ガンプラ塗装の下準備には洗浄・・・必要なの?
ガンプラの塗装前、パーツ洗浄したほうがいいという話を聞いたことがあると思います。
一般にはこのガンプラの洗浄には超音波洗浄機が推奨されていますが、果たして超音波洗浄機は便利なのでしょうか?
塗装前に何で掃除が必要なの?
プラスチックのカスを取るのが主目的
まず、超音波洗浄機の話に入る前に、大前提としてなぜ塗装する前のガンプラは洗浄の必要があるのか?という点から解説します。
洗浄したほうが良い理由は、削ったプラスチックのカスが特に溝(凹モールド)に詰まっているためです。もちろん、表面についている場合もあります。
そのまま塗装すると、せっかくの凹モールドや表面がガタガタになってしまいます。このため、事前に洗浄する必要があります。
逆に言えば、ガンプラを作る際、どんな場合でも洗浄が必要なわけではありません。
- しっかりヤスリがけを伴う作業をした
- 塗装をする
この2点を満たすガンプラを作る場合は洗浄がおすすめ
ヤスリがけをほとんどしておらず、かつ無塗装で仕上げる・・・つまり、ガンプラの素組みやパチ組みと呼ばれる作り方ならば洗浄してもしなくても変わりません。
ということで、無塗装無改造の素組み派の人は超音波洗浄機を揃える必要はありません!
もったいないからそのお金でガンプラ買いましょ!
無塗装の素組みだけでなるべくガンプラをかっこよく作る方法については以下の記事で紹介しました。
皮脂の除去という観点も
ガンプラを組み立てると、自然と人間の手の皮脂がプラスチックに付きます。
油分は塗料の定着を妨げるため、取り除く方が好ましいです。
ただし、気にしたほうが良いのは水性塗料くらいです。水性塗料はきれいにしたプラでも塗料を弾いてしまいます。そこに油分が加わると更にお邪魔してくるわけです。
個人的な経験則では、アクリルラッカー塗料(プラスチックを溶解しながら定着するタイプ)はさして皮脂を気にする必要はないように感じます。
さすがにポテチはきついと思いますが、普通の皮脂程度なら無視できるくらいでした
具体的に何をすればいいの?
ガンプラの塗装前洗浄は、主にブラシで払うか水洗いするかに分けられます。
順にみていきましょう。
歯ブラシで払い落とす
「使い古し」とは言うけれど・・・・新品の方がおすすめです!
まだ用意がない人は、歯ブラシで溝に詰まったヤスリカスなどを取り除きましょう。これだけでも全く違います。
よく「使い古しの」という枕詞がありますが、筆者の感覚だと使い古さない新品の方がおすすめです。
というのも、あまりに使い古した歯ブラシは毛先が開いているためです。
歯ブラシを交換する理由は、毛先の開きによりきれいに歯の間の汚れが取れなくなるため。その状態の歯ブラシを使うよりも、安くていいので新品のやわらかめ歯ブラシを用意したほうが良いです。
※もちろん、古い歯ブラシだと掃除できないわけではありません
歯ブラシでの掃除のメリットは非常に手軽なこと、単価が安いので使い捨て感覚でガンガン使えることです。
突然ですが、歯ブラシの話
ここで、ガンプラと全然違う話なのですが歯ブラシ繋がりでついでに小話させてください。
最近「奇跡の歯ブラシ」という歯ブラシのリピーターになりました。
ずいぶん自信満々なネーミングだなと思って最初お試しで買ってみたのですが、うまくブラッシングするときれいに歯磨きできるので気に入りました。
毛先が細いことと毛先の植え方と長さの揃え方が独特で、これがポイントのようです。確かに他の歯ブラシで見たことはありません。
ガンプラブログに全くふさわしくない内容ですが、雑談代わりのご紹介でした。
いきなりどうしたのさ
最近、歯の大切さに改めて気づきまして・・・・
閑話休題。ブラッシングの続きにいきましょう!
