素組から改造まで!誰でもできるガンプラ改造の手順
本記事はガンプラ改造に興味が出てきた初心者の方に向けた記事です。
ガンプラ改造はどんな作業工程を踏んでいくのか、そのやり方をご紹介します。
かなり長めなので、つまんで読んでいただいても何度かに分けて気が向いたときに見ていただいても構いません。
こちらの画像は、筆者が直近で作ったガンプラです。本記事ではこのようなガンプラ改造のやり方を工程ごとに解説していきます。
筆者は超絶技巧を持つ凄腕でもなければ、豊富なアイディアを持っているわけでもないアマチュアモデラーです
経験年数だけの素人モデラーですが、だからこそこれから入門する人に向けて「誰でもできる(だって自分にもできたから)」をテーマに解説していきます!
ガンプラ改造してみたい!どういうやり方をするの?
ガンプラに限らず、プラモデルの改造はある種終わりがありません。
しかし、入門者の方向けにある程度定型化された工程を紹介することは可能です。
本記事ではその手順を一つずつご紹介していきます。
一流モデラーにしかできないような難しい改造は一切紹介しませんので、ご安心ください(そもそも筆者はそんなことできません・・・)。
これまでに当サイトで取り上げた改造方法も多数登場します。
それらは各記事へのリンクで詳細を紹介させてください。
ガンプラ改造の流れ
まず、こちらがガンプラ改造全体の工程表です。
これらの中から好きな工程だけを選んで作っても全く問題ありません。
当記事では、大まかにこれらをすべて紹介していきます。
01.ガンプラを組み立てる
ゲートの処理を意識しながらパーツを切り離す
最初に登場するのは、ガンプラの組み立てです。
その中でも、パーツを切り離す作業工程をマスターしましょう。
プラモデルは、ランナーと呼ばれるベースに各パーツが繋がっています。
ランナーとパーツを繋ぐ箇所をゲートと呼びます。
パーツをランナーから切り離す際、きれいに処理する方法をゲート処理と呼びます。
改造の前段階として、まずはゲート処理をマスターすることがかっこいいガンプラ作りのファーストステップです。
詳細は以下の記事をご覧ください。
ゲート処理に必要なもの:プラモ用ニッパーとヤスリ
詳細は上記記事に譲りますが、ゲート処理の工程で必要な初心者おすすめの工具は以下です。
- タミヤ薄刃ニッパー
- ウェーブ ヤスリスティックソフト
ニッパーについても別途記事をご用意していますが、端的に初心者向け最初の一本におすすめなのはタミヤ薄刃ニッパーです。
ヤスリは硬さと、番手という考え方を考慮する必要があります。
初心者が最初に持つ1本目ヤスリとして、当サイトではウェーブヤスリスティックソフトを推薦しています。
詳細は以下の記事をご覧ください。
改造前提ならあくまで仮組!分解前提のダボ処理
改造をしない【素組(すぐみ)】と呼ばれる作り方の場合は、その後分解することはありません。
しかし、改造や塗装をする場合、組み立てるのはあくまで全体像のチェックという意味合いに変化します。
これを【仮組(かりぐみ】と呼びます。
このため、改造前提の場合は組み立ててもその後すぐに分解することになります。
分解しやすいよう、ちょっとした加工をしながら組み立てていきましょう。
具体的には、ダボ処理と呼ばれる方法で組み立て箇所を緩くしながら仮組していきます。
処理のコツは以下をご覧ください。
分解に必要なもの:パーツオープナー
分解にはパーツオープナーと呼ばれる工具があると便利です。
金属製のパーツオープナーはほぼ刃物に近く、うっかりすると指を切ってしまうので要注意です!
耐切創手袋があると少し安心ですが、くれぐれも注意なさってください。
仮組したら全体像をチェック!気になるところはどこ?
ゲート処理、ダボ処理をして仮組状態になったら、概ねどんなガンプラなのか全体像がつかめます。
このタイミングで以下のポイントを元に気になる点、改造したい点をチェックします。
例えば記事冒頭のHGUC ガンダムMk2の例で言うと、この状態が仮組状態です。
この際は以下の点が気になりました。
- バルカンポッドやアンテナ等のトゲトゲが丸っこい
- 筆者の頭の中にあるMk2と比べるとちょっと脚が細い
- もう少し色が細かく分かれてほしい
ここで気になったところに全部手を入れる必要はありません!
