糊付きで付け替え簡単・・・CSヤスリの魅力を徹底解説
今回はアルゴファイル製糊付き紙ヤスリ、CSヤスリのレビューです。
タミヤフィニッシングペーパーを超える紙ヤスリが来たら起こしてくれ
タミヤフィニッシングペーパーとはまた違う魅力のある紙ヤスリなので話だけでも聞いてって!
CSヤスリのウリは何?
CSヤスリとは、こちらの使い捨てタイプの紙ヤスリ製品です。
プラモデル用のヤスリは数多あり、筆者もその全ては把握しきれていません。
当記事でもこれまでたくさんのヤスリを紹介してきました。
駆け出し初心者最初の一本におすすめ、ウェーブヤスリスティック。
小さな箇所をしっかり削るヘミアイピィーディ極地ヤスリ。
高性能な精密ヤスリ、当サイトで幾度となく登場したダイヤフィニッシュPRO。
今回の主役・アルゴファイルCSヤスリは2024年に登場した新参のヤスリです。
後発というだけあってメリットと独自性を備えた紙ヤスリです。
ここではそのメリットを紹介していきます。
耐久力
目詰まりしづらいというのがメーカーであるアルゴファイルさんのキャッチコピー。
個人の感想としては、目詰まり自体は確かにしづらいけどまあ普通に起こります。
ええ。。。
そりゃまあヤスリなので目詰まりはしますよね。
しかし!!!!解消がとてもしやすい上に、ヤスリツブがとれづらい印象です。
目詰まりと言えば難敵・エポキシパテ。
ヤスリで削るとすぐに目詰まりを起こす素材です。
CSヤスリでヤスってみましょう。
詰まりました。
しかし、ここで練り消しを押し付けるとあっという間に解消。
ブラッシングだけでも結構しっかり落ちてくれます。
他のヤスリではこう簡単にいきません。黄色いエポパテがこびりついてしまいます。
また、目詰まりを取ると簡単にヤスリツブも落ちてしまい、研磨力が落ちます。
CSヤスリは目詰まりを取った時もヤスリツブが取れづらく、それが耐久性に繋がります。
メンテがしやすい結果、使い捨ての紙ヤスリなのに寿命が延びる=コスパが上がるメリットが生まれます。
また、CSヤスリの寿命が長いことは後述する付け替えメリットにも直結します。
最大のメリットは裏糊仕様による付け替えの簡便性
これは筆者個人の感覚ですが、CSヤスリ最高のメリットは耐久力以上に裏についている糊です!!
そして、その最高性能を引き出すのはCSヤスリと合う当て木です。
CSヤスリ単体だけでは、耐久力が高いものの単価自体は高く、特に取り上げたいヤスリってこともないです。
単価ではタミヤフィニッシングペーパーに劣ります。
硬さを取りたいならゴッドハンド神ペーパーに劣りますし、フィット感ではゴッドハンド神ヤスやウェーブスティックヤスリソフトに勝てません。
なんか褒めてなくない・・・???
デメリットはデメリットとして伝えないと、発信する意味がなくなっちゃいますので・・・
しかし、この裏糊があるおかげで当て木と組み合わせた途端
エッジ出しから局所まで平面全てをカバーする万能ヤスリに大化けします。
人気の紙ヤスリ+当て木の組み合わせ
一般的に、当て木付きヤスリは両面テープを当て木に貼り、そこに紙ヤスリをカットして貼ります。
著名なコンボと言えばゴッドハンド「FFボード」+タミヤフィニッシングペーパーでしょう。
FFボードはタミヤフィニッシングペーパーのちょうど半分の長さ+6本分の幅。
計12枚分の当て木として使えるようになっています。
ただ、両面テープの付け外しは結構・・・・というかめちゃ手間です。
特に長期間貼っていた場合は接着剤が固着して剥がすのに苦労します。
CSヤスリの裏糊はしっかり着くのに剥がしやすい!
CSヤスリは最初から裏に糊があるため、都度当て木に両面テープを貼る必要がありません。
そんくらい手間に感じるなよ・・・・って思いますよね?
でも、何度もやってると飽きてきて手間に感じちゃうんです
紙ヤスリは使い捨てということもあり、どうしても交換は頻繁に起こります。
このため、最初から糊が付いていて作業の一手間が削減されるのはメリットが大きいです。
おまけに糊の強度が絶妙で、貼ったヤスリは作業中ずれない接着具合です。
しかし、剥がす時はすんなり剥がれます。
この貼って剥がせる感は、一度使うと元の両面テープに戻れないくらい便利です。
そもそも貼って剥がす回数も少なく済む
前述の通り、寿命が長い紙ヤスリな点はこの交換の手間削減に更に一役買います。
交換の回数自体が減るので、交換しやすいメリットと相乗効果を生んでますます手間が減るわけです。
CSファイルは当て木と組み合わせてこそ活きる
「交換しやすい」ことが大前提になり、本来のCSヤスリのウリである当て木との組み合わせシステムが最大限に活きます。
CSファイルは当て木とのヤスリシステムが組まれています。
それがCSヤスリに対応して開発されたCSホルダー、CSカーボンプレートです。
CSヤスリと同じ75mmの長さであることが特長です。
このため、長さをカットする必要なく貼り付ければそれでOKです。
特に25mm幅のCSホルダーとCSカーボンプレートなら、ただ貼るだけでOKです。
25mm未満のプレートでも、切る辺は1辺のみ。
これらの要素が組み合わさった結果、交換頻度自体が低い上に交換しやすい時短メリットが最大限に発揮されます。
しかも75mm規格の当て木は他にも選択肢がある!
