意外と混乱する?ピンバイスとは何か
実は昔、ピンバイスって何なのかわからなかったんだよね
急にどうした
お恥ずかしい話ですが、ガンプラ改造を始めたばかりの頃「ピンバイス」という言葉で混乱したことがあります。筆者だけでしょうか?
今日はピンバイスに関するお話です。
超初心者は混乱する??ピンバイスとは
筆者が初めてピンバイスという言葉を見たとき『ピンバイスで穴を開ける』と書いてありました。
そうか、ピンバイスとは穴を開ける工具なんだな
でもそれってドリルじゃないの?なんでバイス(万力)なんだろ
しかし別のタイミングでは『ピンバイスの先に付けて~』とありました。
先・・・・?
ドリルの先ってなに??
今になってみると理解できるのですが、初めてこの情報だけに触れると混乱しませんか?
ピンバイスという言葉は文脈によって2種類ある
ピンバイスは使われる文脈によって意味が違います。
小さなハンドドリルという意味
1つ目は、ガンプラ/プラモや手芸で使われる小型手動式ドリルの意味です。
「で穴を開ける」とワンセットで使われます。
この意味のまま商品名になった例として、GSIクレオスの「Mr.ピンバイス」があります。
先端の工具を付け替え可能な持ち手の意味
もう一つは、先端に色々な小型工具を付け替えできる『持ち手』としての意味です。
「の先を交換して」などとセットで使われます。
多くは先端工具(ピン)をねじで締めて(バイス)使われるので、筆者は元々こちらが本来のピンバイスだったのではないかと想像しています。
筆者が愛用しているタミヤピンバイスはこちらの文脈です。また、複数の太さのドリルがセットになったセット商品もよくあります。
これら2つの意味があるので、文脈からどちらを指しているのか判断しましょう!
そして、本日は後者となる持ち手としてのピンバイスにもう少しフォーカスします。
ピンバイスの構成
分解写真
ピンバイスには写真のように、コレットチャックと呼ばれる先端工具を固定するための金具が内蔵されています。
写真の例(タミヤ精密ピンバイス)ではコレットチャックが2個×両側で計4種類の太さの先端工具が挟めるようになっています。
コレットチャックの太さや個数はピンバイスによって違います。コレットチャックの大きさが様々なのは、先端工具の挟む箇所の太さが工具によって異なるためです。
この、先端工具側にあるピンバイスと接続する箇所の太さを「軸径」と呼び、ピンバイスにも対応する軸径の範囲が書かれています。
モデラーから見たピンバイスの課題
先端工具の種類は多種多様
ピンバイスは先端を交換して使えるので、ガンプラ改造の様々な場面で登場します。
多くのモデラーさんはピンバイス先端に取り付ける工具の種類を色々持っています。ドリルだけでも太さが様々です。
先端工具の軸の太さも多種多様
同じドリルと一言で言っても、太さ3mmのドリルならば一般的に軸径は太く、細いドリルは軸径も細いです。
こうなってくると、ピンバイスの「コレットチャックを交換しながら都度ねじを開け閉めする」という行為がかなりの時間ロスになります。
ただ交換するだけならともかく、都度各工具の軸径とコレットチャックが合うかチェックしながら締めるわけですから、慣れないとかなり大変です。
ある程度改造するモデラーさんは複数本のピンバイスを持つのも珍しくありません。
メーカーの解決策
そこで、各メーカーさんは様々な発想でこの課題を解決しようとしています。
軸径を統一する
先端工具側での解決策です。
ゴッドハンド ドリルビット
代表例として、ゴッドハンドドリルビットが挙がります。
ゴッドハンドドリルビットは、太さ0.5mmドリルだろうが3mmドリルだろうが、ピンバイスに挟む軸径を全て3.0mmで統一した工具群です。
おまけに、他ラインナップである彫刻刀群も全て軸径3.0mmにするという徹底ぶりです。
時間がかかるのはコレットチャックの交換ですから、軸径が全て同じであればコレットチャックを交換する必要がありません。これはかなり革新的な発想でした。
タガネ系ツール スジ彫りカーバイト
タガネツール、スジ彫りカーバイトもこの発想です。
軸径がゴッドハンドのツール群と共通の3.0mmフォーマット。このため、ゴッドハンドの各種ツールとの相性も含めて非常に強力な時短コンビネーションです。
軸径統一タイプのメリット
今あるピンバイスを使えます。また、軸径3.0mmのタイプなら全て同じピンバイスで使えます。
筆者はタミヤピンバイスを複数本所持しているのですが、全く同じ使用感(重心、太さ)でどの工具も使えるメリットと安価であることが選択の理由でした。
タミヤ精密ピンバイス、アネックス収納式ピンバイス等はこの類の先端工具類と相性が良いです。複数安価に揃えられてかつ長持ちします。
軸径統一タイプのデメリット
コレットチャック交換は不要ですが、ねじを緩めたり締めたりする時間までは削減できません。
交換速度は後述の「ピンバイス側をワンタッチにする」に劣ります。
ピンバイス側をワンタッチタイプにする
続いて、先端工具側ではなくピンバイス側に工夫を凝らす解決策です。
六角軸を使用し、ねじの開け閉めすらなくす手法です。ゴッドハンドのクイックパワーピンバイスやWAVEのワンタッチピンバイスなどがこれに該当します。
ワンタッチタイプのメリット
ねじを緩めたり締めたりする時間すらなくなり、更に交換速度がアップします。
ワンタッチタイプのデメリット
対応しない先端工具は使えません。また、ピンバイス本体は若干金額が上がります。
まとめ
ピンバイスに関するまとめ記事、いかがだったでしょうか。
筆者のようにピンバイスって何?と戸惑う方はいないかもしれませんが、少しでも理解の助けになれば幸いです。