やりたい範囲で改造していきましょう
02.ガンプラの表面処理をする
好みによりますが、この段階でまずは表面処理から取り掛かるモデラーさんも多いです。
表面処理とは、ガンプラの表面を加工することによってよりリアリティ(実物はありませんが)を出そうとする方法です。
諸説ありますが、概ね以下が表面処理に類する作業となります。
ヒケ処理
ヒケとは、プラスチックの硬化タイミングで収縮するために起こる【へこみ】を指します。
このへこみはプラモデル/ガンプラの出荷時点ですでに起こっています。
不良品というわけではなく素材の性質上やむを得ず発生する類のものです。
大きな一つのパーツから、厚めに成形されていると起こりやすいです。
2000年代前半等の古いキットに出やすく、新しいキットには工夫が凝らされているため出づらいです。
このヒケ=へこみを直すことでリアリティと金属感のある仕上がりにすることができます。
詳細はヒケ処理の記事をご覧ください。
ヒケ処理に必要なもの:パテとヤスリ
へこみ=穴を埋めるのに使う最適な素材はパテです。
パテは盛り付けるのに使う素材で、様々な種類があります。
初心者におすすめなのは瞬間接着剤タイプのパテと、それを硬化させるための硬化促進剤のコンビネーションです。
以下に紹介している瞬間カラーパテは、硬化までの時間が意図的にゆっくりに調整されています。
時間をかけて思い通りに塗り付け、硬化促進スプレーを掛けます。
パテで埋めた箇所をヤスリで削って均すことで、ヒケを埋めることができます。
エッジ出し
ガンプラ、特にHGは対象年齢が低いこともあり、角が丸まっています。
これをヤスリがけなどを行って角出しすることによって全体的な印象がシャープになり、実物感が増します。
筆者は色々ある表面処理の中で、エッジ出しと先端のシャープ化はめちゃくちゃ改造前後の違いを感じました!おすすめです
詳細は以下をご覧ください。
エッジ出しに必要なもの:硬いヤスリ
エッジ出し用の工具、特にヤスリが有効です。
平面をきれいに出す際の注意点としては、硬いヤスリを選ぶことです。
柔らかいヤスリでは角を丸める恐れがあります。
パーティングライン処理
パーティングラインとは、プラモ用語ではパーツに発生する無駄な線です。
プラモデルは鯛焼きのように、金型の中にプラスチックを流し込んで硬化して製造されます。
この際、金型の合わせ目部分にごくわずかに流れ込んでしまったプラスチックがパーティングラインとして残ります。
これを削ることで、他表面処理同様おもちゃ感を消すことに繋がります。
パーティングライン処理については以下の記事をご覧ください。
パーティングライン処理に必要なもの:色々あるが曲線刃ナイフ
実はパーティングラインの処理は箇所によってかなり多様な工具が欲しくなります。
ただ、まずは汎用的なものをということで曲線刃(曲げ刃)のデザインナイフを紹介させていただきます。
曲線刃は接点が小さいため、小さい所も切断することができます。
詳細は以下をご覧ください。
肉抜き埋め
プラモのパーツは、前述の通りパーツが大きく厚いとヒケが発生しやすくなります。
これを防ぐ手段として、裏側を薄くすることによって収縮の影響が表面に出づらくする肉抜きが採用されています。
しかし、表面にへこみが出ない代わりに本来の設定にはない箇所に大きな穴が開くことになります。
ここを埋めるのが肉抜き埋めです。
詳細は肉抜き埋めの方法について書かれた以下の記事をご覧ください。
肉抜き埋めに必要なもの:パテとヤスリ
ヒケの処理はうっすらと埋めるパテということで瞬間接着パテを推薦しましたが、肉抜き穴はまあまあガッツリ穴が開いています。
瞬間接着パテよりもっと厚く盛れる、光硬化パテかエポキシパテがおすすめです。
シャープ化
ガンプラの角が丸まっている部分を鋭く尖らせる工程のことです。
エッジ出しと並び、ビシっ!と尖ったガンプラはかっこいいので効果大です。
スパイクを尖らせる方法を紹介した記事がありますので、詳しくはそちらをご覧ください。
シャープ化に必要なもの:プラ材
スパイクに限らず、何かと平面を盛り付ける場合はプラスチック棒などが有効です。
例としてエバーグリーンの平棒を紹介します。
国内メーカーでもタミヤ、ウェーブから豊富に出ています。
棒、板、パイプなど必要な素材を色々探してみるのも楽しいです。
03.合わせ目消しを検討する
ここまでで組立、表面処理が終わりました。
続いては、合わせ目を消すかどうかの検討に入ります。
合わせ目とは、プラモデル特有のパーツ分割線。
本来の設定画には存在しないのに、プラモデルのパーツ構成の都合上やむを得ず生まれてしまう分割部分です。
消すか消さないかはその人次第。
消す場合は、接着剤を使って接着し、ヤスリがけして一体化させましょう。
合わせ目消し徹底攻略を目指した記事は以下です。
合わせ目をディテールに利用!段落ちモールド
しかしこの合わせ目消し、好き嫌いがあります。
嫌い!やらない!という人も多いです。趣味ですからそれでもOK!
