エコーテックの超音波カッターをレビュー
以前、ガンプラやプラモ改造でよく使われる電動工具として「超音波カッター」「ペンサンダー」「ルーター/リューター」があるという話題を出しました。
今回は当サイトとしてその最後の一つ、切断に便利な超音波カッターについて触れます。
ガンプラやプラモの改造に便利な超音波カッターとは
超音波振動を与えて摩擦を減らすことで、わずかな力で切断できるようにするカッターです。
「プラスチックをバターのように切断する」という触れ込みがあります。
正にこの言葉通りです。
プラスチック程度なら全く抵抗感なく切断できます。
超音波カッターならエコーテック製
プラモ/ガンプラを中心としたホビー用で著名なのがエコーテックさんの超音波カッターです。
超音波を利用した製品を専門で取り扱う本多電子の子会社さんだそうです。
本日はエントリーモデルであるZO-30P(プラ)IIの切れ味、切り口を紹介します。
導入のきっかけ
マシーネンクリーガーの原作者・横山宏先生が著書で超音波カッターの利用をお勧めされているのを見て購入しました。
ちょうど開口や切断をスピーディーにやりたくて、軽く悩んでいた時でした。
おまけにあの横山先生が使われているのであれば、これはもう間違いないはず!
と思い、割と即決でした。
ダイヤフィニッシュPRO買う時はあんなに悩んでたのに
元々欲しかった × 横山先生おすすめとなると、抵抗不能なレベルで欲しくなっちゃった
エコーテック製超音波カッターのラインアップ
上述した通り、筆者はエコーテック製「Z30PII」というプラスチック用のものを購入しました。
上位モデルに比べるとパワーが小さいこと、常時ONモードがないことなど劣っている点はあります。
ただ、ガンプラやプラモデルユースでしか使う予定がない人にとっては全く問題ありません。
むしろ、パワーがありすぎるとプラの溶けが大きくなる欠点があります。
ガンプラ/プラモデルユーザーにはベストな選択ではないでしょうか。
超音波カッターのメリット
超音波カッターはルーター/リューターのように汎用性が高いわけではありません。
あくまで「簡単に切れる」この単機能のみです。メリットの数自体は少ないです。
しかし、その代わりこの機能が突き抜けているために有用性の高いです。
開口が楽!
超音波カッターを購入して最もよかったのは、特に開口が楽になった点です。
例えばエッチングソーは超音波カッターと同様切断に使えます。
しかし、切断時にパーツに対して垂直に刃を入れることができません。切断力が足りないためです。
超音波カッターであれば、パーツに当てるだけで切断されます。
その切断力を生かしてパーツに垂直に刃をスっと入れ、そのまま開口できます。
早い とにかく早い
超音波カッター最大メリットはそのスピード。
先ほど紹介した開口は、実作業時間で1分かかっていません。
もし手作業なら、筆者の腕では20~30分以上はかかってしまいそうです。
更に、超音波を利用した摩擦の軽減により本当に刃が通りやすい。
つまり、全く手が疲れません。
この「時短」「疲れない」の2点が最大のメリットです。
超音波カッターのデメリット
切り口の後処理が必要
超音波カッターは超音波の振動を利用して切断するため、切り口が高温になります。
このため、プラスチックは若干溶け、粗くなります。
デザインナイフで切断した時のような鋭さはありません。
このため、ガンプラ改造で利用する際はヤスリなどでしっかり後処理を行う必要があります。
薄刃推奨
上記の切断面の荒れについては使う刃先を替えることで多少の軽減が可能です。
ZO30PIIの通常の付属刃は0.4mm厚ですが、薄刃タイプは0.15mmとなり切断面の荒れがかなりきれいになります。
筆者の場合は後から追加購入したのですが、なんと現在は出荷時既に薄刃がセットで追加されています。
恐らくメーカーさんが「プラモ用ならユーザーは薄刃の方を使う事になるだろう」と考えてこのようなセット構成にしてくれたのだと思います。
筆者が買った時も付けてくれてたらうれしかったです・・・・
今から買う人がうらやましい!!!
価格
プラモ用電動工具の中では最高値の価格帯です。これが最大のデメリットになるでしょう。
電動工具に関しては、以前より筆者のスタンスは一貫しており「時短メインなので、必須ではない」です。
超音波カッターも同様に、あくまで時短や便利さ、手軽さをサポートしてくれるものです。無理をして買うようなものではないと思います。
一方で、少しでも作る数を増やしていきたい人や力が弱い方、仕事の都合で作る時間が確保できない人などには非常に有効なツールになると思います。
注意点
切断力が高いので、手持ち推奨
カッターマットの上などで切ると、そのままマットも貫通してしまうので注意しましょう。
実際の切り口
では、続いて実際の切り口を写真で紹介します。百聞は一見に如かずです!
写真で見ていただくとわかる通り、改造時の切断でそのままこの切り口を遣おうとすると難しいです。
このため、上述の通りですがヤスリがけなどの後処理は必須です。
しかし、後処理を加味しても圧倒的な手軽さと時短っぷり。
これが超音波カッターの魅力です。
ヤスリがけに選択する物は色々ですが、狭い場所を開口した場合などは局所に対応した細いヤスリなどが良いでしょう。
このグフカスタムのバックパック作業時は、仕上げにDTファイルやダイヤフィニッシュを使いました。
狭い場所のヤスリがけについては専用の記事を用意していますので、よろしければご覧ください。
まとめ
超音波カッターはお値段が張るものの、たくさんのプラモを作りたい人には非常に心強いツールです。
ぜひあなたのプラモライフに取り入れてみてください。