐性も強いのでおすすめです。
空気清浄機
気休めです。
これがあると劇的ににおいや塗料が舞う問題が解決するかというと、しない気がします。
ただ、気持ちの問題で塗装時にはMAXにしてフル回転させています。
新聞紙
塗装ブース内に敷いています。新聞紙はにおいを吸収する性質もあるため、最後に使ったウェスなどをくるんで捨てています。ブース内の掃除も楽になるのでおすすめです。
まとめ:エアブラシ塗装を行うには!
エアブラシは環境づくりが大変ですが、導入できる人はあるととても便利です。ぜひトライしてみてください!