ところが、ちょっとした問題点としてCSヤスリの当て木は意外と品薄です。
人気が出てきたため、入手性が現時点(2024年12月)で下がっています。
特に最も汎用性のあるCSホルダーフラットはなかなか入手できません。
しかし、実はこの「75mm」というCSヤスリのサイズは他でも入手しやすい大きさです。
例えば、DSPIAEのカーボンプレート。
こちらは5mm/10mm/25mmの3枚セットでお得です。
先ほどの紹介写真でもこちらを使用しました。
75mmなのでCSヤスリと完全フィット。
80mmと若干長めですが、童友社からも出ています。
75mmカーボンプレート自体のメリットも大きい
カーボンプレートは炭素繊維でできたプレートで、薄さにもかかわらず反りが出づらいのがメリットです。
反りたわみは、エッジを丸めてしまうことに直結するので回避したいところです。
特に1mm厚プレートは狭い箇所にもスルスル入り込みながら、反らない特性が活きてきます。
持ち方を工夫すると、反りたわみを最小限に抑えながらヤスリをストロークする幅を最大限取ることができます。
例えば、こんな狭い隙間にある箇所をヤスる場合。
極小ヤスリは一般的にヤスリが小さくなり、ストローク幅が取れないため作業時間がかかるデメリットがあります。
しかし、CSヤスリ+カーボンプレートは75mmのストロークを最大限に利用できる強みがあります。
75mmは、同じ狭い箇所への剛性に強みのあるDTファイルよりも長いのです!
※DTファイルのヤスリ箇所は50mm
CSホルダーは良いの?
では、一方のCSホルダーはどうでしょうか。
こちらは持ち手が付いており、75mm長さ×25mm幅をフルに利用した使い方になります。
つまり、これを使えば大きな面に対応する面出しやエッジ出しにも使えるヤスリに変貌します。
CSホルダー+CSヤスリとの競合品=スジボリ堂マジックヤスリ
ホルダータイプかつ交換タイプとしては、スジ彫り堂マジックヤスリがダイレクトに競合となり、使用感の参考にもなるでしょう。
筆者はマジックヤスリも長いこと使っていましたが、ホルダータイプは持ち手があるので長い間作業しても指が疲れづらいメリットがあります。
また、ヤスリとホルダーがマジックテープ式の付け方。
このため、付け剥がしが本当に楽です。
対決!CSホルダー/CSヤスリ VS スジボリ堂マジックヤスリ
CSホルダーとCSヤスリのコンビとマジックヤスリ。
比較すると、同じホルダータイプでも幾つかの違いがあります。
汎用性
CSホルダー、CSヤスリ共にお互いの相手を選びません。他ツールにも使えます。
一方、マジックヤスリはマジックヤスリホルダーとマジックヤスリ同士でしか使えません。
コスト
1円当たりのヤスリの広さを比較してみると、マジックヤスリの方が広いです。
※CSヤスリ+ホルダー=1円約7㎟ マジックヤスリ=1円約21㎟
このため、コスト面で見るとマジックヤスリです。
平面への対応
マジックヤスリはどうしても間にマジックテープ部分が挟まるため、剛性に劣り平面出しには向いていません。
微妙にクッションがある状態になるため、平面やエッジ出しよりは非常に緩やかな曲面向きです。
一方CSヤスリ+CSホルダーはほぼ完全に平面なので、エッジ出しや面出しにはマジックヤスリより使いやすいです。
入手性
アルゴファイル製品はあらゆるお店やネット通販で手に入るため、非常に入手性が高いです。
ただし現在は売り切れが多いため、額面通りの実力ではない状態です。が、一時的でしょう。
マジックヤスリを始めとするスジボリ堂商品は専売品も多く、どうしても入手性は下がりがちです。
以上、コスト面の評価はいまひとつなのですが・・・
結局筆者はホルダータイプを使う際はCSヤスリメインに乗り換えることにしました。
これは単にホルダータイプのみならず、他当て木との組み合わせも加味した評価です。
1つのシステムで全部できるのは魅力です。
ただマジックヤスリホルダーもヤスリも大量にあるのでしばらく併用です!
今度ちょっと分けて
おまけ:CSホルダーが入手できない場合の対策
これ、現在筆者自身も陥っております・・・・CSホルダー納品待ちです。
そこで、25mmタイプのカーボンプレートに持ち手を付けてみました。
持ち手は100均で売っているアクリル樹脂粘土。2日くらい置くと固まります。
粘土を持ち手形状にしてから、カーボンプレートに瞬間接着剤で付けるとCSホルダーっぽい使い勝手になります。
不格好ですが、これはこれでありではないでしょうか。
CSホルダーやカーボンプレート以外の組み合わせは?
もちろんあります。
順番と名前的に、本来はこちらの【カービングサンダー(CS)】向けに作られたヤスリだったようです。
カービングサンダーはCSヤスリをピンと張って、曲面などにフィットさせながら狭い箇所をヤスリがけ出来るツール。
筆者自身はバイスを持っているので、バイスにパーツを挟み込めば両腕が空き、CSファイルのみで同様の事ができると判断して使っていません。
バイスをお持ちでない人にはニッチながら活躍してくれるツールではないでしょうか。
あとは当サイトおすすめの極小ヤスリ、【極地ヤスリ】にもカットして使えます。
あくまで糊付き紙ヤスリなので、使う対象を選ばないのも魅力です。
ただ、筆者としてはやはり75mm当て木に付けて使ってこそ最大効果が出るヤスリだと思います!
まとめ
当て木のチョイス次第で様々な使い方ができるのがCSファイルのメリット。
そして、糊とサイズのおかげで交換性が高く、当て木自体の選択幅も広いのが魅力です。
コスト面に難がありますが、時短と万能性から主力ヤスリにしてもよいのではないでしょうか。
ぜひ試してみてください。