ガンプラへのスミ入れ色 おすすめを提案
ガンプラへのスミ入れに使う色は何色がいいか、初心者は悩まれると思います。
筆者もいまだに悩みますが、基本的な考え方を知るとまた悩むポイントが変わってきます。
この記事は前回「スミ入れしよう!」の続編です。
この記事内で、ガンプラのスミ入れ色は最初にダークグレイを用意しておくと汎用的というお話をしました。
正直、覚えてない
ですよね。
今回はスミ入れの色を解説します!
再掲:スミ入れとは
まず、スミ入れは見る人に影を意識させたくてやっている、というお話でした。
これを押さえたうえで、今回は「影を意識させるための色選び」と「敢えて外す色選びの実験」をお見せして楽しんでいただこうと思います。
スミ入れの色は何を選べばいいの?
スミ入れの色は影の表現=パーツより少し暗い色ならOK!
前段で、スミ入れに黒はあまり選ばれない点に触れました。では、具体的にどんなパーツにどんな色のスミ入れを選択するべきでしょうか?
スミ入れは影を表現する塗装だという前提に立って考えると、ぼんやり答えが出てきます。
影なので、各パーツに対してその色より少し濃い色をスミ入れするのが基本的な考えとなります。
そして、中でもグレーは非常に手堅いです。まさに影そのものを表現できる色なので、どのパーツ色に使っても違和感はないはずです。
しかし、全部グレーを使おうと決めているならきっとこの記事も読んでいらっしゃらないはず。他の色候補も見ていきましょう。
パーツ×スミ入れ色組み合わせ事例
ガンプラに多い白やライトグレーのパーツに合うスミ入れ色
ガンプラで多く使われる白/グレー系にはライトグレー~ダークグレーのスミ入れが似合うのは前段記事の通りです。
スミ入れが狙う効果は立体感の向上でした。それは小さなサイズのガンプラではどうしても影が小さすぎておもちゃ感が出てしまうので、それを影を塗ることで軽減したいという考えでした。
このため、黒では影として濃すぎるのでグレーの方が好まれるんでしたね。
濃いグレーのスミ入れならくっきりめ、淡いグレーのスミ入れは柔らかく上品な印象を与えます。
シャアザク!シャアレッド! 赤や黄色パーツに合う色
ガンプラでは赤系や黄色のパーツも多いです。ガンダムのトリコロールカラーや、シャア専用機などが代表的です。
これらの色には、そこに影が落ちた時の色である茶色のスミ入れがおすすめです。
また、黄色ならオレンジのスミ入れもよいでしょう。
どちらも、パーツに対して影の表現となる色です。
結構難しい濃色パーツに合う色
濃い色、特にガンプラに多い青のパーツや紺のパーツは結構判断に迷われるかもしれません。
筆者のおすすめは濃い青のスミ入れです。絵画でも影が青で表現されますし、スケールモデルの世界でも暗色に青を混ぜて使うのがスタンダードです。
あるいは、濃い色のパーツに敢えて黒をスミ入れするのもかっこいいいのではないでしょうか。
先ほど黒はあまり使われない、と書きましたが、濃い色はそもそも影が見えづらいです。
なので、濃いパーツにはスミ入れ自体しなくてもよいという向きもあると思いますが、プラモならではのデフォルメした表現として敢えて黒を持ってくるのもとても面白いと思います。
※実際、敢えて白いパーツにクッキリした鮮烈な黒をスミ入れする作例も多々あります
では、続いて実際に幾つか作業した事例写真をご紹介してみんなで眺めていきましょう!
ガンプラパーツへのスミ入れ色実演
赤パーツへ茶色でスミ入れする
定番の赤パーツ×ブラウンスミ入れの組み合わせです。使ったのはタミヤスミ入れ塗料のブラウン。
しっかり影を作ってくれているのが分かります。
グレーパーツへ黒でスミ入れする
こちらはグレーのパーツにブラックを持ってきた例です。タミヤスミ入れ塗料ブラックです。
このくらいの明るさのパーツなら、本来ダークグレーで良いとは思います。しかし、写真実例として面白いと思いますので黒でクッキリ影を作った例(不自然すぎるくらいクッキリ)としてぜひご覧ください。
ウェザリングカラーを使ったスミ入れ
ウェザリングカラーとは
ここまではタミヤスミ入れ塗料を使った例を見てきました。
次は他のマテリアルも使って色々試してみましょう。ここでご紹介するのは、GSIクレオスMr.ウェザリングカラーです。
ウェザリングカラーを簡単にご紹介
GSIクレオスが販売している塗料です。その名の通り、本来はウェザリング(汚し)塗装に用いられるためのものですが、ガンプラのスミ入れにも使えます。
ウェザリングカラーシリーズは本来の用途通り、油汚れや砂埃を表現しやすい色がそろっています。
このうち「フィルタリキッド」シリーズは全体の色調を変える目的で使われる鮮やかな色がそろっています。
今回はこのうち「フィルタリキッド」を使ってスミ入れをやってみましょう。
※本来の汚し塗装で使われるウェザリングカラーについてはまた別途触れる予定です
タミヤスミ入れ塗料との違い
異なる塗料ですので、ふき取るための溶剤はウェザリングカラー専用うすめ液を使います。スミ入れ自体の方法はタミヤエナメルと同じです。
タミヤスミ入れ塗料はフタに筆が付属しています。ウェザリングカラーシリーズはフタの筆が付属していません。
別途筆を用意するか、別売りの筆(Mr.接着剤用筆)が後付けでフタに付くようには作られています。
青パーツへ青のスミ入れ/赤のスミ入れ
ではフィルタリキッドの鮮やかな色を使って早速試していきましょう。
まず、青のパーツに対して同系色のシェードブルーをスミ入れしたのが左の例。自然な影ができています。
一方、敢えて赤であるグレーズレッドを使ったのが右の例です。
これは最初から影と視認される効果を狙っていない例です。赤を警告表示の一種であると捉えて要所で使うのはどうでしょうか。長い溝(凹モールド)全体に赤はさすがにくどいですが、写真のような短いマイナスモールド程度であればアリに思えます。
緑パーツに対して明るい緑のスミ入れ
続いて、先ほど同様同系色ですが今度はスミ入れ側の方が明るいパターンを見てみます。
本体側はクレオスのドイツ軍オリーブグリーンに塗られた戦車です。そこにフェイスグリーンを流しました。
※これはスミ入れではなく凸を目立たせるピンウォッシュの使い方ですが、ピンウォッシュでこの色は使いませんし今回は色合わせを見る目的なのでご容赦ください
流したフェイスグリーン側の方が明るいため、影というよりも流した場所全体の微妙な色変化があったのがわかります。
元々フィルタリキッドは全体に薄く塗ってふき取ることで色調変化を狙う塗料です。
これも青パーツへの赤スミ入れ同様、影を作るのとは異なる観点ですが狙って使うのも面白いのではないでしょうか。
キャラクターモデルならでは!補色をスミ入れ
最後に、補色関係にある色をスミ入れする例です。
これは紫パーツの上にある凹モールドに鮮やかな黄色を差し込んだパターンです。
もはや影でも警告表示でもありませんが、補色関係にあるためデザインとして非常に目立ちます。
ガンプラをはじめとした架空のキャラクターモデルであれば、こういった遊びも楽しいのではないでしょうか。
まとめ
今回はスミ入れの色について色々考えてみましたが、いかがでしたでしょうか。この色ならこれだ、と決めず、自由な発想でたくさん楽しんでみてください!