また、せっかく線があるということを逆手にとって、これをディテールとして利用してしまおうという方法もあります。
それが段落ちモールドという考え方です。
詳しくは段落ちモールドの記事をご覧ください。
段落ちモールドに必要なもの:ディバイダー
筆者お勧めはディバイダーです。
汎用的で、段落ちモールド以外にもたくさん出番があるためです。
ガンプラ改造を趣味にしようとする人にとって、持っていて損はありません。
うーん、でも初めたてならまだまだ要らないかな
合わせ目を消したい、でも塗り分けできない・・・・
合わせ目消しは接着してパーツを一体化させ、線を消す方法です。
このため、この後塗装するにあたって、基本的には同じ色で塗ることになります。
塗り分けたい、でも合わせ目は消したい・・・・・
そんな時は後ハメ加工!
パーツを加工して、合わせ目を消しつつも塗り分けはできるようにする方法です。
後ハメ加工はパターンが多様なため、幾つかに分類して考え方をご紹介しました。
04.ガンプラのミキシングを検討する
表面処理が満足いくまで終わり、合わせ目もどうするか決まりました。
今度は、先ほど気になった部分を何とかする方法を探していきましょう。
例えば腕が短すぎる、であったり細すぎる、であったり・・・
改造工作で何とかする方法もあります。
一方で、他のガンプラキットや他社製のプラモデルからパーツを引っ張ってきて、組み合わせる方法もありです。
これをガンプラのミキシングと呼びます。
ミキシングは技術が未熟でもやりやすい!
既存キットを組み合わせるから、パズルとかブロックみたいな楽しみがあるよ。
ガンプラミキシングのやり方については以下の記事をご覧ください。
旧HGベースの古いザクだったザクスナイパーを、ミキシングで現代風の体型に仕立て上げた際の解説記事がこちらです。
ガンプラミキシングに必要なもの:他キットやオプション品
別のガンプラ同士を組み合わせる方法ならば、パーツを取りだすためのキットが必要です。
また、それ以外でもミキシングやパーツ変更に使える市販品が色々とあります。
以下では、オプションとして追加できる30MMのエグザビークルと別売りのハンドパーツを紹介します。
05.ガンプラをディテールアップする
ミキシングを終えると、大まかな形はかなりできています。
次は細部を整える作業に進みましょう。
やっぱり最初はスジ彫りから紹介!
ガンプラ改造の中でも特に人気のある改造方法がガンプラへのスジ彫りです。
スジ彫りとは??
