独特なガンプラカンナがけについて改めて解説
カンナがけというと、大工さんがカンナを使って木をシュルシュルと削り取っていく絵面が想像できます。
しかし、ガンプラやプラモデルの世界でのカンナがけは大工さんのカンナがけとちょっぴり違います。
本記事はガンプラ改造でよく登場する、『ガンプラパーツへのカンナがけ』を初心者向けにしっかり解説していきます。
ガンプラパーツへのカンナがけとは?
カンナがけ→ナイフ系工具を使って刃を寝かせて削ること
ガンプラ/プラモデルにおけるカンナがけは、刃を寝かせて少しずつ薄皮をむくように削っていく方法を指します。
この方法のメリットはまた後述しますが、刃を寝かせることにより削りすぎを防ぐ効果があります。
鉛筆削りのような削り方ではありません
ガンプラにおけるカンナがけは、鉛筆削りのように刃を立てて削るやり方ではありません。
刃を立てると、特に初心者はコントロールできず削りすぎてしまうことがあります。
鉛筆削りのような削り方がNGというわけではありません!
しかし、あくまで「ガンプラ/プラモでのカンナがけは鉛筆削りとは違うやり方だ」というだけです。
鉛筆削り式の削り方がNGなわけではありません。
例えば、軟質なクリアパーツをシャープに削る時、この鉛筆削り式の方法は非常に便利です。
適材適所で使い分けていきましょう。
ガンプラパーツへのカンナがけはどんなメリットがあるの?
うまく使えばヤスリがけより早い
ヤスリもあるのになぜわざわざカンナがけするかというと、総じてヤスリがけよりも早く仕上がるためです。時短です!
大きな凸をしっかり削り取りつつ、傷が少ない
一番のメリットはこの点です。
大きな凸(出っ張り)をヤスリで削ろうとすると、番手の小さいヤスリ=つまり粗いヤスリを使う事になります。
そうすると、周囲のプラパーツ表面を大きく傷つけることになります。
例えば、120番などを使うと深く削ることはできますが代わりに傷を消すのに少々手間がかかるでしょう。
また、上述の通り鉛筆削り式と比較すると、「削りすぎない」メリットがあります。
カンナがけをうまく使えば、コントロールしつつ凸を削りながら、かつ表面も大きく傷つけません。
ヤスリがけよりも良いっていうこと?
ヤスリがけとカンナがけは併用がおすすめです!全ての場所をカンナがけだけで対応する必要はありません。
一般的には大きな凹凸があるパーツを滑らかにする際、初手でカンナがけするケースが多いはずです。
カンナがけ後、気になるようであれば600番などでヤスリがけすることもよくあります。
ごく小さな箇所であればカンナがけのまま塗装に入るモデラーさんもいます。
カンナがけはどんな時に使えるの?
400番程度のヤスリで削るには少し大きいな、と思える場所にはあらゆる場面で有効です。
代表的な例として、パーティングラインを処理する際は大活躍するのではないでしょうか。
プラ板工作派の方は、切り取ったプラ板の側面をカンナがけするのに非常に便利なはずです。
ガンプラパーツへのカンナがけ やり方
ここからは作業写真をお届けします。
おすすめのプラモデル用カンナ
平面と曲面で向き不向きが変わります
まず、前提として平面パーツへのカンナがけと曲面パーツへのカンナがけは道具を変えるのがおすすめです。
上手な人はどちらも一つでできますが、初心者であればあるほど2つ持つ方がやりやすいです。
詳細は曲線刃に関する記事で触れましたが、曲面パーツに直線刃を使ってしまうと削りすぎリスクが高まるためです。
筆者のおすすめカンナNo.1はぷら用カンナ!
筆者のおすすめを記載していきますが、正直「これでないとダメ!」というほどの優位性があるわけではないと思います。他にもたくさん良い道具があります。
他道具から選ぶ際は、以下を重視すると良いと思います。
- 切れ味不要
- 剛性が強い
そもそもが切断する前提にないので、デザインナイフと違い切れ味は不要です。安全性が高まる副次効果もありますのでなくても構わないスタンスでいきましょう!
剛性が強いと刃が揺れることがなく、カンナがけした箇所がガタガタになってしまうのを防げます。
ヘミアイピィディー ぷら用カンナ
専用工具なので使いやすいのはある種当たり前かもしれません。筆者イチオシのカンナです。
中でも「御銀と弥七」は大きな平面に広く対応できるタイプと、小さな部分に対応できる直刀タイプのセットです。
どちらも使い勝手に優れます。
きさげカッター
これも使いやすいカンナがけツールです。刃が厚く、一切のビビリがありません。あまりの剛性に初めて使う時はびっくりするかも?
ぷら用カンナの次点としたのは、プラ板に対して垂直を出すのに少しだけ慣れがいるためです。
※ぷら用カンナは持ち手と刃が90度/180度なのでわかりやすいのです
アートナイフPRO 曲線刃
本来はナイフなので、ここで登場するものではないかもしれません。
アートナイフPROは刃が大きく分厚いため、カンナがけツールとしてもかなり優秀です。
一方、本来はデザインナイフなので切断性能も高く、汎用性に優れます。
しかし、あくまでデザインナイフなのでカンナがけは本来の使い方ではありません。
カンナがけをしてしまうと刃の摩耗が早く、寿命が縮むのがたまにきず。
特別枠・・・マイクロセラブレード
平面曲面どちらにも登場し、かつ特別枠扱いとしたマイクロセラブレードです。
実は筆者の中ではものすごい推しカンナなのですが、ちょっと他のカンナと枠が違うので特別枠としました。
何が特殊かというと、2点あります。
刃の剛性がない
剛性がなく、柔らかいです。このため、他カンナと比べると傷が非常につきづらいという大きなメリットがあります。
直線刃と曲線刃の二刀流
これも素晴らしい特長です。刃が2方向あり、差し替えれば平面用の直線刃としても、曲面用の曲線刃としても使えます。
削り性能自体は低いため、どんな場面でも使えるかというとちょっと微妙です。
しかし、傷つけづらいというメリット、他にカンナがけに使える曲線刃候補が非常に少ない中でキラリと光る個性派カンナです。
なお、ダイヤフィニッシュで有名なアルゴファイルさんからも全く同じタイプの商品が出ています。
ガイアノーツさんは塗料メーカーなのでアルゴファイルから供給を受けているのかもしれませんが、詳細不明です。お好みでお選びください!
デザインナイフのカンナがけはだめ?
ダメじゃないです!都度持ち替えなくていい大きなメリットがあります。
しかし、刃の消費も激しくなりますしビビリも出やすいです。
初心者は別で用意したほうがやりやすいとは思います。
ガンプラパーツへのカンナがけ まとめ
カンナがけで時短しながらたくさんガンプラづくりを楽しみましょう!