プラ板の切り方・中のくりぬき方を解説
前回、初めてプラ板工作にチャレンジする際のおすすめの道具を紹介しました。
スライド定規があるとすごく便利ですよ!という内容でした。
一連のプラ板工作記事の最初のゴールは、アーマーの裏打ちパーツを作ることです。
道具の紹介をした後なので、続いては「プラ板の切り方」「くり抜き方」を解説していきたいと思います。
では、順を追ってまずは切り方から!…の前に、揃えておきたい道具だけ復習しておきます。
前回のおさらい:初心者が最初に揃えるプラ板工作の道具
デザインナイフ
ケチらず100均や謎のメーカー製品ではなく、オルファかNTカッター製をおすすめしたいです。
デザインナイフの紹介記事もご用意していますので、よろしければどうぞ!
カッティングマット(カッターマット)
前回記事の通り、最初は100均でも大丈夫です。欲しいなと思ったタイミングでプラモデル用を買いましょう。
金属定規
スライド定規がおすすめです。
下記以外にも販路限定ですがスジボリ堂様のみで扱っている岬式T型スライド定規も選択肢に入ります。
プラ板
タミヤ、ウェーブが人気です
基本1・・・プラ板は折り目を付けて折る
プラ板の切り方を紹介しますと言いつつ、初っ端から違うことが書かれています。
実は、プラ板は基本的に折り取る要領で作業した方が要領良く進められます。
早速見ていきましょう。
金属定規に沿ってデザインナイフで繰り返しなぞる
画像の通り、切り取りたい箇所に金属定規を当ててデザインナイフで何度もなぞって跡を付けます。
使用する金属定規は、おさらいもかねてスライド定規です。
この時、力いっぱい入れて板を貫通させる必要はありません。
力を入れるとナイフが定規からずれてしまいますので、力を入れ過ぎず何度もなぞるイメージです。
目安は、プラ板の厚さの半分くらいの深さまで跡が付けばOKだと思います。
プラ板を両手で持って折り取る
跡が付いたら、後は簡単です。
両手でプラ板を持ってペキっと折ってしまいましょう。
プラ板はそれほど耐久力がなく、特に1mm以下のプラ板などはこれで簡単に折れます。
何で折った方がいいの?
やってみるとわかるんだけど、1mmオーバーのプラ板を完全に切り取るのって結構大変なんだ。途中まで跡を付けて折った方がかなり楽なのでやってみてください!
折り取った跡をきれいにする
最後に折り取った後は少しプラ板がガサガサになっているので、ヤスリがけやカンナがけできれいにします。
0.5mm以下程度であればあまり気になりませんが、厚いプラ板になるほど折り取った跡の断面が目立ちます。
また、この後プラ板を組み立てたりする際も接着面になったりするのでここできれいにしておかないと後々の組み立てがうまくいきません。結構重要な工程です。
この時のおすすめはカンナがけです。詳しくはこちらの記事もご覧ください。
折れない場合もあると知る
プラ板を折るのはてこの原理を使っています。
このため、折りたいラインがプラ板の端から短すぎるとうまく折れません。(支点力点作用点の関係)
プラ板を細切りする際は仕方ないので、最後まで貫通させるよう一生懸命切り取るしかありません。
ここは頑張りどころです!
補足・・・・細切りに対応した専用工具もある
なお、こういった細切りや同一サイズを連続して切り出す際の専用工具も存在しています。
紙の裁断機のような要領でプラ板を切り出す、チョッパーと呼ばれるタイプの工具です。
それほどプラ板工作をしない間はまず買う必要はないと思いますが、頭の片隅に置いておいていただけるといつか役に立つかもしれません。参考までに一つ例示しておきます。
基本2・・・プラ板の中をくり抜く場合
ただ板から切り出すだけでなく、真ん中をくり抜きたい場合も発生するのではないでしょうか。
今回ゴールにしているアーマーの裏打ちパーツもくり抜き方を知っておくと楽に作業できます。
早速作業していきましょう!
くり抜く場所を下書きする
例えば、均等に周囲から数mm幅間隔で中をくり抜きたいとします。
このような形をゴールにします。
まずは、前回記事で紹介したスライド定規を使って下書きしていきましょう。
ナイフでなぞるだけでなく、こういった下書きにも利用できるのがスライド定規です。
仕組み上、しっかりと均等な幅を描くことができます。
ナイフで切らず、ドリルで開ける!