実物に存在するパーツ間の境目を【彫ることで】表現する手段
- プラモデルの性質上、やむなく1枚のプラスチック板になったパーツに対して、スジ彫りを彫ることであたかも別のパーツ同士が接合しているように見せる目的
実際には仮組した後にすぐスジ彫り開始する人もいます。
改造した箇所がはっきりわかること、ディテールの密度が濃くなることから非常に人気があり、効果もあります。
当サイトでも多くの方にご覧いただいている初心者向けスジ彫り記事を2つ紹介させていただきます。
スジ彫りに必要なもの:ケガキ針+タガネ系工具+ガイドテープ
当サイトでは初心者向け3点セットとして以下を紹介しています。
ケガキ針
まずは針で下彫りするためのものです。
これをやっておくとこの後の本彫りがきれいになります。
一手間加わりますが、おすすめです。
タガネ系工具
本彫りするための彫刻刀系ツールです。
スジ彫りカーバイト0.15mmが精度、値段、入手性のバランスが取れていておすすめです。
ガイドテープ
人間は意外とまっすぐ線を引くのが苦手なので、定規となるガイドテープがあるとうまくいきます。
(ピンバイス)
紹介したリーゲルニードルやスジ彫りカーバイト単品は、先端部分のみ販売されています。
このため、先端工具を差し込むための持ち手となるピンバイスが必要です。
工具によっては持ち手と一体型のものもあるので、その場合はピンバイスは不要です。
また、上記で紹介したスジ彫りカーバイトスリムホルダーセットなら持ち手がセットになっているため、不要です。
ディテールアップ市販パーツの追加
初心者でもお手軽にディテールを追加できる方法として、市販パーツを盛り付ける方法があります。
ガンプラに限らずプラモデルに使用できる追加パーツはたくさん市販されています。
既にあるものを製作中のガンプラに追加する方法なので、初心者でも取り組みやすいです。
例えば、壽屋から販売されているパーツ等をうまく追加する方法を別記事で紹介しています。
サイズ変更
「首が短い」「胴体が細い」等が気になった場合は、サイズアップを検討しましょう。
サイズアップの方法は幾つかあります。
プラ板による幅増しや延長
プラ板を接着して、分厚くする方法です。
塗装すれば一体化するため、しっかりヤスリがけして均せば違和感なく大型化可能です。
プラ板はウェーブやタミヤから安価で使いやすいものが色々出ています。
真鍮線を使った延長
数ある延長の中でも特に効果が高いのが首の延長です。
首を長くするというよりも、顎を引いて引き締まった姿勢にするのが目的です。
動かす際に負荷のかかる部分については、ただプラ材を接着するだけでは強度がもちません。
中に真鍮線と呼ばれる金属を仕込んで延長しましょう。
真鍮線を使った延長で必要なものは以下です。
ドリルで穴を開け、中に真鍮線を通して瞬間接着剤で固めます。
06.ガンプラを塗装しよう
ここまで出来たら、次は塗装です。
ガンプラはプラスチックパーツの色が最初から多様に分かれています。
他のプラモデルと違い、塗装しなくてもかっこいいのですが今回は既に改造してしまいました。
改造した場合は、プラ材の色やミキシング等で色がバラバラになっているので、塗装したほうがよいでしょう。
塗装前にチェック!サーフェイサー
サーフェイサーという単語を聞いたことがあるかと思います。
塗装の前に塗る下地塗料で、様々な色があり、定番カラーはグレーです。
グレーで覆うことによって改造した箇所の失敗した部分を見えやすくする効果があります。
また、色が統一できるのでこの後塗装した際きれいな色になります。
同じ塗料を塗っても、黒いパーツの上と白いパーツの上では出来上がる色が全然ちがうのです!
グレーに統一することで、統一感がうまれます。
エアブラシによる塗装
塗装方法として、大きく3つが挙げられます。
- エアブラシ塗装
- 缶スプレー塗装
- 筆塗り塗装
エアブラシ塗装が最も設備面のハードルが高いです。
代わりに均質な塗装表面が得られることがメリットとなります。
比較的現代のガンプラは「均質な塗装表面」が好まれることが多いです。
きれいで滑らかなガンプラを作りたい方は、なるべくエアブラシ導入を目指すのが良いと思います。
詳しくは以下で解説しました。
エアブラシはハードルを感じる方向け:ガンダムマーカーエアブラシはどうでしょう?
