スリットディテールも素材さえあれば作れます
今回取り上げるのはスリットディテール。

初代ガンダムRX-78-2の黄色い胸部に代表される、排熱機構であるスリットはガンプラ改造では定番の表現方法です。
これまでにもいくつかの方法をご紹介しましたが、今回は一番簡単な方法としてプラ板を使う方法を解説します。
おさらい:スリット=排熱機構
モビルスーツも何らかの動力で動いている以上、内部の熱を外部に排出する機能が必要と想像できます。
実際に多くのモビルスーツデザインでは、スリットやダクト形状のものがあります。
これを表現するために、これまで実際に穴を開ける方法やスジ彫りで彫る方法をご紹介してきました。
スリットを実際に開ける方法
スジ彫りでスリットを彫る方法
一番簡単にスリットを表現する方法=プラ素材を使う
上記の方法は、ある程度スジ彫りツールに慣れた人の方がとっつきやすいです。
今回ご紹介する方法はそれもいらず、プラ素材を張り付けるだけ。
簡単なだけに自分で作った感は薄いかもしれませんが、オリジナリティを出すには良い方法なのでおすすめです。
用意する物
エバーグリーン プラシート
最初からスリット形状になってる素材として、エバーグリーンのプラシートを使います。
エバーグリーンプラシートには溝付のタイプがたくさんありますのでお好みで選べます。
スリットに比較的近いのは「ラップサイディング」あたりです。
本記事の写真実例では溝間隔1.0mmを使いました。
他にもお好みで様々な間隔から選ぶことができます。

サイディング・・・外装材のこと スケールモデル用素材なので、壁や屋根に使える素材が豊富なのがエバーグリーンの特長です
エバーグリーン(evergeen scalemodels)とは
アメリカの会社です。
スケールモデル(実物を模型化するプラモデルのジャンル・・・戦車や飛行機など)用素材を製造しています。
日本では京商さんが代理店をされているようです。
得意としているジャンルは鉄道模型の素材で、緻密な造形と細かなサイズ展開に定評があります。
日本ではタミヤ、WAVEなどがプラ素材を提供する会社として著名です。
一方のエバーグリーンも上記2社とはまた違ったサイズ感、規格のプラ素材を提供しています。
例えば以前もご紹介したこちらの平棒。1mm幅ですが厚みが1mm未満で、何かと使い勝手がよいです。

切断系工具
デザインナイフ、エッチングソー等です。
パーツに切り欠きを作りたいので、その際に使います。

ヤスリ等の整面ツール
パーツを切り欠いた跡を整面します。ヤスリや、カンナがけツールが候補です。

個人的にはこういう場面ではマジ・スクを推したいです。
マジ・スクは2024年大ヒットした汎用性表面処理工具です。
詳細は以下で解説しています。
接着剤
有機溶剤系の接着剤がおすすめです。

接着剤の種類と使い方、どんな場面に向いているかなどは接着剤の解説ページをご覧ください。
では、早速実際の作業をご紹介します。
ガンプラにスリットディテールを作る作業手順
スリットを入れたいパーツを切り欠く

筆者はラクして超音波カッターを使っていますが、先ほどご紹介した通りナイフやエッチングソー(プラノコ)で大丈夫です。
超音波カッターは改造初期のモデラーさんには不要ですが、時短効果はバツグンの電動工具です。
ご興味がある方は以下解説記事も見てみてください。

切り欠いた跡をヤスリがけなどで整える


切り欠いただけだと荒れていますので、ヤスリやカンナがけツールで削って整えます。
写真はマジ・スクで作業しています。
実は切り欠きディテールとしてだけでも十分なので、ここでやめてしまう選択肢もあります。
エバーグリーンプラシートをカットして準備する


ここでエバーグリーンのプラシート登場です。
必要サイズにカットして使いましょう。
プラ板カットの基礎は別記事で解説しましたので、よろしければご覧ください。
カットしたプラシートを切り欠いた箇所に裏貼りする

後は切り欠いたパーツの裏からカットしたプラシートを接着すれば終わりです。
接着には流し込みタイプの有機溶剤系接着剤(タミヤセメント流し込み速乾)を使っています。
世界一簡単なスリットディテール完成
以上で作業終了です。
改造経験のない方でもハードルが低いと思いますので、是非お試しください。