下書きの線ができたので、ここをナイフで・・・・といきたいところですが、上述の通りプラ板は貫通させるのが結構大変です。
勿論、ストレートに型抜きの要領でナイフでくり抜いてもOKなのですが、多少楽をしたいところです。
そこで、くり抜きたい箇所に対してドリルで何か所も穴を開けておきます。
筆者おすすめドリルはゴッドハンドドリルビット+ピンバイスの組み合わせです。
※ドリルビットはピンバイスに差して使います
ニッパーで穴を広げる
ドリルはナイフで貫通させるよりかなり楽に作業できます。
空いた穴同士を、適当にニッパーで繋いで穴を広げていきます。
この時使用するニッパーは厚刃タイプのエントリーニッパーなら、何mm厚のプラ板にも対応できます。
筆者がこの作業で使用したのはタミヤ薄刃ニッパーです。薄刃としてはかなり耐久力があるため比較的乱暴に扱っても対応してくれます。
アルティメットニッパーなどの極薄タイプのニッパーは絶対こういう時使ったらダメですよ!
ダメです、本当に。。。。。
ああ、アルティメットニッパーをプラ板工作で使って折っちゃったときの話ね??
ニッパーは高額品なら汎用的に使えるというわけではなく、適材適所があるので注意しましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
広げた穴をデザインナイフでさらに広げる
デザインナイフで少しずつ切り取り、下書きの線付近まで穴を広げていきます。
鉛筆削りの要領で、薄く削っていきます。指を切らないようご注意ください!
写真の筆者のように、耐切創手袋をしておくと少し安心です。
最後はカンナがけできれいにする!
下書きの線スレスレまでデザインナイフで切り取ったら、最後は仕上げです。
周囲を整えていきましょう!
そのままデザインナイフをカンナがけスタイルでかけてもOKですし、筆者の写真のようにカンナがけ専用ツールでカンナがけしても大丈夫です。
カンナがけ専用ツールはナイフと違って切れないため安全で、かつ厚刃でビビりがないため初心者でもきれいにしやすいのがメリットです。
とことん道具でパワープレイするね~~~!
技術の未熟さも、道具の良さでカバーしながらガンプラ作りを楽しむのも本ブログのモットーです!
再掲:完成写真
カンナがけやヤスリがけで仕上げをしたら終了です。以下、写真も再掲します。
お疲れさまでした!
切り出し方、くり抜き方をマスターしたら続いて裏打ちパーツまで進みましょう。
詳細はまた次の記事で解説させていただきます。
補足情報・・・プラスアルファのちょっとしたコツ
さて、以上でプラ板の一番シンプルな切り出しとくり抜きはマスターできました。
後は回数をこなして練習し、もっとうまくなればいうことなしです。
練習してうまくなると、ちょっとうれしいよね
さて、追加で知っておくと後々ちょっと便利になるプチ情報もせっかくなのでお伝えしますね!
なるべく「平行/直角」に切ってから使う
プラ板は購入時、そこそこの大きさがあります。
このまま使う部分を切り出してもいいのですが、大きすぎると取り回しがしづらいです。
また、残ったプラ板もいびつな形になって後々使いづらくなってしまいます。
いびつになってしまった形を、後から平行直角の正確な四角形にするのは意外と難しいものです。
以前お伝えしたように、人間は直角と平行を正確に再現するのが苦手なのです・・・・
このため、以下を意識しつつ購入後のプラ板を切り出して使っていただくと良いかと思います。
- 大きなプラ板から、使いたいサイズよりほんのちょっぴり大きめに切り出してから使う
- 切り出す時は平行/直角にしておく
- 切り出したプラ板も、後に残ったプラ板も平行直角なので使いやすい!
大きなプラ板から直角並行に切り出す時のコツ
直角や平行を出すと言えばスライド定規の出番なのですが、残念ながらお持ちのスライド定規次第でサイズが合わないケースも多いでしょう。
・・・というか、WAVEスライドT定規2以外の2種は明らかに長さが足りません。
そこで、以下の準備をしておくと大きなプラ板から平行/直角に切り出しやすくなります。
30cm金属曲尺を用意する
お値段もお安いので、簡単に用意できます。
30cmあれば大概のプラモ用プラ板は切り出し可能です。
カッティングマットに定規を貼る
筆者のマットの例です。
こんな具合に、100均のプラ定規を切り取って両面テープで貼ってあります。
こうすることで、大きなプラ板を平行/直角に切り出すことが可能になります。
まとめ
切り出し方、くり抜き方をマスターしたところで、次回はついに当面のゴールだった裏打ちパーツ製作にチャレンジしましょう!