エアブラシに必要な設備や環境は先ほどの記事に譲りますが、最初はその準備物の多さがハードルです。
しかし、エアブラシによって得られる滑らかな塗装表面は、初心者が筆で再現しようとしても難しいものです。
そこで、代替案として「ガンダムマーカーエアブラシシステム」もご提案します。
これはガンダムマーカーと呼ばれるペンタイプの塗料を先端にセットし、空気圧で飛ばすツールです。
※上記商品に加えてガンダムマーカーが必要です
これを使うと、マーカーで直接塗るより平滑な表面が得られます。
エアブラシ未導入かつ未体験の方が「エアブラシってこんなに平らに塗れるんだ!」と実体験するのにちょうどよいツールではないでしょうか。
価格も手ごろです。
筆者もずっと筆で塗装していたのですが、初めてガンダムマーカーエアブラシを使って感動した思い出があります
その後エアブラシ導入したんだっけ
確かに筆で平らに塗るの、本当に難しいからなぁ
ただしガンダムマーカーには通常塗料にはない欠点が色々とあります。
以下はガンダムマーカー特有のデメリットなので、これを押さえたうえで使用しましょう。
- トップコート厳禁(溶ける)
- 重ね塗り厳禁(やっぱり溶ける)
- マスキング厳禁(はがれる)
ガンダムマーカーエアブラシはデメリットも多いのですが、何より手軽安価にエアブラシ特有の塗装表面を体感できるのは素晴らしいメリットです。
塗り分けにはマスキングが有効です
塗装時、1パーツに対して複数の色を塗りたいケースがあります。
そんな時はマスキング。塗らない箇所は覆って隠してしまえば、塗り分けができます。
その他の塗装
缶スプレー塗装
続いて、エアブラシ同様に滑らかな塗装表面を得られる方法として缶スプレーもおすすめです。
これもまた、室外で缶スプレーを吹けるという環境が必要です。
しかし、環境を用意できる方には非常に有効な方法です。
缶内部に充填されているガスの圧力で塗料を細かく飛ばします。
これによって均質な塗装表面ができます。
欠点は色を混ぜられないこと、単価が高いことです。
筆塗り
最も技術が必要な塗装法です。
一方、筆と塗料を用意すればすぐ始められるという意味で最も初心者がとっつきやすい方法でもあります。
この、導入しやすさと要求技術のアンバランスさもたまらない魅力です。
初心者でもきれいに塗りたい!どんなツールがある?
初心者が可能な限り滑らかな表面で塗りたい場合、筆はゴッドハンド神ふでをおすすめします。
特に平丸筆は他筆と比べて筆ムラが出にくくなるよう設計されています。
塗料は水性塗料「シタデルカラー ベース」が初心者にはとっつきやすいです。
初心者でもそこそこ筆ムラを押さえてくれます。
においもほぼありません。
溶剤不要、水さえあれば塗れるのも魅力。(実際には専用メディウムがある方が更に塗りやすい)
加えて、超絶技巧を持った人にとっても表現力が高く、初心者から上級者まで幅広く掬い取ってくれる優れた塗料です。
なお、筆者はエアブラシ塗装→筆塗りで部分塗装という順番で作ることが多いです。
筆塗りについては以下の記事でもう少し詳細をご紹介しています。
おまけ:ラッカー塗料による筆塗り
当記事では完全初心者向けのため水性塗料を使った筆塗りをご紹介しました。
しかし、使う塗料をアクリルラッカー塗料にして筆塗りすれば、また一味も二味も違う仕上がりになります。
07.塗装したガンプラに仕上げをしよう
スミ入れをする
機体のパーツの境目には、実際には深い溝があり、影があります。
しかしプラモデル/ガンプラの小ささではその溝を十分に表現できません。
そこで、この境目に濃い色の塗料を差し込むことで立体感と巨大さを強調しようという方法がスミ入れです。
スミ入れに必要なもの:タミヤスミ入れ塗料+ふき取り溶剤
タミヤスミ入れ塗料はフタに筆がついていて、これ一本でスミ入れできます。
筆が付いた部分をぬぐいとるため、ふき取り用の溶剤としてタミヤエナメル溶剤も必要です。
スミ入れの色は何色?
