ガンプラの肉抜き埋めをしてみよう
ガンプラには、意図的に作られた空洞箇所があります。これを肉抜きと言います。
今回は肉抜き埋めのやり方と使う道具を紹介します。
その前に、なぜこの空洞ができるのでしょう?
肉抜き穴とは?
プラスチックの成型不良を防止するための工夫
メーカーさんが肉抜き穴を作る理由
肉抜き穴とは、意図的に作られたガンプラパーツの空洞部分を指します。
本来の機体の設定には存在しないのですが、上図の通り、パーツの成型不良を予防するために作られている空洞です。
金属加工の肉抜き穴は主に軽量化のために設定されますが、そもそも軽量のプラパーツでは質量よりもヒケ、歪みを防止するために作られているようです。
ヒケ解説の記事で詳細は解説しましたが、プラパーツは工程上どうしてもへこみや歪みが出るのは避けられません。これを少しでも防止しようというのが肉抜き穴です。
肉抜き穴の実例
写真はそれぞれHG Zガンダムの肩パーツとHGガンダムエアリアルの足首パーツです。
肉抜き穴は、新しい年代のガンプラになるほど多くなっているように感じます。特にHGガンダムエアリアルは非常に多くの肉抜き穴があることで少し話題になりました。
肉抜き穴は前段の通りパーツの成型不良(ヒケも含む)を予防するためのものです。
このため、新しい設計のガンプラであるほどヒケが減り、代わりに肉抜き穴を多く作ってパーツの表面状態を改善しているのではないでしょうか。バンダイさんの努力のたまものですね!
昔のガンプラはヒケがすごかったけど、今のガンプラは本当に減りました!
しかし本来の設定ではない
埋めるか埋めないかはあなた次第!
ただし、あくまでも成型不良を予防するための設計であって、機体本来の設定ではありません。
もちろんそこはバンダイさん。肉抜き穴は可能な限り目立たない場所、あるいは少し複雑な形状になっています。
これにより、「いかにも肉抜き穴です!」という箇所が表に出るようなことはしません。さすがです。
とはいえ・・・・もちろん、目を凝らしてみればはっきり穴が分かりますし、気になる人には気になってしまうものです。
特に気にしてしまうのは、私たちモデラーです。非モデラーの人からすると「え、どこ?」というレベルの違いがわかってしまうのは、日ごろから自分の作ったガンプラや自分よりもっと上手な人が作ったガンプラを眺めて過ごしているからなのでしょう。
「この場所の肉抜き穴、気になる!」そう感じた人はぜひ埋めてスッキリしましょう。
一方で、気にならない あるいは埋める作業自体面倒だと感じる人は、もちろん対応不要だというのが筆者のスタンスです。
実際、筆者丸はどうしてるの?
ヒケほど一生懸命埋めようとはしてないや
チラリと見えて少し気になるところを埋めるだけくらいの感覚
後は、プラ材貼ってそれっぽく見せることも多いよ~~
趣味のガンプラ、嫌いな作業でせっかくのガンプラが嫌いになっては台無しですから!
肉抜き穴を埋めた完成例
HGガンダムエアリアル足首の作業例
画像が先ほどのHGガンダムエアリアルの肉抜き穴を埋めて塗装した後の完成例です。
この通り、とても地味で目を凝らさなければわからない箇所です。
しかし、このわずかに見える箇所に設定どおりの美しい曲面を再現したい!と思うガンプラモデラーの気持ちも少しお分かりいただけるのではないでしょうか。。。。
ちょっとわかるな!やってみたいな!と思われた方はぜひ以下の解説パートにお進みください。
埋め方を解説!
肉抜き穴を埋めるのに適したマテリアル
肉抜き穴を埋める際は、ヒケの処理でもご紹介したパテ類を使います。
結局、穴の大きさと出る場所が違うだけということですね!
しかしわずかに異なるのは、ヒケは微細なへこみであり肉抜き穴は大きく深い穴だという点です。
このため、ヒケ処理の時に最も初心者向きであるとご紹介していた瞬間接着系パテは、肉抜き穴の穴埋めの際おすすめ順位が下がります。
深い穴を埋めることになるので、穴が開きづらくかつ少々粘度が強いものの方が取り扱いしやすいためです。
筆者のおすすめはエポキシパテか光硬化パテ!
筆者の肉抜き穴対応マテリアルおすすめは、以下2種類のパテいずれかです。
エポキシパテ
立体を作る時の王道パテです。A剤B剤二つの塊からなり、混ぜた時の化学反応で硬化していきます。
エポキシ接着剤と同じ原理ですね!
粘度が高いというより、ほぼ粘土なので深い穴を埋めるときはベストチョイスだと思います。
ただ、2剤を混ぜるときに都度手袋を用意しなければいけない、(製品によりますが)切断用ハサミが必要などが若干億劫なので、筆者は以下にご紹介する光硬化パテを使う事の方が多いです。
※エポキシパテを混ぜるときは安全衛生のため素手で触れず、手袋の使用を推奨します
光硬化パテ
こちらはUVライトを照らすことで硬化するパテです。
粘度はエポキシパテより低く、瞬間接着剤系パテよりも高いというポジショニングです。
削りだしてパーツを作る際などはエポキシパテの圧倒的優位という感じです。
ただし、肉抜き穴を埋める用途では優劣付けがたく、作業内容のお好みで選んで良いレベルです。
実際の作業写真
実際にHG Zガンダム肩アーマーの肉抜き穴を光硬化パテで埋めた作業写真です。
写真のように、マスキングテープなどの上に少し光硬化パテを出し、つまようじで塗りつけてやれば穴埋め完了です。
後はヤスリがけするだけ!とても簡単です!
どの順番でどのようにヤスリがけするのが良いか?という初心者向け記事は以下にご用意していますのでぜひご覧ください。
まとめ
肉抜き穴の処理方法、いかがだったでしょうか。
本当に簡単な作業ですので、やってみようかなと思ったらぜひ試してみてください。
その他の表面処理作業についてはこちらもご覧ください。