クリーニングブラシで払い落とす
1本2役のタミヤ モデルクリーニングブラシがおすすめ
筆者が使っているお気に入りブラシです。
毛先が固い方がヤスリカス掃除用です。歯ブラシと似た場面で使えますが、毛先が揃っていて筆状になっており、適度なコシ。細かい部分を掃除しやすいです。
このブラシのメリットは、静電気を防止するフサフサした長い毛のブラシもついていることです。
長い毛のブラシは仕上げ用で、塗装が終わった後や普段のホコリを払うのに使えます。静電気を防止するので細かい綿ボコリも取れます。
ブラシでの洗浄 メリットとデメリットは?
- 手軽
- 初期費用が低い
- 普通のプラカスなら十分取れる
- 強い皮脂やポテチ汚れには効かない
- パーツが多いと面倒
ガンプラの洗浄という観点ではブラシで必要十分です。
超音波洗浄機は安くても数千円はしますので、費用を抑えたい場合はブラシ系で十分だと思います。
超音波洗浄機で洗浄する
ガンプラにおすすめの超音波洗浄機 選ぶ基準
今回のトリは超音波洗浄機です。
筆者は過去にプラモ用途外で複数の超音波洗浄機を使っていたことがありますが、1万円以内であればどれも大きな差はありませんでした。洗浄性能そのものは変化がないためです。
上記くらいです。
このため、ガンプラ製作のために買い直すにあたり、最も安いクラスで、アフターケアが安心なメーカー製ならOKだろうと判断しました。
筆者が使用しているのは小物キッチン家電で有名なドリテックさんの「ソニクリア」です。必要十分で、価格がこなれているのが魅力です。
最初のうちはなるべく費用は抑えながらキット代に回した方がハッピー、というのが筆者の主張です
超音波洗浄機は何がメリット?
- パーツを一斉に洗浄できる→時短で手間いらず!
- 食器洗い洗剤を垂らせば油汚れにも対応できる
超音波洗浄機を導入するメリットは、時短+手間いらずです!
一つ一つブラシで掃除するよりも、一気に洗浄できる分圧倒的に早いです。また、加えてブラシでは難しい油分への対応が可能(食器洗い洗剤を垂らします)という点もメリットでしょう。
プラカスは本当にしっかり除去できます。浮いているプラカスを見るとちょっとうれしいです。
超音波洗浄機のデメリットは何?
乾燥の時間と手間です。
機材の購入費を考えなければ、これだけです。塗装に水分は大敵なので、完全に乾燥させてから塗装したいところです。
このため、すぐ塗装に入りたい場合は超音波洗浄機は向きません。ブラシで対応しましょう。
ただ、これをカバーする方法もあります。それが食器乾燥機です。
もはやモデラーには食器乾燥機ではなくパーツ乾燥機としてさえ認知されてしまっている、おなじみ山善さんの食器乾燥機YD-180をご紹介しておきます。
自然対流式を採用していることで、高温になりすぎない点が特にモデラーから高評価を受けています。
※高温になるとプラへのダメージが大きいため
おすすめのガンプラパーツ洗浄方法
以上を踏まえて、おすすめの洗浄方法をまとめて締めたいと思います。
費用を抑えるなら→ブラシで対応
超音波洗浄機の導入にはどうしても数千円は必要になります。
仮にタミヤのモデルクリーニングブラシを買ったとしても、超音波洗浄機よりはずいぶん費用が抑えられます。歯ブラシならなおのことです。
また、仮に水性塗料ユーザーで皮脂を強くつけてしまったとしても、少量なら手で洗うのでも十分でしょう。コストを抑えたい場合はブラシがおすすめです。
ある程度時短しつつコストを抑えたいなら→超音波洗浄機+ブラシ
超音波洗浄機+ブラシの併用、ハイブリッドがおすすめです。
全パーツを超音波洗浄機にかけると乾燥の手間もあります。奥まった箇所が多いパーツや大きく改造やヤスリがけしたパーツのみを超音波洗浄機にかけ、残りは手でブラシする方法が良いのではないでしょうか。
また、超音波洗浄機とブラシだけで済むため置き場所も節約できます。
費用より時短!なら→超音波洗浄機+食器乾燥機
超音波洗浄機と食器乾燥機をダブル使用しましょう!
ただし、どちらも用意するには費用だけでなく置き場所の問題もあります。特に食器乾燥機導入の際はきちんと置き場所を確保してからが良いでしょう。