最も定番のカラーはダークグレーです。
どんな塗装色にどんなスミ入れ色を選べばよいのか、以下の記事で解説しました。
デカールを貼る
デカールは、塗装では表現が難しいマークなどを糊で張り付けるものです。
シールより薄く、細密感が増します。
塗装が終わった後にデカールを貼ると、一気にクオリティが上がります。
道具さえ選べば非常に簡単な作業なので、是非試してみてください。
デカールに必要なもの:デカールとマークセッター+ピンセット
まずはデカール自体が必要です。
ガンプラにはバンダイ純正品のガンダムデカールが最適ですが、他メーカーにも魅力的なデザインが揃います。
マークセッターはデカールを良い塩梅に柔らかくしつつ、接着力を高めてくれる糊です。
ピンセットも先端がとがりすぎていないものがあると、破けずに済みます。
トップコートでガンプラを保護する
デカールを貼り終えたらトップコートをしましょう。
トップコートは塗装やデカールをコーティングするための透明の膜を作ります。
光沢/半光沢/つや消しと3種類の仕上がりが選べます。
初心者の方には、最初はつや消しからおすすめしたいです。
ただし、つや消しする場合はつやが消えては困るパーツにはコーティングしないようにしましょう。
具体的にはクリアパーツ類です。
冗談みたいな話ですが、駆け出しのころクリアパーツにつや消しかましてしまいました
トップコートに必要なもの:トップコートとマスク
トップコートは缶タイプが便利です。
仕上げのディテールアップ
トップコートでつや消しを選択するつもりだったため、実はまだ一部のディテールアップを行っていません。
センサーやアイパーツなどの光る部分です。
光るタイプのディテールアップをトップコート前に仕込んでしまうと、曇ってしまいます。
クリアパーツと同じ考えです!
代表的な仕上げディテールアップをご紹介します。
モノアイ改造
実際にはここで初めて加工するのではなく、塗装前に一度パーツがフィットするかなどを確かめます。
HGのモノアイはシールが多いので、これを別パーツ化することによって一気にクオリティが上がります。
モノアイパーツとして金属の土台であるSPプレート、内部のレンズ表現としてHアイズを用いるのが定番です。
ガンダムタイプ ツインアイの加工
モノアイではなく、ガンダムのようなツインアイは別の加工が有効です。
オーロラグリーンシールという極薄のシートを使って光を偏光させ、アイカメラが光ったように見せます。
センサー部分のディテールアップ
ライフルのスコープ部など、円状の箇所を光らせたい場合に有効です。
この改造は特にお手軽で、VCドームというパーツを上から貼るだけでOK。
断然見栄えするようになるのでおすすめです。
08.完成したガンプラをかっこよく飾ろう
スタンドを用意しよう
スタンドは市販品で良いものもたくさんあります。
ただ棚に置くだけより、スタンドに乗せた方がぐっと「自分の作品」感が強まり、満足度が上がります。
おすすめはホビーベース「モデルベース」という商品。
間に台紙を挟むと更にクオリティが上がります。
自作でガンプラスタンドを作ってしまうのもあり!
100均のアクリル素材などを使って、自分で作ってしまうのも良いでしょう。
より一層愛着がわくこと間違いなし。
作り方の例として、以下の記事でご紹介しました。
ポージングを意識してガンプラを飾ろう
ここまでくればもう最後です。
せっかくスタンドまで用意して飾るのですから、めちゃくちゃかっこいいポーズで飾りたいものです。
シンプルにかっこよく素立ちで飾る方法を解説しましたのでそちらをご覧ください。
カメラが好きな方向けに、ちょっとした撮影のコツも合わせて紹介しました。
ポージングを勉強して、そこから逆算してガンプラ改造するのもいいかも?
おまけ:ガンプラのウェザリング
本記事では対象外にしましたが、トップコートの後にウェザリング塗装という技法を施すケースもあります。
ウェザリングとは、汚し塗装のこと。
スケールモデル(実物を小さくプラモ化したもの 戦車や艦船等)の世界からやってきた、リアリティを追求するための技法です。
モデラーさんによってはむしろウェザリングからが本番!というほど深く広がる世界があります。
ご興味のある方はこちらもご覧ください。
まとめ
以上、非常に長くなりましたがガンプラの組み立てから改造、仕上げまでの一連の流れを紹介しました。
必ずこれらすべてを行うわけでもないですし、順番も前後します。
それぞれのステップを行ったり来たりすることもたくさんあります。
ぜひお好みの改造を見つけて、スマホで当サイトでも眺めながら楽しく作ってみてください!